着脱式デュアルキーボード搭載、“変態”する8.8型ノートPC「ONEXPLAYER G1」を見てきた

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2025年04月09日 12:11  ITmedia PC USER

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「ONEXPLAYER G1」

 One-Netbookの「ONEXPLAYER G1」は、ユニークな着脱式のデュアルキーボードを搭載した8.8型ノートPCだ。日本でも正規代理店のテックワンが予約を受け付けており、5月16日に発売する。


【その他の画像】


 同社は発売に先駆け、報道陣向けにONEXPLAYER G1の実機を披露した。今回はその様子を紹介しよう。


●変態(メタモルフォーゼ)な「ONEXPLAYER G1」


 ONEXPLAYER G1はなんといってもマグネットの着脱式デュアルキーボードが大きな特徴だ。通常時は8.8型のディスプレイを搭載したクラムシェル型のノートPCに見えるが、キーボードを取り外すと、ゲーム用コントローラーと左右分離式のバーチャルキーボードが姿を現す、まさに“変態(メタモルフォーゼ)”的なPCだ。


 One-Netbookはゲーミング用途だけでなく、日頃の生産性を高める“パワーハウス”という位置付けで、遊びにもビジネスにもこれ1台でこなせることをうたっている。


 キーボードと本体の接続は、ポゴピン(電子接点)、Bluetooth、USBによる有線の3通りに対応している。ポゴピンに備わった磁力で本体にキーボードが装着できる。本体を逆さにしても外れることはない。


 Bluetoothで接続すれば、キーボードを取り外しても外付けキーボードとして利用できる。最大3台までペアリングできるため、ONEXPLAYER G1だけでなく、スマホやタブレットとペアリングして接続先を切り替えながら使ってもいいだろう。


 次に本体からキーボードを外すと現れるのは、上部の左右にゲームコントローラー、下部には左右分離式のバーチャルキーボードだ。バーチャルキーボード部分はワンタッチでタッチパッドに切り替えられるため、マウスで操作するようなゲームでは重宝するだろう。


 ディスプレイは10点マルチタッチに対応した液晶のLTPS(Low Temperature Polysilicon)パネルを採用している。解像度は2560×1600ピクセル(アスペクト比16:10)で、リフレッシュレートは最大144Hz、輝度は500ニトとなっている。


 インタフェースはUSB4(Type-C)×2基、USB 3.2 Standard-A×1基、OCuLink×1基、3.5mmマイク/ヘッドフォンジャック、microSDメモリーカードスロットを搭載する。電源ボタンは指紋認証センサー一体型で、Windows Hello対応の200万画素のインカメラも搭載する。


 ちなみに、ディスプレイがネイティブランドスケープではないこともあり、カメラを起動するとスマートフォンで撮影しているようなポートレートモードの縦横比になる。今後、ソフト側で制御できるようになることを期待したい。


 本体にはファン2基と銅製ヒートパイプによる冷却システムを備えており、オリジナルの制御ソフト「OneXConsole」によってファンの動作を制御可能だ。激しいゲームではファンの回転数を増やすことで長時間でも安定したプレイを楽しめるという。


 バッテリー容量は51.97Whで、バッテリー駆動時間は1〜3時間ほど。電源を接続しながらゲームを長時間プレイしているときに、バッテリーを経由せず“給電”のみを行うバイパス充電にも対応している。


 サイズは約208(幅)×146.5(奥行き)×32(高さ)mm、質量は約880gだ。ただし、これは本体のみの重さであり、マグネット着脱式キーボードは約140gなので、合計1020gとなる。


 ONEXPLAYER G1は搭載CPUごとにモデルがある。テックワンではRyzen 7 8840U搭載モデル1機種とRyzen AI 9 HX370搭載モデル3機種の合計4種類を取り扱う。インテル版の取り扱いはない。予約は天空が運営するハイビーム、またはOne-Netbookで受け付けている。


 各モデルの構成と価格は以下の通りだ。


●触ってみた印象は?


 写真では分かりづらいが、キリッとした黒いボディーが好印象だ。アルミニウム合金製のミドルフレームは、ヒヤッとした感触が良く高級感がある。物理キーボードはこれまでのONEXPLAYER 2やONEXPLAYER X1シリーズと違って金属製なのでチープ感が薄れている。


 キーボードを取り外して現れるコントローラー部分を見るとは、左右にあるフチの段差が気になりそうだ。しかし、操作していて違和感はなかった。同席した記者たちの指さばきも眺めていたが、同様にやりづらそうに見えなかった。


 トリガーボタンのある上部には厚みがあって握りやすい。ただ、プレイスタイルによっては本体を支える指が疲れることもありそうだ。


 バーチャルキーボード分離型のおかげで、女性でも中央のキーに指が届くだろう。


 バーチャルキーボードとタッチパッドの切り替えは物理スイッチで行う。キーボードの文字はプリントされているため消せないが、タッチパッドに切り替えたときにバックライトを消灯できる。


 また、スイッチを押すごとに、「タッチパッドオン、キーボードオフ」または「タッチパッドオフ、キーボードオン」の文字がディスプレイにポップアップ表示される。


 海外のクラウドファンディングサイト「Indiegogo」でONEXPLAYER G1を早々に手に入れた人からは「(物理)キーボードがスリムだからか熱でゆがむ」「タイピング中にポゴピンとの接続が切れる」といった報告が挙がっており、筆者もその点が気になっていたのだが、今回触った機種ではそうした不具合が見られなかった。


 天空の山田拓朗社長は「One-NetbookのワンCEOもその問題を把握しており、改良版を作っている。国内では改良版を取り扱う」とコメントしていた。


 最もグレードの高いモデルで26万円超ということで、「ポータブルゲーミングPCに26万円……」と気後れしそうだが、ノートPCなら30万円超の価格でもおかしくないスペックである。またバッテリーをいたわる機能があることから、長く使い続けられるだろう。


 何より、デュアルキーボード仕様や高いカスタマイズ性など所有欲を満たすギミックを搭載している。実店舗のハイビーム秋葉原での展示が始まっているので、気になる人は試しに行くのも良いかもしれない。



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