バルセロナがCL準決勝進出 [写真]=Getty Images チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝・セカンドレグが15日に行われ、ドルトムント(ドイツ)とバルセロナ(スペイン)が対戦した。
昨季のCLファイナリストであるドルトムントは、今季のブンデスリーガでは思わぬ苦戦を強いられており、現在の順位は8位に沈んでいる。ただし、CLでは安定感のある戦いを披露。リーグフェーズを5勝3敗の10位で終えると、決勝トーナメントプレーオフではスポルティング(ポルトガル)を2戦合計3−0で破り、ラウンド16進出が決定。そのラウンド16では、リール(フランス)を2戦合計3−2で退け、2年連続のベスト8入りを決めた。
一方のバルセロナは、リーグフェーズで6勝1分1敗と好成績を収めて2位に入り、ラウンド16へストレートイン。ラウンド16ではベンフィカを2戦合計4−1で撃破し、2シーズン連続で準々決勝の舞台に辿り着いた。今季はラ・リーガでも首位を走っており、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)でもファイナル行きの切符を手にしていることから、3冠の可能性を残している。
そんな両者によるファーストレグは9日にバルセロナの本拠地で行われ、25分にハフィーニャのゴールでホームチームが先手を取ると、後半にはロベルト・レヴァンドフスキの2ゴール、さらにはラミン・ヤマルの得点で、バルセロナが4−0と先勝。6シーズンぶりの準決勝進出へ、バルセロナが大きなアドバンテージを得ていた。
バルセロナはファーストレグからスターティングメンバー3名を変更。ロナルド・アラウホ、ジェラール・マルティン、ガビが新たに先発に名を連ねた。一方でドルトムントは先発5名を入れ替えただけでなく、並びも「3−4−2−1」に変更。過去、公式戦におけるバルセロナとの対戦は2分4敗と勝ち星がなく、今季のCL・リーグフェーズ第6節でもホームで2−3と敗れたが、本拠地『ジグナル・イドゥナ・パルク』で奇跡を起こすことはできるか。
試合はキックオフ直後から、ドルトムントがホームの大声援を背に猛攻に出る。4分にマクシミリアン・バイアー、5分にセール・ギラシがゴールを脅かすと、11分には早くもスコアが動く。
敵陣左サイドで前を向いたカリム・アデイェミが、ドリブルで内側へ持ち運び、背後のスペースへ浮き球のパスを送ると、このボールにパスカル・グロスが反応。飛び出してきたGKヴォイチェフ・シュチェスニーに倒され、ドルトムントにPKが与えられた。キッカーを務めたギラシは正面へチップキックを蹴り込み、ドルトムントが追撃の1点を奪った。
勢いに乗るドルトムントは16分、自陣ペナルティエリアでボールを奪ったところからロングカウンターへ。ドリブルで前進したヤン・コウトが右サイドへ広げ、バイアーが時間を作って横へ繋ぐと、前を向いたフェリックス・ヌメチャが背後のスペースへスルーパスを送る。抜け出したグロスがネットを揺らしたものの、ここはバルセロナのライン設定によってオフサイドにハマり、得点は認められない。
バルセロナは序盤からなかなかチャンスに繋がるようなシーンを生み出せず、26分に敵陣でのボール奪取からフェルミン・ロペスがフィニッシュまで持ち込んだシーンも、オフサイドとなってしまう。
前半は完全にドルトムントが流れを掌握し、前半の終盤にはアデイェミが複数回にわたってフィニッシュまで持ち込むシーンを作ったが、次の1点は生まれない。結局、ドルトムントの1点リードで最初の45分間は終了。バルセロナが放ったシュートは1本のみというスタッツだった。
後半に入ってもドルトムントが猛攻を続け、48分には左サイドをスピードで切り裂いたアデイェミが、ボックス左からシュートを狙うが、GKシュチェスニーが立ちはだかる。さらにこぼれ球を拾って2次攻撃へ移り、最後は右ニアゾーンへ走り込んだグロスが右足を振るが、GKシュチェスニーがセーブ。
だが、このプレーで右コーナーキックを獲得すると、ダニエル・スヴェンソンが左足でファーサイドをめがけたインスイングのボールを供給。うまくポジションをとったラミ・ベンセバイニが頭で折り返すと、最後はギラシがヘディングシュートでゴールネットを揺らした。
2戦合計のスコアは2点差まで縮まったが、バルセロナはこのまま安易とドルトムントの時間を続かせはしない。54分、敵陣へ相手を閉じ込めた状況のなか、ピッチ中央付近の最終ラインで前を向いたジュール・クンデがスルーパスを送ると、ボックス右に生まれたスペースにフェルミンが侵入。ダイレクトで中央へ折り返すと、鋭いボールがオウンゴールを呼び込み、これで点差は再び3点に広がった。
前半とは打って変わって、バルセロナがボールを握って敵陣へ入る時間も作り出す。だが、時計の針が進むにつれて、再びドルトムントが押し込む様相に。76分には途中出場していたジョバンニ・レイナが、敵陣右サイドでボールを奪うと、2人に囲まれながらもうまく縦へ突破。グラウンダーのクロスボールはアラウホにクリアされるが、クリアボールがギラシの元へ渡ると、ストライカーはこのチャンスを逃さない。きっちりとシュートを蹴り込み、ギラシはハットトリックを達成した。
後半アディショナルタイムの4分間も含めて、ドルトムントは猛攻を続けたが、逆転には持ち込むことができず試合終了の笛。この結果、ドルトムントは対バルセロナの公式戦で初白星を飾ったものの、ファーストレグのリードをきっちりと守り切ったバルセロナが、2018−19シーズン以来6年ぶりに準決勝行きの切符を手にした。
準決勝のファーストレグは29日、セカンドレグは5月7日に行われ、バルセロナはバイエルン(ドイツ)対インテル(イタリア)の勝者と対戦する。
【スコア】
ドルトムント 3−1(2戦合計:3−5) バルセロナ
【得点者】
1−0 11分 セール・ギラシ(PK/ドルトムント)
2−0 49分 セール・ギラシ(ドルトムント)
2−1 54分 ラミ・ベンセバイニ(OG/バルセロナ)
3−1 76分 セール・ギラシ(ドルトムント)
【スターティングメンバー】
ドルトムント(3−4−2−1)
GK:グレゴール・コベル
DF:ニクラス・ズーレ、ヴァルデマール・アントン、ラミ・ベンセバイニ
MF:ヤン・コウト(77分 ユリアン・ブラント)、パスカル・グロス、フェリックス・ヌメチャ(64分 ジョバンニ・レイナ)、ダニエル・スヴェンソン
FW:カリム・アデイェミ(77分 ジェイミー・バイノー・ギテンス)、セール・ギラシ、マクシミリアン・バイアー(64分 ジュリアン・デュランヴィル)
バルセロナ(4−2−1−3)
GK:ヴォイチェフ・シュチェスニー
DF:ジュール・クンデ、パウ・クバルシ、ロナルド・アラウホ、ジェラール・マルティン
MF:フレンキー・デ・ヨング、ガビ(59分 ペドリ)、フェルミン・ロペス(70分 エリック・ガルシア)
FW:ラミン・ヤマル(70分 フェラン・トーレス)、ロベルト・レヴァンドフスキ(86分 ダニ・オルモ)、ハフィーニャ