東日本初! UDトラックス上尾スタジアムに野球専用AIカメラを設置 - 試合の自動撮影・配信を実現

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2025年04月10日 17:10  マイナビニュース

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NTT東日本 埼玉支店とNTTSportictは、埼玉県上尾市が保有する「UDトラックス上尾スタジアム」に野球専用AIカメラ「STADIUM TUBE DoublePlay」とPTZカメラ、次世代型マルチアングルライブ配信サービス「STADIUM TUBE Touch」の提供を開始した。


直感的なタブレット操作で簡単に野球専用AIカメラとPTZカメラを組み合わせたマルチアングルライブ配信やリプレイ映像・テロップの挿入ができる「STADIUM TUBE Touch」が野球場で提供されるのは東日本エリアで初の事例。なお、西日本では京都の「わかさスタジアム京都」に導入されている。


「STADIUM TUBE DoublePlay」は、AIが人やボールの動きをもとに映像を自動で編集する野球専用AIカメラで、ホーム側とセンター側に2台設置し、球場を幅広くカバーして撮影。さらに、UDトラックス上尾スタジアムでは、1塁側、3塁側にもPTZカメラ2台を設置することで、選手の様子やベンチの様子などを撮影可能となっている。


そして、次世代型マルチアングルライブ配信サービス「STADIUM TUBE Touch」を使用することにより、それら複数の映像を手元のダブレットなどで切り替えて配信することが可能。専門的なスキルがなくても、試合の様子を、リアルタイムにプロ感覚で配信することができる。

4月6日には、UDトラックス上尾スタジアムにて、「AIカメラ設置記念セレモニー」を開催。セレモニーには、上尾市 都市整備部長の北島享氏、NTT東日本 埼玉支店 副支店長の野々村聡氏、NTTSportict 代表取締役社長の中村正敏氏が出席した。


そして、セレモニーに続いて開催された「上尾市スポーツ少年団種目別交流大会」の野球の試合を、新たに導入されたカメラとライブ配信システムを使って撮影し、リアルタイムで試合の模様が配信された。


今回の導入経緯について、「昨年12月に京都へ視察に行った際、これはテレビ中継じゃないかと驚いた」と話すNTT東日本 埼玉支店 副支店長の野々村聡氏は、まさに一目惚れだったとのことで「これはぜひ埼玉にも導入したいと思い、その日のうちに(NTTSportictの)中村さんに相談した」と打ち明ける。そして、視察から戻るとすぐに上尾市と相談。そこからおよそ3カ月での導入・運用というスピード感について、「やはり球春、4月にあわせたかった」という野々村副支店長は、「何としても急ぎたくて、(上尾市の)北島さんに何度もお願いした」と笑顔を見せる。



一方、「まずお話をいただいた時点で、上尾市の基本的な考え方にあっているかどうかを検討した」と振り返る上尾市 都市整備部長の北島享氏。上尾市では「上尾市スポーツ健康都市宣言」を行っており、その中には、スポーツをする、見る、支える、そして健康管理なども含まれている。そして、“見る”という点が、NTT東日本から提案された内容と合致しているところから、「基本的には設置したい」という上尾市の方針が決まったと話す。そのうえで、12月から3月までの短い期間でいかに実現するかについての議論が行われ、「今年一年間は試験期間として、まずは設置。状況を見ながら、今後どのような共同事業として進めていくかを検討する」という方針のもと、3カ月という短い期間での導入が実現したという。



「STADIUM TUBE DoublePlay」は、通常、ホーム側とセンター側に設置された2台のAIカメラで構成され、「AIのアルゴリズムが試合の状況に応じて、すべて自動でスイッチングするため、人の操作はまったくいらない」と、あらためてシステムの特徴を説明するNTTSportict 代表取締役社長の中村正敏氏。PTZカメラを一塁側と三塁側に追加しているUDトラックス上尾スタジアムは、「ある意味、スペシャル」であり、「STADIUM TUBE Touch」と組み合わせることで、カットやシーンを選ぶことが可能となっている。この場合は人の手が必要になるが、簡単な操作から、より思い描いた映像を配信できる利点も多い。


当日は、富士見コンドルズと西上尾コンドルズの試合が配信されたが、配信映像を見た西上尾コンドルズの関係者は、「テレビを見ているくらいキレイな映像」と驚き、「プロ野球や高校野球を見ているよう」と喜びの声を上げる。「映像があれば、子どもたちの練習の成果などを確認することができますし、親御さんにとっても良い記念になる」と同チームの代表は続ける。そして、少子化問題もあって、スポーツ少年団に入る子どもの数も減少傾向という状況に対して、今回のAIカメラ導入が「野球人口を増やしていくことにも役立ってほしい」と期待を寄せた。



一方、セレモニーの後に駆けつけた、上尾市 市長の畠山稔氏は、配信映像を見ながら、「これまでは球場に行かないと見られなかった試合が、AIを使って、いろいろな角度から見ることができる」ことに驚きつつ、「自分たちの姿が映る、そして記録に残るということで、子どもたちのやる気にも繋がる」との見解を示し、「ここから頑張って、良い選手が出てきてほしい」と期待を高める。「自分の子どもが一生懸命に頑張っている姿を見られる」という保護者のメリットに加え、「監督さんもちゃんと映像があれば、指導しやすいし、子どもたちも納得できるのでは」と指導者目線でのメリットについても言及。


今回のシステム導入によって、「全国から上尾で大会をやりたいという申込みが来るかも」と今後の展開を予期しつつ、「子どもたちが楽しくプレイできる環境ができたことがとてもうれしい」と締めくくった。()

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