
■MLB カブス 11×ー10 ドジャース(日本時間23日、リグリー・フィールド)
カブス・今永昇太(31)が23日、本拠地でのドジャース戦に先発、5回2/3、今季最多の101球を投げて、被安打6(3本塁打)、奪三振6、四死球2、失点5(自責点2)、防御率は2.38、大谷翔平(30)との対戦は3打数無安打2三振、通算でも10打数無安打と完璧に抑えた。今永に勝敗は付かなかったが、チームは9回2死から追いつき、延長10回でサヨナラ勝ちを収めた。
今季6度目の登板はナ・リーグ西地区でパドレスと同率首位のドジャース、今季の今永はパドレス2試合、レンジャーズ1試合、ドジャース1試合とここまで首位争いをしているチームとの対戦が多い。それでも2勝1敗で防御率は2.22と安定感を見せている。
そして、“パパ”となった大谷とも今季2度目の対戦、ここまでは7打数無安打と完璧に抑えている。1回、1番の大谷といきなり対戦、1球目は外角高めのストレート、2球目も外角低めのストレートでタイミングを崩したが、この打球をサードがエラー、不運な当たりで出塁を許した。
ここから2死一、二塁のピンチを迎えると、5番・T.エドマン(29)にはストレートを捉えられてセンターへ。リグリー・フィールド独特な強風にも乗って、バックスクリーンへリーグトップに並ぶ8号スリーラン。4試合連続の被弾となった。
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それでも、カブス打線はその裏、無死二、三塁のチャンスを作ると、3番・鈴木がレフト線への2点タイムリーツーベースで詰め寄ると、1死から5番・D.スワンソン(31)がタイムリースリーベースで3対3の同点に追いついた。さらに7番・P.クロウ=アームストロング(23)がレフト線へのツーベースで4対3と逆転に成功、8番・M.アマヤ(26)にもタイムリーが生まれて5点目、味方打線が集中打で今永を援護した。
逆転してもらった2回、今永が先頭打者に四球を与えたが、8番・E.ヘルナンデス(33)をスプリットで内野ゴロに打ち取りダブルプレーでピンチの芽を摘み取った。しかし、ここまで打者8人に対して、ストレートで空振りを奪ったのは2球のみ。ストレートにいつもの切れが見られず、9番・A.パヘス(24)にはそのストレートをレフトスタンド中段まで運ばれ、この試合2本目の被弾、5対4と1点差。
ここで大谷と2度目の対戦、この打席は3球連続スイーパーなど変化球攻めでカウント2-2と追い込むと、最後は外角高めのスイーパーで空振り三振に打ち取った。
今永は2回まで10人の打者に対し、ファーストストライクが取れたのは3人のみ有利なカウントから投球ができなかったが3回は3人の打者に対し、全てストライクから入り3者凡退、ようやく投球のリズムをつかみ始めた。
4回、無死一、二塁のピンチを迎えたが、7番・M.マンシー(34)をスプリットで空振り三振、ここから今永らしい投球術、8番・E.ヘルナンデスには全てスプリットで2者連続の空振り三振、9番・パヘスもスプリットでレフトライナーとピンチの場面で8球連続スプリットで無失点に抑え、今永も両手を挙げてベンチへ戻った。
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勝ち投手の権利がかかる5回、先頭打者は大谷、3度目の対戦。1球目、内角高め、この日の生命線となっているスプリットで空振り、カウント1-2と追い込むと、4球目、外角低めのスイーパーで2打席連続の空振り三振に打ち取った。その後、2死二塁のピンチを迎えたが、4番・F.フリーマン(35)をスイーパーでセンターフライと落ち着いて抑え、勝ち投手の権利を手にした。
その裏、1死三塁から7番・P.クロウ=アームストロングが4号ツーランで7対4、今永に大きな援護点をプレゼントした。追加点をもらった今永は6回、1死走者なしで迎えた6番・W.スミス(30)、今季最多となる98球目、ここまで好調だったスプリットが甘く入り、レフトスタンドへ3号ソロを浴び、今永はメジャー最多タイとなる1試合3被弾となった。
続く7番・マンシーにもライトへ大きなフライを浴びた今永はここで降板となった。5回2/3、今季最多の101球を投げて、被安打6(3本塁打)、奪三振6、四死球2、失点5(自責点2)、大谷との対戦は3打数無安打2三振、通算でも10打数無安打と完璧に抑えた。
7回に5点を奪われて逆転を許し、今永の勝利は消えたが、8回、1死一塁で2番・K.タッカー(28)にリーグトップに1本差に迫る7号ツーランを放ち、9対10と1点差、さらにカブス・カウンセル監督(54)が勝負に出て、2人目しかベンチ入りしていないキャッチャーのC.ケリー(30)を4番に代えて代打で起用、四球で出塁すると、代走でJ.バーティー(35)を送り、キャッチャーは出場しているアマヤだけとなった。
指揮官の積極的采配にバーティーも応えて、盗塁に成功、2死二塁とチャンスを広げたが、5番・スワンソンが空振り三振と1本が出なかった。それでも9回、2死走者なしから8番・アマヤがドジャースの抑え、T.スコット(30)から起死回生の2号同点ソロ、指揮官の執念に選手が応えた。
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タイブレークとなった延長10回表、1死三塁のピンチでこの回からマウンドに上がったP.ホッジ(24)が7番・マンシーを空振り三振、代打のM.コンフォート(32)をファーストゴロと無失点に抑えた。その裏、I.ハップ(30)がライト前へサヨナラタイムリー、今永に勝敗は付かなかったが、チームはサヨナラ勝利を収めた。