
「香川県、多度津町で事故にあったにゃんこ
本日下顎の手術をしました。
上顎も骨折していたようです(こちらは処置できず)
現在も入院中…どうか回復しますように」
香川県内で交通事故に遭ったという猫ちゃんを、同県で保護猫カフェ「necobokko CAFE」を運営する「さとう@猫ぼっこ」さん(@necobokko、以下さとうさん)が保護したことをX(旧Twitter)で報告。重傷を負い今も予断を許さない状況で入院中だといいます。投稿には、猫ちゃんの回復を願うコメントが殺到するなど注目を集めています。
「1日でも早く回復しますように」
「痛々しいです どうか助かってほしいです」
「この猫ちゃんは、交通事故にあいながらも、人の手によって治療を受ける事が出来て、不幸中の幸いかもしれません」
「何という。とにかく、今は病院に居てる以上は安全ですので、少しでも怪我の回復を祈ります」
猫ちゃんの保護時のことや、負ったけがの状況などを、さとうさんに聞きました。
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交通事故に遭った猫、瀕死の状態だったが…
──交通事故に遭ったという猫ちゃんを見つけたのは。
「4月1日、仕事を終えて車で帰宅をしていると、道路の脇に白い物体が落ちているのが目に入りました。そのすぐ側では女性が電話をしており、他にも数名の子どもが白い物体を囲むように立っていて。見間違いじゃなければ…もしかしたら猫かもしれないと。そう思って、少し車を走らせた後にUターンをして駐車できるスペースまで移動したんです。すると先ほどの現場から、電話を終えた女性が段ボールを両手に抱えて走ってきました。
私が『猫ですか?』と声を掛けると、『はい!ひき逃げされたみたいで』『亡くなっているかもしれないと思って見に行ったらまだ生きていて。口からすごい血を吐いてて…内臓とかやられているかもしれない』と焦った様子。確認すると、女性は既にかかりつけの動物病院に連絡済みののことだったので、治療費の足しにしてもらおうとお金だけ渡そうと思いましたが、不安そうな女性の様子を見て心配になり、病院に同行することにしました」
──病院に連れて行かれて、けがの具合はどうだった?
「猫は1歳程度の女の子で、頭を強く打ち右眼はひどく腫れて突出している状態で。下顎は骨折しておりグラグラとしていました。口からの出血は口腔内の出血で、幸い内臓や脊椎は大きな問題はありませんでした。後に分かったことですが、上顎も骨折していたようです。一晩もつかどうか…とのことでしたが、奇跡を信じて入院治療をお願いし、この子の生きる力にかけました。翌日には状態は少し改善してきており、3日には下顎の骨折部をワイヤーで固定する手術を行うことができました」
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経鼻カテーテルで栄養補給、4月いっぱいは入院
──今も入院中とのことですが。
「事故から6日経過した7月に面会した際には、自力で踏ん張ったり、歩いたりする姿が見れました。どこまで見えているかわかりませんが、なでて欲しそうに擦り寄ってきています。危険な状況は超えたのでは?と思っていますが、ご飯を食べようとする様子はなく、1日2回経鼻カテーテルから栄養補給をしているとのことです。4月いっぱいは入院することになりそうというのが主治医の見立てです。この子が元気になって退院できた場合について、第一発見者の女性と相談しているところです」
──お外の環境は危険がいっぱい。交通事故に遭う猫ちゃんは少なくないようですが、こうしたお外の猫ちゃんのリスクについてお聞かせください。
「私は保護猫カフェを運営しており、日頃より保護猫活動に携わっています。猫の殺処分という悲しい現実と向き合っていますが、実は殺処分の10倍以上の猫がロードキルで亡くなっていると言われています。交通事故に遭った子、けがを負ってしまった子など、高額な医療費を負担してまで見知らぬ猫を助けようと行動してくださる人が果たしてどれだけいるのか…外猫が成長して生き残ることは簡単ではなく、私たちが普段目にしないところで、本当にたくさんの猫たちが亡くなってしまっているのが現実です。交通事故以外にも外の世界はさまざまなリスクがあります。猫たちにとって安心・安全な環境で終生飼育していただくことを強く望みます」
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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