
Q. 「喉が渇くのは糖尿病の症状」って本当ですか?
Q. 「最近、水を飲んでもやたらと喉が渇くようになりました。友人から『糖尿病になると喉が渇くらしいよ』と聞いて、心配です。喉が渇くという症状だけで、病院に行ってもいいのでしょうか? 他に気になることはないので、しばらく様子見すべきか迷っています」A. 不自然な喉の渇きは糖尿病の症状の1つです。病院で血糖値の確認を
糖尿病の症状の1つとして、喉の渇きを感じることがあります。それまでになかった喉の渇きが気になる場合は、早めに医療機関を受診し、血糖値を確認しましょう。糖尿病は、初期のうちはほとんど症状がありません。そのため、気付かないまま進行してしまうことがあります。血糖値が170〜180mg/dl以上になると、尿に糖が出るようになります。糖はスポンジのように水分を吸い寄せるため、通常よりも多くの水分を、尿として体の外に排出してしまいます。その結果、尿の量が増え、体が水分不足になり、喉が渇くのです。糖尿病になると、水分をたくさん飲みたくなる「多飲」、尿の量が増える「多尿」といった症状があらわれます。
一方で、喉が渇く理由は糖尿病が原因とは限りません。例えば、花粉症やかぜ薬に含まれる抗ヒスタミン剤や、血圧を下げる利尿薬などの副作用でも、喉が渇くことがあります。また、暑い時期に水分補給が不足すると、脱水症状で口や喉が渇きます。
それらの条件に当てはまらず、
・水分を取っているのに喉が渇く
・尿の量が増える
・体重が急に減る
といった変化がある場合は、糖尿病の可能性があります。放置することなく早めに医療機関を受診し、血糖値をチェックしてください。
荒牧 昌信プロフィール
日本内科学会総合内科専門医。「やさしい言葉とわかりやすい説明」をモットーに、クリニック院長として外来診療に従事。糖尿病・生活習慣病に関するセミナー・講演会も多数。ひとりでも多くの人が健康的な生活を送れるよう、役立つ医療情報を発信中。
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