春に急増する食中毒!精肉を持ち帰る際に気をつけたい“意外な点”

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2025年04月23日 11:10  web女性自身

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4月の初め、富山県にある回転ずし店で起きたノロウイルスによる食中毒で、嘔吐や下痢の症状を訴えいている人が101人に。



また、今月9日に栃木県の仕出し弁当店が調理、提供した弁当を食事をした人の討ち2人が下痢や嘔吐、発熱の症状を訴え、うち1人が死亡した。



県はノロウイルスによる集団食中毒と断定した。



このような事例は、春を迎え暖かくなってきた今珍しいことではない。



食中毒とひと口に言っても、さまざまな原因があり、それらによって特徴や症状、予防法は異なる。



そこで、春に多く発生する食中毒の原因について、KARADA内科クリニック渋谷院長で感染症専門内科医の田中雅之先生に話をうかがい、予防のための調理術ととも表にまとめた。



今回の表の中で挙げた食中毒のうち、過去5年間の春に発生していた食中毒の原因のベスト3は、発生件数の多い順にアニサキス、ノロウイルス、カンピロバクターとなる。



なかでも発生数が圧倒的に多かったのが、アニサキスと呼ばれる寄生虫が引き起こす食中毒だ。



「主に魚の内臓に寄生しています。新鮮な魚介類を選び、なるべく速やかに内臓を取り除くことが大切です。冷凍や加熱による殺虫処理がされていない、生食用の魚介類を食べることがリスクになります」(田中先生)



アニサキスの幼虫は、腸壁に入り込むこともあり、その場合は激しい腹痛に加え発熱も引き起こす。



2番目に件数が多かったノロウイルスは、前出の事例のように、感染した人の手指などを介した食材の二次汚染が原因になる。



「そのほか感染者の嘔吐物や便に含まれるウイルスから感染することもあるため、嘔吐や下痢の処理は使い切り手袋とマスクを着用してから。使い切りペーパーで拭き取り、処理後は次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤を薄めたもので消毒してください」(田中先生)



次に多いカンピロバクターによる食中毒は、過去5年間の発生場所の約7割が飲食店。



「多くの場合は1週間ほどで完治します。極めてまれですが感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす“ギラン・バレー症候群”を発症することもあります」(田中先生)



ほかの細菌性食中毒に比べ、比較的少ない菌数でも発症することも特徴。家庭でも生肉を扱うときは特に衛生管理に注意したい。



これらの3つの食中毒は、歓送迎会やお花見、祝い事での会食といった、大勢で食事をする機会が春に増えることも関係しているのではないかと、管理栄養士の土肥愛子さんは話す。



「春はさまざまなイベント事で宴会の需要が高まりますが、お店の宴会コースには刺身がメニューに組み込まれていることが多いです。



あってはならないことですが、件数が多ければ多いほど忙しさから衛生管理がおろそかになるお店がないとは言い切れません。



加えてイベント事で集まる機会が増える春は、集団感染のリスクも必然的に高まります」(土肥さん)



また、過去5年間に発生した原因には入っていないが、田中先生と土肥さんが共通して、春に気をつけてほしい菌として挙げていたのが黄色ブドウ球菌だ。



「不衛生な状態でおにぎりを握った際などに食中毒のリスクを高める原因菌です。暖かくなり、お弁当を持って出かける機会が増える春は要注意です」(田中先生)





■おすすめはキッチン用アルコールスプレー



では、家庭でもできる食中毒対策はどのようなものがあるのか。



土肥さんがふだん調理をする際に行っている対策をうかがった。



「肉と野菜をのせるまな板は分けて使います。刺身のような生食用の食材も分けたほうがいいです。



また、肉や魚介類・卵などを触った手はすぐにせっけんを使って洗うことでほかの食材への二次汚染が防げます」(土肥さん、以下同)



この食中毒対策で土肥さんがおすすめするアイテムのひとつが、キッチン用のアルコールスプレー。



「まな板や調理器具の消毒に便利ですが、特に加熱しないで食べるものの調理前は、調理器具に吹きかけてから使用すると安心です」



その際、加熱しないで食べる食材や料理が加熱前の肉や魚介類・卵などの食材と一緒に調理台に並ぶと、食材の二次汚染のリスクが高まる。



生食するものを先に調理し、食卓に出した後に加熱調理する料理を作るのもひとつの手だ。



また、盲点なのが買い物した精肉を持ち帰るときだという。



「精肉が入ったパックから漏れ出たドリップや、パックについた菌がほかの食材について汚染するリスクもあるので注意してください」



これからの季節、楽しいイベントで悲劇を生まないためにも、食中毒対策を今一度見直そう。

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