阪神牝馬Sに出走するアルジーヌ(撮影:下野雄規) 今週の土曜日は、阪神競馬場で阪神牝馬ステークス(GII・芝1600m)が行われます。
阪神牝馬Sは16年から阪神芝1600mでの開催に変更されています。ここでは阪神芝1600mでの開催となった16年以降の阪神牝馬S(計9レース)を対象に、過去の傾向を探っていきたいと思います。
16年以降の阪神牝馬Sでは前走で中央場所(東京、中山、京都、阪神)に出走していた馬が8勝2着7回3着7回と良績を残しています。
中央場所はローカル場所と比べるとメンバーレベルが高くなる傾向にあります。前走でレベルの高いメンバーを相手にレースをした経験というのが、阪神牝馬Sで結果を残すためには重要になってくるのかもしれません。
ここ2年は前走で中央場所に出走していた馬が上位3頭を独占していますし、直近の傾向からすると前走が中央場所だった馬を主軸に馬券を組み立てるのが的中への近道になるのではないでしょうか。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走中山芝1600mに出走
[0-0-0-7]複勝率0%
該当馬:アルジーヌ
(過去の該当馬:23年ママコチャ3番人気9着)
※特に言及のない限り、データは阪神芝1600mとなった16年以降の阪神牝馬S(計9レース)を対象にしています。
上位人気が予想されるアルジーヌが該当しました。
前走で中央場所に出走していた馬に良績が集中している阪神牝馬Sですが、前走が中山芝1600mだった馬には好走例がありませんでした。
中山芝1600mと阪神芝1600mは右回りのマイル戦という共通点はありますが、直線の長さは大きく違います。中山の直線距離は310mですが、阪神芝1600mが行われる外回りの直線距離はAコースが473.6m、Bコースが476.3mと長くなっています。
中山は直線距離が短いので瞬発力は求められにくいですが、阪神外回りの直線では瞬発力や切れ味が求められます。よって、前走で中山芝1600mを経験している馬はレースの質が違う阪神へ替わることに戸惑い力を出し切れていないと言えそうです。
該当馬に挙げたアルジーヌの前走は中山芝1600mで行われたターコイズSに出走。そこで優勝し力のあるところは見せていますが、今回は違う適性が問われる阪神に替わりますし、前回同様の走りができない可能性もあります。
また、これまでの走りを見ると切れ味よりも長く脚を使うのが持ち味のように映ります。阪神外回りのように直線が長く瞬発力が要求されるコースよりも、前回の中山のように長く脚を使えることがプラスになるコースの方が適性は高い印象です。今回は阪神外回りで瞬発力勝負になった時には切れ負けする恐れもあります。
これが人気薄ならば多少のリスクを承知で大きなリターンに期待するのもアリかと思いますが、今回は上位人気が有力で配当妙味は感じられません。過去の傾向や適性面を考えると、多少なりとも割り引いて考える方が得策と言えるのではないでしょうか。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。