アニメーション映画「クスノキの番人」の“超ティザービジュアル”(横)東野圭吾の小説「クスノキの番人」がアニメーション映画化され、2026年に劇場公開されることが決定した。
【画像】「クスノキの番人」原作小説2020年に実業之日本社から刊行され、累計発行部数は100万部を突破している「クスノキの番人」。東野の作品はこれまで数々映像化されてきたが、アニメーション映画化されるのはこれが初めてだ。
描かれるのは、「その木に祈れば願いが叶う」と伝えられるミステリアスなクスノキと、その番人となった青年の物語。理不尽な解雇により職を失った直井玲斗は、追い詰められた末に過ちを犯し逮捕される。弁護士から「依頼人の指示に従うなら、釈放する」と告げられ、その条件を受け入れた玲斗の前に現れたのは、亡き母の腹違いの姉であり、大企業・柳澤グループに大きく貢献してきた人物・柳澤千舟。すると彼女は玲斗に、月郷神社に佇むクスノキの番人になるように命じる。
戸惑いながらも番人となった玲斗は、さまざまな事情で境内を訪れる人々に出会う。運に身を委ね、将来を思い描くことも、人生の選択を自ら決める意志もなかった玲斗だが、彼らや千舟と関わるうちに少しずつ世界は色付いていく。しかし玲斗は、クスノキが持つ本当の力をまだ知らず……。やがてクスノキの謎は、玲斗の人生をも巻き込みながら、彼を思いもよらぬ真実へと導いていく。
監督はアニメ「ソードアート・オンライン」シリーズや「僕だけがいない街」、オリジナル劇場アニメ「HELLO WORLD」などを手がけた伊藤智彦。アニメーション制作はA-1 Picturesが担当する。原作の東野と伊藤監督からはそれぞれコメントが到着した。
■ 東野圭吾コメント
小説を書く手法は作家によってそれぞれだと思いますが、私の場合、まずは頭の中で映像を思い描き、それを文章化していきます。だから作品の舞台となる土地には必ず参考にした場所があり、登場人物たちにもモデルがいることが多いです。『クスノキの番人』も、そのようにして書き上げた作品ですが、いつも以上に空想力を必要としました。超自然的な現象が頻繁に出てくるからで、実写化するのは難しいだろう、と執筆しながら考えていました。アニメーションになれば素晴らしいのでは、との思いが出てきたのはそういう流れからです。このたび、その夢が実現することになり、心よりありがたく感じております。私の空想力をはるかに超えた映像作品となっているに違いなく、今から楽しみにしています。
■ 伊藤智彦監督コメント
人はあっけなくいなくなるし、現状が永遠に続くことなんてあり得ない。ここ数年で自分が強く考えていることです。
個としての人間はとても脆弱で、遺伝子を残すという方法でそれを乗り越えようとしているのが動物的な対策なのだと思います。自分も40歳を過ぎ、残される側から残す側の気持ちを分かるようになってきました。それは単なる遺伝情報ということではなく、技術や精神性などといったことに関してもです。
この映画を通して『今の自分を形作っているものに感謝を告げる』。これが今回の自分の目標です。それは両親に、ということだけでなく普段関わっている人や昔お世話になった人、一瞬だけ現れてはいなくなった人もまるっと全てに。
そしてこの気持ちを次の世代にバトンを送りたい、そう考えています。
監督 伊藤智彦
■ アニメーション映画「クスノキの番人」
2026年劇場公開
□ スタッフ
原作:東野圭吾「クスノキの番人」(実業之日本社文庫刊)
監督:伊藤智彦
制作:A-1 Pictures
配給:アニプレックス
(c)東野圭吾/アニメ「クスノキの番人」製作委員会