2トップの破壊力で目標の日本一へ! デサフィオが2年ぶりの四国大会制覇《JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN四国》

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2025年04月09日 11:31  サッカーキング

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■高知県最西の港町に集った精鋭12チーム

 毎年、桜とともにやってくる、新小学6年生と5年生を中心とした『JA全農杯小学生選抜サッカーIN四国』。優勝したのは、2023年以来2年ぶりとなる香川県のDESAFIO CLUB DE FUTBOL(デサフィオ・クラブ・デ・フットボール/DESAFIO)。2021年以来の決勝進出となった徳島の沖洲フットボールクラブ(沖洲FC)は惜しくも届かなかった。

 今年のJA全農杯は高知県最西の港町にある宿毛市総合運動公園が舞台。四国各県の精鋭12チームが集まった4月5日のリーグ戦では、レベルの高い試合が続出。流行のGKがビルドアップに加わるスタイルのチームなども散見された。

 この大会は8人制での12分×3ピリオド方式。第1ピリオド&第2ピリオドは完全入れ替え制で、5分間の休憩を挟んで行われる第3ピリオドは途中出場を含め、すべての登録選手に出場権があるというルール(退場・負傷者が出た場合を除く)になっている。

 また、男子選手と共に女子選手も同じ扱いで出場するのも特徴だ。FC LIVENT(リベント/愛媛県)のセンターバックと左サイドバックを務めた梅川小明は、男子選手相手にも積極的にデュエルを仕掛けて攻撃の芽を摘むだけでなく、フェイントで相手をかわし、さらには最後列から前線へ届くフィードや中距離のシュートでゴールを狙うなど多才。将来は「なでしこジャパンに選ばれて、海外でプレーしたい!」と夢は大きい。


■実力伯仲の4チーム

 決勝トーナメントへ進んだのは大柄で決定力のあるFWを擁するFC reverse Jr(愛媛県)、快足アタッカーを前面に速攻がウリの川内北サッカースポーツ少年団(川内北SSS/徳島県)、丁寧な足元の技術が光る沖洲FC、そして「点の取れるアタッカー2人がいる(村松監督)」と自慢の強力2トップを擁し、よく走りよく守るDESAFIOの4チーム。

 黒潮が運んだ50メートル先も見えない朝の霞を四国山地の山風と温かい春の日差しが融かし、快晴やや強めの風で絶好のコンディションの中、準決勝の2試合はスタートした。

 Aコートは「FC reverse Jr対沖洲FC」。第1ピリオドに先制したFC reverse Jrだったが、攻撃も守備も丁寧さが目立つ沖洲FC相手に決定打が打てない。そんな第3ピリオドにGKのミスでがら空きとなったゴールへ沖洲FCの森が流し込んで同点。PK戦は7人目までもつれたが、最後は沖洲FCが決勝への切符をもぎ取った。

 Bコートは「DESAFIO対川内北SSS」。第1ピリオドに川内北が先制したが、センターサークルからDESAFIO自慢の2トップの一角、堀川諒多のキックオフシュートがGKのファンブルを誘い、わずか30秒で同点に。DESAFIOは第2ピリオドに逆転すると、全員守備で相手を抑え込み、決勝へ進んだ。どちらに転んでもおかしくないほど実力が伯仲した見応えのある対戦だった。


■勝因は“声出し”!?

 14時過ぎ、DESAFIOと沖洲FCによる決勝戦がキックオフ。先に攻撃を浴びせたのは沖洲FC。福田直翔がペナルティエリア付近から「サイドネットに決めよう」と振り抜いたFKは壁の背をかすめ、わずかに右へそれる。当たり方がもう少し薄ければ「狙い通り」となったシュートに多くの観客や見守る選手たちがどよめく。

 返す刀でDESAFIOは堀川がロングパスからゴールへ迫り、強烈なシュート。しかし、これもわずかに右へ。ややDESAFIOが優位な展開で進んだ第1ピリオドの10分、PA左角付近でロングパスを受けた堀川がゴール前に向けてドリブルを仕掛けると、DFはわずかに対応が遅れ、ほぼ正面から豪快にGKの頭上を射抜いてDESAFIOが先制した。

 第2ピリオド、サイドチェンジや斜めのパスなどで局面の打開を図りたい沖洲FCだったが、パスがDF網に引っ掛かり、仕掛ければ1人かわせても前を向けばもうそこにDFが迫っているというDESAFIOの集まりの早さの前に効果的な攻撃ができない。

 第3ピリオドになってDESAFIOのロングパスを堀川、そして2トップのもう一角、主将の鎌田正宗へ通し、前でガンガン仕掛けてシュートを狙う戦術がより鮮明に。沖洲FCはGKのビッグセーブ連発で何とかしのぐが、第2ピリオド以降、DESAFIOのプレスに対し、丁寧さが逆に判断の迷いとなったのか大きくゲインすることができない。

 勝因は「みんなで声を出して全力プレーできたこと」と鎌田が振り返ったように、最後までお互いに大きな声で指示を伝え、励まし合い、全力で走り抜いたDESAFIOが1−0でクリーンシート達成。歓びの声が高知の山々と太平洋にこだました。




■優勝を見据えて全国の舞台へ

 DESAFIOの村松監督は「みんなが集中してプレッシングしてくれて、相手の攻撃をしっかり潰してくれたので(勝つことができた)。声を出すことは小さなことかもしれないけれど、明るく元気のあるプレーとそうじゃないのではパフォーマンスが違う。試合開始の雰囲気でこれはいけるなと」と、選手たちを称えた。

 5月に行われる『JA全農チビリンピック2025 JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会』へ向け、チームの攻撃を担う堀川と鎌田は口をそろえて「絶対優勝します!」と、どこまでも強気だ。「みんなが力を抜かずに全力で、全員で勝ちに行きます」と語る主将の鎌田は、全国優勝を達成可能な目標ととらえ、DESAFIOは更なるレベルアップを目指す。


取材・文=上溝真司

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