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東京商工リサーチの調査によると、2024年度における法令違反などを原因とする「コンプライアンス違反」倒産が、過去最多の317件(前年度比35.4%増)に達したことが分かった。初めて300件を超え、倒産全体の3%を超える見通しだ。
コロナ禍が落ち着いた2023年度は、中小企業への資金繰り支援策の終了・縮小に伴い234件(税金関連124件、不正受給24件)と一気に増加。2024年度は公租公課の滞納への徴収が厳格さを増したことによって「税金関連」の倒産が約1.4倍の172件に。このほかでも増加傾向がみられ、過去最多の317件に上った。
違反の内訳は、「税金関連」が最も多く172件(前年度比38.7%増)、詐欺・横領、偽装などを含む「その他」が73件(同28.0%増)、雇用調整助成金などの「不正受給」が42件(同75.0%増)、「粉飾決算」が21件(同10.5%増)で、それぞれ前年より増勢が目立った。
増加した産業は10産業のうち5産業で、最多は「サービス業他」の114件(前年度比60.5%増)、「建設業」が63件(同96.8%増)、「製造業」が38件(同52.0%増)だった。一方で減少したのは「卸売業」が31件(同11.4%減)、「運輸業」が26件(同10.3%減)、「小売業」が19件(同13.6%減)だった。
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●「粉飾決算」による倒産増加
2024年度の「粉飾決算」に起因する倒産は21件(前年度比10.5%増)で、コロナ禍前の2019年 (21件)の水準に戻した。2020年度は9件まで減少したが、2024年度は2020年度比で2.3倍増と、借入金の返済猶予などの支援要請で粉飾が発覚するケースが目立った。
産業別では、最多が「卸売業」で7件(構成比33.3%)、「製造業」が5件(同23.8%)、「建設業」が4件(同19.0%)だった。負債額別では「10億円以上」が17件(構成比80.9%)、「10億円未満」は4件(同19.0%)だった。
東京商工リサーチは「最近の粉飾決算に起因する倒産は、金融機関から巧みに資金を引き出し、倒産時に負債が膨らむことが特徴だ」とした上で、「粉飾事案は今後さらに増える可能性もあり、しばらく『コンプライアンス違反』倒産は高水準が続きそうだ」と指摘する。
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