24年パリ五輪(オリンピック)で飛び込み日本勢初のメダル獲得に導いた馬淵崇英氏(61)が、コーチ人生の終着点を定めた。
22日に都内で開かれた表彰式で、ミズノスポーツメントール賞ゴールドを受賞。パリ五輪では教え子の玉井陸斗(18=滋賀・立命館ダイビングクラブ)が高飛び込み銀メダルを獲得し「金メダルを取ったらやめようかな。(パリ五輪で失敗した5本目の前の)4本目までは『これ、金を取ったら私やることなくなるな』と思いました。金メダルを取れたら、次のコーチに託したい。金を取っていただいて、安心して引退できるように…」とほほ笑んだ。
中国出身の馬淵氏は88年に来日。JSS宝塚で五輪6大会出場の寺内健氏(44)らを育てた。自身を宝塚を拠点としたコーチに招き、パリ五輪後の25年1月に86歳で亡くなった馬淵かの子さんから受けた「メダルを見ないと死なれへん!」という言葉を胸に刻んでいたという。水泳界のみならず日本全体の期待を受けてきた挑戦を経て「『崇英くん、大丈夫かな』『取れます、取ります』と平常心を持っていれば、メダルは取れました。ありがとうございます」とあいさつした。
同賞は選手の育成、強化に努め、優秀な選手を育んだ監督やコーチ、トレーナーやドクターらに贈られる。近年は自身を「昔は“鬼コーチ”。今は“紳士コーチ”」と評すようになったが、28年ロサンゼルス五輪を見据えて「常に心は“鬼”に。“鬼”がなければ、10点ダイブにはなりません。金を取ったら、全て紳士になります」と笑わせた。
ミズノスポーツライター賞の最優秀賞は「パラリンピックと日本人 アナザー1964」(小学館)の著者である稲泉連氏(46)が受賞した。壇上のスピーチでは「こうした賞で手の中にあったもの(証言)が、社会で開かれたものになっていったのかなと思いました」と喜んだ。【松本航】
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