爆薬から心臓の薬になった「ニトログリセリン」ってどんな物質? ダイナマイト工場での誕生のきっかけや薬としての作用まで解説してみた

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2025年04月08日 11:10  ニコニコニュース

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 今回紹介したいのは、ニコニコ動画に投稿された『【解説】『お薬は爆発だ!!』 ニトログリセリン(ニトロペン) 【宮舞モカのお薬ラジオ #38】』といういわし@超ビビリさんの動画です。

投稿者メッセージ(動画説明文より)

定期的に、1つのお薬を取り上げて詳しく解説する企画です。 毎週水曜日・日曜日投稿予定です。いいねを押すとプチお薬解説を見ることができます。

 薬剤師である投稿者のいわし@超ビビリ(休養中)さんが、「ニトログリセリン」について解説します。

 ニトログリセリンは、ノーベル賞を設立したノーベル博士によって作られた爆薬「ダイナマイト」の原料として知られています。

 ちなみにニトログリセリンを発明したのはイタリアのソブレロという科学者。コメント欄の方々、よくご存じです。

 そのノーベルのダイナマイト工場では、「月曜日に出勤すると頭痛やめまいを起こす」という謎の病気が流行りました。

 謎の病気の原因はニトログリセリンの血管拡張作用。頭痛は拡がった脳の血管が脳を圧迫することで発生し、めまいは血管が拡がったことによる血圧の低下で起こっていたのだとか。

 日曜に休み、月曜に出勤した労働者がニトログリセリンの影響で体調不良を起こしていたのですね。

 こうして血管を拡張させる作用がわかったことで医療に応用されたニトログリセリン。標的となった病気は「狭心症」。心臓へ血液を運ぶ血管の冠動脈が狭くなり、十分な酸素を運べなくなる病気です。

 典型的な狭心症では運動をしたときに発作が出ます。運動によって増えた酸素消費量に追いつかなくなって起こるとのこと。これが労作性狭心症です。

 そして心筋梗塞寸前ですぐに治療の必要があるのが不安定狭心症。こちらは運動をしていないときにも起こります。

 ニトログリセリンは狭心症全般の治療薬として使われます。狭くなった冠動脈を拡げる作用があるからです。

 血管拡張作用のキーとなるのはニトログリセリンが体内で分解されて発生する一酸化炭素。一酸化炭素がグアニル酸シクラーゼという酵素を活性化し、cGMPという物質の産生が増えます。このcGMPが血管を拡張させるのだそうです。

 一酸化炭素がキーなので、ニトログリセリンの登場後は似たような薬がいくつも開発されました。代表的なものは硝酸イソソルビドとニコランジル。ニトログリセリンも含め、これらを「硝酸薬」と総称しているとのこと。

 爆薬かつ体に作用する薬であるニトログリセリンについて、改めてそのメカニズムを知ることができるいわし@超ビビリ(休養中)さんの解説動画。詳細に興味を持たれた方はどうぞ動画をご視聴ください。

 取り上げた以降の内容は、飲み薬や貼り薬といった様々な剤型の解説に始まり、血圧低下の副作用にまつわる話、併用禁忌の薬についてと続いていきます。

視聴者のコメント

・アスカニオ・ソブレロ「初めて作ったのワイやで」
・「安全に使える爆薬」を作ったら「安全に使える兵器」として使われてた
・社会はダイナマイト工場だった…?
・何で爆薬の薬効が分かったのかと思ってたらそういう事ね
・ニトログリセリンも分解できる人体すごない?
・そんなお薬もあるのねえ

▼動画はこちらから視聴できます▼

『【解説】『お薬は爆発だ!!』 ニトログリセリン(ニトロペン) 【宮舞モカのお薬ラジオ #38】』

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  • ニトロ…窒素から硝酸そして爆薬や肥料,薬まで。ガソリン添加剤にも有るな。空中窒素固定菌(豆類)からハーバー・ボッシュ法という革命。
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