50億円以上獲得しながら唯一チャンピオンサイアーになれなかった種牡馬は?

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2025年04月08日 08:00  netkeiba

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【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【ガルドロワイヤル】

 アイルランドで誕生し、フランスで走りました。デビューは3歳夏と遅く、翌年5月にラクープ(仏GIII・芝2400m)、6月にジャンドショードネイ賞(仏GII・芝2400m)を連勝しました。

「ミルリーフ×シカンブル」というスタミナ血統だったため、主に障害用の種牡馬として供用されたのですが、数少ない平地での活躍馬にカーリング(仏オークス、ヴェルメイユ賞)、ガゼルロワイヤル(英オークス2着、ヴェルメイユ賞2着)がいます。

 この2頭は日本に輸入され、前者はローエングリン、エキストラエンド、リベルタス、ブレーヴハートを産みました。4つの重賞を制覇したローエングリンは、スタミナ型のカーリングを母に持ちながら抜群のスピードを誇り、芝1600m1分31秒9のコースレコードでマイラーズCを勝ちました。カーリングはシカンブルやワードンといった激しい気性を伝える血を内包しています。それが“前向きな気性の圧倒的なスピード”というローエングリンの個性を形作る要素だったのではないかと思います。

 ローエングリンはロゴタイプ(皐月賞、安田記念、朝日杯FS)やトーセンスーリヤ(函館記念、新潟大賞典)の父となり、ランスオブカオス(チャーチルダウンズC)の母の父となりました。

◆血統に関する疑問にズバリ回答!

「最も多くの賞金を稼ぎながらチャンピオンサイアーになれなかった種牡馬は?」

 キングカメハメハは2010、11年に2年連続で首位種牡馬の座につきました。ただ、獲得賞金のパーソナルベストはこれらの年ではありません。

 種牡馬キングカメハメハの最大の当たり年は2015年。2歳、3歳、古馬とそれぞれのカテゴリーで大車輪の活躍をみせ、ラブリーデイ、ドゥラメンテ、レッツゴードンキ、リオンディーズの4頭がGIを制覇。53億円あまりを稼ぎ出しました。

 残念ながら、ライバルのディープインパクトがその上を行く69億円あまりを稼いだので、チャンピオンサイアーのタイトルには手が届きませんでした。

 2位の種牡馬が50億円以上の賞金を稼いだのは、わが国の競馬史上、2015年のキングカメハメハしかいません。

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