
「おじいさんが昔住んでいた山奥の小屋に猫を8匹飼っていた
自分にもしものことがあったら保健所に連絡してもらって猫たちは殺処分してもらう、と
約10年ここで過ごしてきた猫たち、これからは暖かく涼しい場所で過ごそう、そして、ずっとのお家を見つけよう」
誰もいない山小屋で飼われていた猫8匹を保護したことを、宮城県仙台市太白区茂庭台(もにわだい)で保護猫活動などに取り組むボランティア「茂庭台にゃんこ〜おうち見つけ隊〜」さん(@nyarome_grgrgr)がX(旧Twitter)に報告しました。山小屋は、おじいさんが昔住んでいた家の敷地内にある小屋。10年ほど前から猫たちをお世話していたといいます。
「何かあってから動くのでは遅い」高齢の飼い主にボランティアが説得、猫8匹を捕獲へ
「猫たちのお世話をしていたおじいさんの親族の方と知り合いでたまたま土地を一緒に訪れた際、猫たちが小屋にいることを偶然知りました。お世話してる方(おじいさん)と何とか連絡をとりたくてお手紙を書いてその場に残しました。後日連絡があり、話をしたいとのことで直接会って話したら『自分の家では飼うことができなくて長年ここでお世話している。自分にもしものことがあったら家族に保健所に連絡してもらってここの猫は殺処分してもらうつもりだ』とお話しされていました。何かあってから動くのでは遅いと説得し、猫たちが殺処分になるくらいなら私が引き出して里親さんを見つけると交渉。全頭引き出すことになったんです」
猫たちを保護するため許可を得てボランティアが現場に足を運ぶと、小屋の壁は穴が開いており冬は寒く夏は暑い環境だったとか。中は鼻につくにおいがし、またふん尿だらけのトイレを発見。「猫たちにとっていい環境ではない。ここから出してあげたい」と思ったというボランティア。1匹目、2匹目、3匹目…と次から次へと捕獲に成功。しかし、最後の1匹の白猫がなかなか捕まらず。ただ最終的には自ら捕獲器に入ってくれたそうです。
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猫たちはかなり痩せて貧血の数値がひどかった…エイズ陽性の猫も
保護した8匹の健康状態は「かなり痩せていて貧血の数値がひどく、輸血が必要かもと言われたくらい状態の悪い子が1匹います。現在治療中です。エイズ陽性の子も数匹います。幸いにも避妊去勢はお世話されていたおじいさんが過去にされていました」というボランティア。
今後について「状態の悪い子は回復してから里親を募集します。その他の子は初期医療にかけ終わり次第、里親募集。みんな約8歳以上、かつエイズキャリアの子もいますし年齢的にも里親さんが見つかるか心配ですが、ずっとのおうちを見つけてあげられるように頑張ります」と話します。
さらに、今回おじいさんのような一人暮らしの高齢者で、猫を飼育している飼い主に対して「この現場に関わり、高齢の方で猫を飼っていて“もし自分が猫より先に亡くなったらどうするか”ということについて悩まれている方はたくさんいるんだろうなと思いました。伝えたいことは、猫は長いと20年も生きるということ。遠い将来のことも考えて猫を飼い始めてください。そして、どうしても今抱えてしまっている猫たちがいるのであれば、どうか、自分が倒れてからではなく、自分が倒れる前に猫たちのこれからのおうちを探してあげてください。決して無責任に手放したり、殺処分しようとしたりして解決しないでほしいです」と訴えています。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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