「妻は30歳、夫は57歳」27歳の“年の差婚”をした元アイドル。きっかけは19歳のとき、ライブ後の食事で…

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2025年04月16日 16:31  日刊SPA!

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金子南さん(写真左)と、かれー王さん(写真右)
厚生労働省の人口動態統計によると、2019年の初婚夫婦の年齢差は、同年齢の21.0%が最も多い。次いで夫が1歳上で、同年代同士の結婚が多いことがわかる。
一方で、夫婦で10歳以上離れた「年の差婚」を選択する者もいる。なぜ、その選択に至ったのか。一緒にいることで、周囲からどう見られるのか。

今回は、芸人・歌手・経営者のかれー王さん(57歳・夫)と27歳差の夫婦である、元アイドル・3児の母の金子南さん(30歳・妻)に話を聞いた。

◆きっかけは「地下アイドルでライブをしていた時」

——お二人が出会ったきっかけは何でしたか。

金子南さん(以下同):2014年で当時19歳だった私は、地下アイドルをしていました。あるライブに出演した時に、他のタレントさんのマネージャーとして来ていたんです。第一印象は話しやすい人だなと思っていました。

別の日に夜ご飯を一緒に食べることになって、すごく楽しかったんです。出会ってから2ヶ月で付き合うことになりました。

——19歳だと、27歳上の男性と付き合うことに抵抗を覚えそうですが……。

むしろ逆です。私は結婚願望が強くて「23歳までに子どもが欲しい」と思っていました。でも、同世代の男性には結婚したい人がなかなかいなかった。夫は当時46歳だったので「もし結婚するとしたら今が最後の機会だろうな」と思っていたみたいで、タイミングとしてぴったりでした。

◆「無理に大人になる必要はない」と気づかされた

——年齢以外で、彼のどんなところに惹かれたんでしょうか。

付き合い始めた頃から「この人しかいない」と思っていました。今までは「今日はメイクが決まってないから会いたくない」とか「デートだから髪型ばっちりにしなきゃ」とか思っていたのですが、彼はどんな私でもかわいいって言ってくれて、素のままでいられるのが楽でした。

あと、あの頃の私は「早く大人にならなきゃいけない」と思っていました。仕事をして、たくさん稼いで、ちゃんとしなきゃいけない、と。でも彼は私よりもだいぶ年上なのに、自由に好きなことをやって、収入を得て、毎日楽しく暮らしている。無理に大人になる必要はないんだ、と気づかされました。こういう人といたら面白い人生になるだろうな、と思ったんです。

——実際に付き合ってみてどうでしたか。

彼はとにかく謝らないんです。自分が納得しないと絶対に謝りません。本当に悪いと思っている時だけ小さい声で「ごめん」と言います。

私はすぐに謝る世代で、「ごめんね」が軽いんです。最初は彼に「何で謝らないの? ごめんねって言えば済むのに」とびっくりしていましたが、「ごめん」の重みが違うんだな、と気づきました。「ありがとう」も同じです。この背中で語る生き方は、同世代にはないかっこよさですね。

◆『新婚さんいらっしゃい』に出演、ネットの反応は「5年以内に離婚するよ」

——南さんが20歳で、かれー王さんが46歳。南さんのご両親は、さぞ驚かれたでしょうね。

私の両親は17歳差なので、全く理解されないとは思っていませんでした。でも「彼氏は何歳なの?」と聞かれた時に「40代」と答えていました(笑)。

このまま結婚しても両親から理解を得るのは難しいだろうな、と思い「じゃあ子どもを作ろう」と話し合い、まず子どもを作ったんです。それで、妊娠と結婚の報告を同時に両親と祖父母にしました。めちゃくちゃ戸惑っていましたね。夫の両親より、私の祖父母の方が若いし(笑)。

でも母は「お腹の子どもが聞いているから、反対はしない」と言ってくれて、出会って1年後の2015年に結婚しました。

——かれー王さんのご両親も驚かれていたのではないですか。

「こんなおじさんでいいの?」とお義母さんに心配されました。「結婚しないと思ってたのに!」という驚きの声もあったみたいですね。2016年に夫が49歳で長女が、2017年に夫が50歳で長男が産まれました。

——2017年5月に『新婚さんいらっしゃい』(テレビ朝日)にも出演された時も、様々な反応があったことと思います。

ネットでは「5年以内に離婚するよ」というコメントが多かったですね。実際は10年続いていますけど(笑)。あとは、夫と一緒に過ごせる時間が短いことを指摘されました。でも、年が近くてもすぐ離婚しちゃう子がいますよね。時間よりも、中身が濃い方がいいじゃないですか。

あと、友達からは「大丈夫なの?」と心配されたり、「彼氏っていうよりお父さんに近いね」と言われました。その“お父さん”には、2021年に53歳で次女も生まれています。

実は、2023年に私の父が亡くなったんです。夫がいなければ、父の死は乗り越えられなかったと思います。父は「この人なら大丈夫だろう」と安心して旅立っていったのかな、とも思っています。

◆「一緒に歩いてると、夫が職質される」

——年の差ならではの出来事だと感じることはありましたか。

20歳の頃に一緒に歩いていると、夫はしょっちゅう警察から職質を受けてました(笑)。さすがに子どもができてからはなくなりましたが……。店員さんが私たちの関係が夫婦なのか親子なのかわからず、何て声をかければいいか迷っているシーンにも何回か遭遇しました。あと、夫は母の1歳年下なんです。そのせいか、私の友達の家に遊びに行くと、友達のお母さんと盛り上がって、一緒にお酒を飲んだりしていました。

——お子さんを育てる上で、ジェネレーションギャップを感じることはありますか。

私はゆとり教育世代なので「小学校なんて行きたくないなら、休んじゃえばいいじゃん」と思うんですが、夫は先生から殴られて育った世代ですよね。「学校や友達との関わりは大事にしなきゃいかん!」というタイプです。私一人だったら軟弱な子に育っていたのかな、とプラスに捉えています。

——お子さんが3人となると、夫婦でケンカも起きそうですが……。

全くないです。同い年ならあったかもしれませんが、娘のように甘やかしてもらっています。

私は家事が苦手な上に、子どもが3人いるから、全然ちゃんとできないんです。でも夫は「ダメでしょ、お母さんなんだから」とは全く言わず、むしろご飯を作ってくれるようになりました。

私は出会った時が19歳の地下アイドルで、社会経験もなく20歳で結婚したので、夫の中では「何も知らない女の子」のままで時が止まっているんです。だから「南ちゃんはできないよね〜、しょうがないよね」と諦めてくれます(笑)。

◆「地下アイドルに戻るつもりはない」

——またアイドルに戻るつもりはあるのですか。

ないです。もともと地下アイドルになったのは誘われたからで、長く続けるつもりはありませんでした。子どもが大好きでもっと産みたいし、子どもに携わる仕事がしたいです。地域の活動のプラスになるなら、歌ったり踊ったりはしますが、特に予定はないですね。

子ども3人との生活は大変ですが、「この人と一緒にいる人生は、すごく悪いことが起こっても楽しいだろうな」と思える夫を選んだので、今はアイドルをしなくても、楽しく大人になれています。

——愛にあふれたパートナーと出会い、家庭に生きがいを見いだす。令和の現代人が忘れがちな、大切なものがあるような気がした。

<取材・文/綾部まと>

【綾部まと】
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother

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