

子どもたちが独立したあとの、住み替えについて夫との話し合いはつづいています。
私がいまの家に思い入れが強いのは、自分の経験が関係しているのもあるのです。
娘たちが小学生の頃、私の父が亡くなり、1人暮らしになった母の決断で、実家を手放すことになりました。
自分の生まれ育った場所だし、私の娘たちも小さい頃はよくお泊まりもしていたので、「寂しさ」を感じました。
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しかし……。
「わからなくはないけど、ちょっと感傷的になりすぎじゃない?」私が実家への想いを真剣に話したのに、 少しイラッとしたようにこんなことを言う夫に腹が立ちました。

「家がなくなっても思い出がなくなるわけじゃないし、帰省なんて年に数回あればいいとこだろ? 老後の資金繰りの方が大切だって」
夫の話は現実的です。そして正しい。だけど、なんだか思い出を軽んじられているようで納得いきません。
それに夫にはまだ実家があるから、私の気持ちなんてわかりっこないのです。
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私は夫と話しながら、実家をなくしたときの寂しさや喪失感を思い出しました。
それと同時に両親や娘たちと過ごした日々も思い出し、涙が出てきました。
住み替えは老後の負担を減らす現実的な選択肢ですが、実家は単なる場所でなく、家族の絆や思い出を象徴する場所のはずです。
私にとって、住み替えるということは大切な場所を失うようなものなのです。
私は夫と話しながら、「子どもたちに私と同じ思いをさせたくない」という気持ちが強いことに気づかされました。
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原案・ママスタ 脚本・rollingdell 作画・よしはな 編集・石井弥沙