「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)が、4月13日に開幕する。電気事業連合会が出展するのが、未来のエネルギーの可能性を紹介するパビリオン「電力館 可能性のタマゴたち」(以下、電力館)だ。報道機関向けの公開日「メディアデー」でひと足早く体験したので、展示内容を紹介したい。
【画像】一人一人に配られる「タマゴ型デバイス」、“映え要素”抜群な「輝きエリア」……全ての写真はこちらから(計12枚)
●約30の「エネルギー」を紹介
電力館のターゲットは小中学生で、所要時間は45分程度。「未来の社会では、もしかしたらこんなエネルギーが生活を支えているかもしれない」――というコンセプトで、約30のエネルギーが紹介されるパビリオンだ。「風力発電」「水素」といった比較的なじみのあるものから、「シビレエイ」「うどん」と、聞いただけでは想像がつかないようなものまで、登場するエネルギーは幅広い。
パビリオンに入って最初に手渡されたのが、直径約10cm・高さ約13cmの「タマゴ型デバイス」。これを首からかけてパビリオン内を進むよう案内された。タマゴ型デバイスは、おのおのの好きな色を選べる。
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●「核融合反応」を体験
最大の体験スペースが「可能性エリア」。タマゴ型デバイスをそれぞれのブースに置くと、“エネルギーの可能性”の体験が始まる仕組みだ。
記者が最初に体験したのは「核融合」。タッチパネルで覆われた円卓に座り、所定の位置にタマゴ型デバイスを置くと、核融合反応についての説明ののち、パネル上でゲームが始まる。ほかの参加者とポイントを競う形式のようだ。
ゲーム内容は、パネル上に現れた「赤い水素」(重水素)と「青い水素」(三重水素)を、両手を使ってタマゴ型デバイスに近づけることで、「核融合」(デバイスの点灯)を発生させるというもの。
一見するとシンプルだが、「水素同士は反発してしまうため、融合するのはとても難しい」という説明の通り、2つの水素を同時にデバイスに近づける……という操作が意外にもうまくいかない。スタッフのアドバイス通りにゆっくりと操作を試みると、何回かの“核融合”を起こすことができた。
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このほかには、「温度差発電」「植物発電」「ZEB」といったエネルギーを“体験”することができた。いずれも所定の位置にタマゴ型デバイスを置くと、それぞれのエネルギーについての説明が始まり、デバイスが反応するという点は同じだ。いずれも小規模だが、デバイスの点灯・振動を通じてエネルギーの存在を、直観的に実感できる趣向となっていた。
●「輝きエリア」は迫力あり!
続いて通された「輝きエリア」は、一面に吊り下げられた長い棒状のLEDで満たされた広大な空間だ。LEDがさまざまに点灯するショーが展開し、「エネルギーの可能性」が集められたタマゴ型デバイスも連動して光りだす。こちらはオリジナルの音楽も相まって没入感があり、率直に「映える」空間として楽しむことができた。
出口にある「ポストショー」では、紹介されたエネルギーがパネルで1つ1つ紹介されており、それぞれの詳しい仕組みを改めて学ぶことができる。
どういった狙いでこのパビリオンを企画したのか。電気事業連合会の石橋すおみ副館長は、報道陣に「まずはゲームで『楽しかった』と思っていただけること。そしてゲームが表していた技術を振り返っていただくことで、楽しさと学びの両方を持ち帰っていただきたい」と語っている。
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ミニゲームの基本的な仕様などは、コンセプト通り子ども・ファミリー層に合わせている印象を受けたが、記者としてもさまざまに反応するタマゴ型デバイスの体験は新鮮に感じられた。総じて幅広い世代が、新感覚で学べるパビリオンといえそうだ。
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