楽天モバイルは4月15日、報道関係者向け説明会を開催した。テーマは「海外でのサービス利用」と「外国籍のお客様対応」だ。
外国人から見た楽天モバイルの魅力と、店頭など顧客接点における取り組み――この2点を中心に同社の強みがアピールされた。
●楽天モバイルはどのようなユーザーから選ばれているのか?
そもそも、楽天モバイルはどのようなユーザーから選ばれているのか。この点について、西村優氏(マーケティング企画部シニアマネージャー)は「楽天モバイルのユーザー層は大きく分けて3つのグループに分類される」と語る。
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1つ目は、楽天市場や楽天カードなどを利用している、いわゆる「楽天エコシステム」のユーザーだ。この属性のユーザーは「契約者の約70〜80%を占めて」おり、楽天モバイルにとって重要なユーザーといえる。
2つ目は、20〜60代と幅広い年代層の「他社からの乗り換えユーザー」だ。そして3つ目が、今回の説明会の主題でもある「海外渡航者や外国籍の人」だ。
楽天モバイルが海外渡航者や外国籍の人に人気だということは、意外に思われるかもしれない。その理由の1つとして、西村氏は楽天グループ全体のグローバル戦略を指摘する。楽天グループでは、2010年から社内の公用語を英語とした。これにより外国籍社員の割合が大きく増え、100を超える国と地域から社員が集まっている。
グループにおける人材のグローバル化が、楽天モバイルの外国人ユーザーに対する理解や対応力につながっているというのだ。
●日本在住の外国人に向けた取り組みは?
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日本に在住する外国籍の人は、どのような理由で楽天モバイルを選んでいるのだろうか。西村氏が示したMMD研究所の調査結果によると、特に「料金の安さ」「自分に合ったデータ容量」の2点が評価されているという。また知人や同僚からの紹介によって契約する人も多く、そうしたユーザーの約半数が「紹介キャンペーン経由で契約している」(西村氏)。
楽天モバイルの田坂奈津実氏(ショップ営業部 店舗企画部ヴァイスマネージャー)は、外国籍の人が楽天モバイルショップ店頭で契約する事例が増えていると明かす。「(2025年)現在、楽天モバイル全体の契約者のうち約25%が外国籍の人で、これは前年同期比で8%の増加」とのことだが、これには楽天モバイルショップにおける取り組みが大きく貢献しているという。
ショップの店頭では、大きく3つの取り組みを推進している。1つは「対応言語の強化」だ。例えば高田馬場店(東京都新宿区)では多言語対応可能なスタッフが働いており、英語だけでなく中国語/ネパール語/インド語/ミャンマー語で案内やサポートを行えるという。このようなスタッフがいない162店舗でも、翻訳デバイス「ポケトーク」を活用して接客をしているという。
2つ目は「多言語ツールの作成」だ。案内カタログは英語、中国語、ベトナム語など7言語で展開しており、契約時に使う指差しツールや重要事項説明書なども多言語化している。
3つ目は、「日本語学校・大学へのアプローチ」となる。楽天モバイルショップのスタッフが日本語学校や留学生の在籍する大学に出張し、校内で説明会/契約会を開催しているそうだ。契約後も随時相談会を実施してサポートを継続しており、「外国人の学生をトータルサポート」(田坂氏)している。立命館大学や京都先端科学大学など、有名な大学とも提携しているそうだ。
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●案内を「やさしい日本語」で 未払い率は改善傾向に
続いて登壇した勝間田優氏(マーケティング企画部 シニアマネージャー)は、楽天モバイルの公式サイトが日本語と英語の2言語で展開されており、オンラインショップでの申し込みやサービス内容も同様日本語と英語で確認できるとアピールする。
しかし、Webページだけでなくサービスに関する案内も外国人にも理解しやすい表現を行っているという。
例えば請求書では、漢字や専門用語を並べずに外国人にも理解しやすい表現でサービス内容を伝えることで、外国籍のユーザーにも安心して利用してもらえるようにしている。
「現金(キャッシュ)の文化が非常に強く、クレジットカードや銀行口座からの引き落としといった日本では当たり前の決済手段に馴染みがない」(勝間氏)ため、以前は東南アジア出身者の未払い件数が多くなる傾向にあったという。そこで楽天モバイルは、未払いとなっている回線契約者に対して「やさしい日本語」で表記した案内を用意した上で、「お客さまが何をしなければいけないのか、イラストを用いて分かりやすく明記する」ようにするなど、さまざまなアプローチを行った。その結果、料金の未払い件数は減少したそうだ。
●海外旅行時にも楽天モバイルでおトクになることが
楽天モバイルは、5月のゴールデンウィークを前に、海外渡航時の通信費がいかにお得か、という点についてもアピールした。
国連世界観光機関(UNWTO)の報告によれば、国際観光客数はコロナ禍前の水準にまで戻っており、楽天モバイルとしては、海外での利用も促進したい狙いだ。
楽天モバイルが提供する「Rakuten最強プラン」では、海外渡航時に2GBまで高速通信を行える。例えばGoogle検索なら約625ページ分、Googleマップなら約1000回分、1通あたり約5KBのメールなら約20万通の送信、YouTubeで1時間あたり450MBの動画を見る場合は約2.2時間視聴すると、それぞれ1GBの容量を消費するという。それを“2回”できるということは、2GBでもいろいろこなせるということでもある。
2GBを超えた後も低速(最大128kbps)になるもののデータ通信は継続可能で、追加料金はかからない。ある程度使ったら低速になることを条件に、追加の支払いなく海外でも使えることが強みだ。
音声通話については「Rakuten Link」アプリを使えば、海外にいても日本の電話番号への通話が無料になる。iOSとAndroid間で多少仕様が異なるものの、日本国内の家族や友人と話す際に便利だという。また、Rakuten Link同士のSNSやチャットも、日本でも海外でも無料で利用できる。
2GB超過後の速度制限がネックになるなら、空港などでモバイルWi-Fiルーターをレンタルするか、現地のSIMカードを利用するといいだろうが、西村氏は海外で楽天モバイルを利用する人からは「SIMカードを現地で差し替えなくていい」「追加料金が不要で安心」という声が寄せられているという。
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