ライスがFKで圧巻2発! アーセナル、3点をリードしてレアル・マドリードの本拠地へ

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2025年04月09日 07:15  サッカーキング

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ライス(左)がセットプレーで大仕事 [写真]=Getty Images
 チャンピオンズリーグ(CL)・準々決勝ファーストレグが8日に行われ、アーセナル(イングランド)とレアル・マドリード(スペイン)が対戦した。

 欧州最高の戦いも、いよいよ準々決勝に突入。同ステージの初日となる8日には、クラブにとって悲願のCL制覇を目論むアーセナルと、大会最多15回の優勝を誇るレアル・マドリードが激突する。

 ファーストレグをホームで戦うアーセナルは、今季のプレミアリーグで2位につけてはいるものの、首位を走るリヴァプールとの勝ち点差は「11」まで開いており、逆転優勝は非常に険しい道のりとなる。既に大会の全日程が終了したカラバオ・カップでは準決勝、FAカップでは初戦の3回戦敗退を喫しており、今季唯一狙えるタイトルがCLと言えるかもしれない。

 CLではリーグフェーズを6勝1分1敗の3位で通過し、ラウンド16へストレートイン。ラウンド16ではPSV(オランダ)と対戦し、敵地で行われたファーストレグで7−1と圧勝すると、ホームに戻ったセカンドレグも2−2のドローで終え、2戦合計9−3というスコアで勝ち上がってきた。

 対して、大会の“盟主”として知られるレアル・マドリードは、ラ・リーガでは2位につけ、首位に立つバルセロナを勝ち点差「4」で追いかけているほか、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)でも決勝へ進出。今季、CLを含めた3冠達成のチャンスもある。

 CLではリーグフェーズで5勝3敗の成績で11位と、らしくない戦いを強いられたが、ここから昨季王者の底力を発揮。決勝トーナメントプレーオフでは、一昨シーズンの王者であるマンチェスター・シティ(イングランド)を2戦合計6−3で破ると、ラウンド16ではアトレティコ・マドリード(スペイン)とのPK戦にまでもつれ込む激闘をモノにし、ここまで勝ち上がってきた。

 なお、両者がCLの舞台で相まみえるのは2005−06シーズン以来のこと。当時はアーセナルから見て敵地開催のファーストレグを、ティエリ・アンリのゴールで1−0と勝利し、セカンドレグをスコアレスドローで終えたことで、ベスト4へ進出。クラブ史上初の決勝まで駒を進めたが、バルセロナ相手に涙を飲んだ。



 アーセナル、レアル・マドリードともに、現時点で負傷者の数も少なくはないものの、現時点で組むことのできるベストメンバーがスターティングイレブンに並ぶ。アーセナルは“古巣戦”となるマルティン・ウーデゴーアを筆頭に、負傷から戻ってきたブカヨ・サカ、さらにはガブリエウ・マガリャンイスの代役としてヤクブ・キヴィオルが先発入り。レアル・マドリードも“お馴染み”の顔ぶれではあるものの、右サイドバックにフェデリコ・バルベルデ、左サイドバックにダヴィド・アラバ、そして中盤の一角にルカ・モドリッチを起用した。

 試合は序盤からアーセナルがボールを保持し、敵陣へ押し込んでいく。レアル・マドリードは「4−4−2」のブロックを組んで自陣へ撤退し、まずは失点しないことを重視。組織的な守備からカウンターアタックを狙っており、ヴィニシウス・ジュニオールとキリアン・エンバペのスピードを遺憾なく発揮して、ゴールへ迫るシーンも作り出す。

 一方で、試合を支配するアーセナルは、両ウイングのサカ、ガブリエウ・マルティネッリの突破力を活かして攻撃の場面を構築していく。13分にはマルティネッリの突破からボックス内へボールを進め、メリーノからの落としを受けたトーマス・パルティがミドルシュートを狙うも、グラウンダーの一撃はGKティボー・クルトワの正面。

 レアル・マドリードは31分、左サイド高い位置でボールを奪ったジュード・ベリンガムからのスルーパスで、エンバペが背後へ抜け出す。ボックス左から右足で狙ったが、GKダビド・ラヤが立ちはだかる。

 スコアレスで前半も終盤に向かったが、44分にはこの試合最大のビッグチャンスが生まれる。中央突破を試みたマイルズ・ルイス・スケリーはブロックされたが、こぼれ球をメリーノが回収し、トーマスが右サイドへ展開。ユリエン・ティンバーからのクロスボールにライスが頭で合わせたが、ここはGKクルトワがビッグセーブ。こぼれ球を狙ったマルティネッリの左足シュートも、GKクルトワが凌いで見せた。

 スコアレスで後半へ折り返すと、やや意外な形で均衡が破れる。58分、アーセナルはペナルティエリア手前やや右寄りの位置でフリーキックを獲得。キッカーを務めたライスは壁の外側からカーブのかかった強烈なシュートを放つと、流石のGKクルトワも手が届かず、狙い澄ました一撃がゴールに吸い込まれる。アーセナルが先手を取った。



 このゴールで勢い付いたアーセナルは67分、ボックス手前左寄りの位置で前を向いたルイス・スケリーが細かいステップを踏んでドリブル突破。ボールを引き取ったマルティネッリが反転から左足を振り抜くも、GKクルトワがビッグセーブ。こぼれ球に反応したメリーノは2度にわたってゴールを脅かしたが、1度目はアラバのブロック、そして2度目はGKクルトワが阻んだ。

 紙一重のシーンを守ってみせたことで、レアル・マドリードが反撃の準備を整えたかと思われたが、アーセナルの背番号41がそれを許さなかった。70分、今度はペナルティエリア手前やや左寄りの位置でフリーキックを獲得すると、再びキッカーを務めたライスがゴール右上に目の覚めるような一撃を沈める。ライスがまたもフリーキックでネットを揺らし、アーセナルが大きな追加点を奪った。

 続く75分には、ライスがドリブルでスペースを前進し、左サイド大外に開いたレアンドロ・トロサールがマイナスへ落とすと、前を向いた状態でルイス・スケリーがボールを受ける。横へ渡すと、待っていたメリーノがダイレクトで左足を振り抜き、ゴール左下隅に流し込んだ。

 3点ビハインドとなったレアル・マドリードは終盤に反撃を見せたものの、決定機と呼べるようなシーンは少なく、後半アディショナルタイムにはエドゥアルド・カマヴィンガがこの日2枚目のイエローカードで退場処分に。試合はこのままタイムアップ。アーセナルが3点をリードし、2008−09シーズン以来のCL準決勝進出へ一歩前進した。

 セカンドレグはおよそ1週間後の16日に行われ、レアル・マドリードが本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』にアーセナルを迎える。

【スコア】
アーセナル 3−0 レアル・マドリード

【得点者】
1−0 58分 デクラン・ライス(アーセナル)
2−0 70分 デクラン・ライス(アーセナル)
3−0 75分 ミケル・メリーノ(アーセナル)

【スターティングメンバー】
アーセナル(4−3−3)
GK:ダビド・ラヤ
DF:ユリエン・ティンバー(90+1分 ベン・ホワイト)、ウィリアン・サリバ、ヤクブ・キヴィオル、マイルズ・ルイス・スケリー
MF:トーマス・パルティ、マルティン・ウーデゴーア、デクラン・ライス(80分 キーラン・ティアニー)
FW:ブカヨ・サカ(74分 レアンドロ・トロサール)、ミケル・メリーノ、ガブリエウ・マルティネッリ

レアル・マドリード(4−4−2)
GK:ティボー・クルトワ
DF:フェデリコ・バルベルデ、ラウール・アセンシオ、アントニオ・リュディガー、ダヴィド・アラバ(79分 フラン・ガルシア)
MF:ルカ・モドリッチ(71分 ルーカス・バスケス)、エドゥアルド・カマヴィンガ;ロドリゴ(85分 ブライム・ディアス)、ジュード・ベリンガム
FW:キリアン・エンバペ、ヴィニシウス・ジュニオール

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