終盤に逆転ゴールを決めた清水の乾貴士 [写真]=兼子愼一郎 2025明治安田J1リーグ第12節が16日に行われ、横浜F・マリノスと清水エスパルスが対戦した。
Jリーグ屈指の名門である横浜FMが苦しんでいる。スティーブ・ホーランド新監督を迎えた今シーズンはここまで10試合を消化してわずか1勝とスタートダッシュに失敗。前節終了時点でJ2降格圏内の18位に低迷している。6試合ぶりの白星を目指す今節の対戦相手は12位の清水。開幕直後は4戦無敗と好調を維持していたがその後は黒星が先行し、直近は3戦未勝利となっている。両チームとも浮上に向けて勝ち点「3」が欲しい一戦だ。
ホームの横浜FMは立ち上がりからボール保持率で上回るが、なかなか清水のブロックの中に割って入ることができず。16分にはボックス手前中央で山根陸の縦パスを受けた遠野大弥が左足を振ったが、このミドルシュートはGK沖悠哉にセーブされる。対する清水は序盤にカウンターから何度か相手ゴール前に迫るが、決定機を作るまでには至らない。時間の経過とともに攻撃の機会は減少し、押し込まれる展開となる
28分、敵陣左サイドでスローインを獲得した横浜FMは、リスタートから山根がボックス内の植中朝日にくさびのボールを入れる。相手DFを背負ってキープした植中が後方へ落とすと、走り込んできた遠野が右足ダイレクトでゴール右隅に流し込み、先制に成功した。なかなか攻撃の形が作れない清水は40分、最終ラインでのパスミスからピンチを招いたが、遠野のシュートはGK沖が弾き出し、追加点は与えなかった。前半はこのまま1−0で終了する。
1点を追う清水は後半頭から乾貴士と北川航也を投入したが、スコアを動かしたのはまたもや横浜FMだった。51分、ヤン・マテウスが左から上げたクロスに井上健太が飛び込むと、こぼれ球を最後は植中が押し込み、リードを2点に広げる。しかし、わずか3分後、清水は中原輝が直接フリーキックを沈めて1点差に詰め寄った。62分には乾との連携で左サイドを突破したカピシャーバのクロスに北川が合わせたが、惜しくも枠を捉えることができなかった。
選手交代とシステム変更の影響からか、格段に動きが良くなった清水は71分、乾の左CKからジャン・クルードのオウンゴールで試合を振り出しに戻す。その後も主導権を握り続けると、82分には左サイドからドリブルで持ち上がったボックス手前中央から狙い澄ましたミドルシュートをゴール右下隅に沈め、勢いそのまま逆転に成功した。
試合はこのまま2−3で終了し、横浜FMは6試合未勝利に。対して見事な逆転勝利を収めた清水は4試合ぶりの白星を手にした。両チームの次戦は今週末に控える第12節。横浜FMは20日にアウェイで浦和レッズと、清水は19日にホームでアビスパ福岡と対戦する。
【スコア】
横浜F・マリノス 2−3 清水エスパルス
【得点者】
1−0 29分 遠野大弥(横浜F・マリノス)
2−0 51分 植中朝日(横浜F・マリノス)
2−1 54分 中原輝(清水エスパルス)
2−2 71分 ジャン・クルード(オウンゴール/清水エスパルス)
2−3 82分 乾貴士(清水エスパルス)