休場明け22日の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比167.18ポイント(0.78%)高の21562.32ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が53.35ポイント(0.68%)高の7950.79ポイントと小幅に続伸した。売買代金は2513億8170万香港ドルに拡大している(17日は1924億1100万香港ドル)。
中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。国務院(内閣に相当)は18日に常務会議を開き、厳しい外部環境に直面しているとして、雇用や貿易の支援に注力するほか、株式市場の安定化と不動産市場の活発化に向けた取り組みを強化する方針を決定した。また、中国で21日公表された実質的な政策金利となる4月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は予想通りに据え置かれたが、市場では金融緩和の観測も根強い。一部の香港メディアは、政策金利や預金準備率が早期に引き下げられる可能性を報じている。ただ、上値は重い。米金融政策の不透明感で昨夜の米株が大幅に4日続落したことや、米中関係の悪化などが逆風だ。指数は安く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬の上げが目立つ。石薬集団(1093/HK)が8.8%高、翰森製薬集団(3692/HK)が7.2%高、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が5.5%高、薬明生物技術(2269/HK)が5.1%高、中国生物製薬(1177/HK)が4.4%高で引けた。
産金セクターも高い。赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が8.6%、山東黄金鉱業(1787/HK)が7.3%、招金鉱業(1818/HK)が5.7%、霊宝黄金(3330/HK)が3.3%ずつ上昇している。金先物相場の高値更新が追い風となった。
証券セクターもしっかり。中国国際金融(3908/HK)が3.0%高、華泰証券(6886/HK)が2.6%高、東方証券(3958/HK)が2.3%高、中信建投証券(6066/HK)が1.8%高と値を上げた。
自動車セクターも物色される。東風汽車集団(489/HK)が3.9%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.7%高、理想汽車(2015/HK)が3.0%高、蔚来集団(9866/HK)が2.9%高で取引を終えた。
半面、ネット関連の一角はさえない。中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が6.3%安、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が4.6%安と値を下げた。中国の日用品や外食の即時配送市場で、誹謗中傷の応酬が続いていることを売り材料視している。京東は21日、直接の名指しを避けつつも、美団が配達員に「二者択一」を迫り、他社の注文を受けないよう強制していると非難するコメントを発表した。美団はこれを即座に否定し、こちらも直接の名指しを避けながらも、京東こそ業界内で唯一、配達員のプラットフォーム掛け持ちを禁止していると反論している。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.25%高の3299.76ポイントで取引を終了した。銀行が相場をけん引。不動産、医薬、資源・素材、保険、消費関連の一角も買われた。半面、ハイテクは安い。通信・メディア、公益、証券、自動車も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)