デ・ブライネ(中央)にとっては最後のマンチェスター・ダービーに [写真]=Getty Images プレミアリーグ第31節が6日に行われ、マンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティが対戦した。
今季3度目の“マンチェスター・ダービー”が、両チームこのような状況のなかで迎えることを、今季開幕前に想像できた人はいただろうか。ホームチームのマンチェスター・ユナイテッドは、前節終了時点で10勝7分13敗を記録し、勝ち点「37」を獲得。ヨーロッパリーグ(EL)では準々決勝まで駒を進めているが、プレミアリーグでは13位に沈んでいる。FAカップ、カラバオ・カップ(EFL)でも早期敗退を強いられた。昨年10月28日にエリック・テン・ハフ監督を解任し、現在はルベン・アモリム監督が指揮を執るが、そう簡単にチーム状況は変わっていない。
一方で、マンチェスター・シティも近年の栄光からすると考えられないほどに、低調なシーズンを過ごしている。前節終了時点での成績は15勝6分9敗。勝ち点「51」を積み上げ、現在は5位につけている。FAカップでは準決勝進出を決めており、タイトル獲得のチャンスはあるが、プレミアリーグでは前節終了時点で首位のリヴァプールに勝ち点差「22」をつけられており、自分たちが作り出したイングランド国内記録をさらに塗り替える5連覇は実質不可能となった。
このような状況で迎える今季3度目の“マンチェスター・ダービー”。1度目は新シーズンの開幕を告げるコミュニティ・シールドで、当時はPK戦の末にマンチェスター・シティが勝利。2度目は昨年12月15日に行われたプレミアリーグ第16節で、今度はマンチェスター・ユナイテッドが終盤の2ゴールにより2−1と劇的逆転勝利を飾っていた。
両チーム少なからず主力にケガ人が発生しているが、伝統のダービーマッチに向けて、現状で送り出すことのできるベストメンバーをチョイス。マンチェスター・ユナイテッドはキャプテンマークを巻くブルーノ・フェルナンデスを筆頭に、レニー・ヨロ、カゼミーロ、アレハンドロ・ガルナチョらがスタメン入り。一方のマンチェスター・シティは、今季限りでの退団が発表されたケヴィン・デ・ブライネがイレブンに入り、オマル・マルムーシュ、ベルナルド・シウバ、ニコ・オライリーらも先発に名を連ねた。
試合は序盤から一進一退の攻防が続き、両チームともにチャンスと呼べるようなシーンを作り出す。マンチェスター・シティは10分、右サイドに流れてボールを受けたフィル・フォーデンが、カットインから左足を振り抜くも、シュートはわずかに枠の外。15分にはオライリーからのスルーパスに抜け出したマルムーシュが、ボックス左からシュートを放つが、ここはハリー・マグワイアがブロック。18分にはボックス右で前を向いたケヴィン・デ・ブライネが左足を振ったものの、シュートはGKアンドレ・オナナの正面となった。
対するマンチェスター・ユナイテッドは20分、敵陣左サイドでボールを受けたガルナチョが、中央へ切り込んで右サイドへ展開。そのままボックス内へ入り込み、ディオゴ・ダロトからのクロスボールに反応したが、ヘディングシュートはジャストミートできない。29分にはピッチ中央付近でのボール奪取からショートカウンターに転じ、マヌエル・ウガルテがB・フェルナンデスからの浮き球パスをボレーで合わせるが、ここは枠を外れる。
0−0で時計の針が進むと、39分にはペナルティエリア手前右寄りの位置で前を向いたイルカイ・ギュンドアンが、右足でミドルシュートを放ったが、枠を捉えきれない。直後にはマンチェスター・ユナイテッドが攻撃へ移り、最後はカゼミーロが右足を振り抜くも、GKエデルソンの正面。結局、前半の45分間はスコアレスで終了した。
後半に入っても試合の様相は大きくは変わらず、フィニッシュまで持ち込むシーンはあるが、両チーム隙を見せることはない。65分にはマンチェスター・シティがペナルティエリア手前中央でフリーキックを獲得すると、キッカーを務めたマルムーシュが直接狙う。枠を捉えた一撃だったが、GKオナナに弾き出された。
一方で、終盤に向かっていくと、マンチェスター・ユナイテッドがより多くのチャンスを作り出す。71分、ペナルティエリア手前中央でセカンドボールに反応したウガルテが、鋭いミドルシュートを放つも、わずかにゴールの右へと外れる。77分にはガルナチョとのパス交換で左サイドを駆け上がったパトリック・ドルグの折り返しから、ジョシュア・ザークツィーが左足でシュートを放ったが、GKエデルソンが立ちはだかった。
結局、最後までゴールネットが揺れることはなく、試合終了の笛。今季3度目のマンチェスター・ダービーは、両者ともに組織的な守備で穴を見せることはなく、スコアレスドローで終了した。
この後、マンチェスター・ユナイテッドは10日、EL・準々決勝ファーストレグでリヨンの本拠地に乗り込む。一方、マンチェスター・シティは12日、次節のプレミアリーグで鎌田大地が所属するクリスタル・パレスをホームに迎える。
【スコア】
マンチェスター・ユナイテッド 0−0 マンチェスター・シティ
【得点者】
なし