
新入学の季節。家族や友人の入学祝い選びに頭を悩ませた人も多いかもしれない。大阪・高槻市では4月7日、市立小学校の入学式が開催され、新入生約2700人に同市の風倒木などの木材を活用して製作された将棋駒が配られた。昨年12月の関西将棋会館移転オープン、3月15日の駒音公園オープンなど、「将棋のまち」としてますます盛り上がりを見せている同市で続くユニークな入学祝いだ。
高槻市は、かつて武家屋敷が広がっていた高槻城三の丸跡から江戸時代の小将棋や中将棋の駒が多数発掘されるなど、古くから将棋のゆかりが深いことで知られている。これまで各種タイトル戦の誘致・開催や、棋士を市営バス車両にデザインしたラッピングバスの運行など、将棋振興の取り組みに注力してきた。
小学1年生への将棋駒配付は、子どもたちに将棋に親しんでもらい、日本古来の伝統文化への理解を深めることなどを目的として実施しているものだ。今後、各校では配付された将棋駒を活用し、秋以降に棋士らによる出前授業も予定している。また「豊かな自然環境を作る森は、生活に欠かせない大切な存在であること」などを伝える“木育”の意義も持っている。
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