
「たった1000円」が意外と大きな差になる理由
1000円という金額は、ランチやカフェ代、ちょっとした買い物など、つい気軽に使ってしまいがちです。でも1週間に3回なら月に約1万2000円、年間で約14万円に。これが「気付かないうちの出費」だったとしたら、少しもったいないです。お金が貯まりにくいと感じる方の中には、この「小さな出費」に無自覚な人も少なくありません。今回は、「1000円の使い方」から見える、未来の安心につながるお金との付き合い方について考えてみましょう。
「この1000円は未来のため?」と問い掛けてみる
お金を使う前に、こんなふうに自分に問い掛けてみましょう。「この1000円は、未来の私にとってプラスになる?」。
例えば、学びを深めるために本を買う、健康のためにジムに入会する、趣味や大切な人との時間のためにお金を使うということは、これからの自分自身を整え、豊かにするための前向きな使い方と言えます。
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ポイントは、そのお金が「自分を整える使い方」か、「なんとなくの消耗」になっていないかを意識すること。「必要かどうか」だけではなく、「この使い方に、どんな意味があるか?」という視点を持つことで、同じ1000円でも、その価値の感じ方が大きく変わってきます。
お金が貯まる人の共通点は「立ち止まる力」
お金が貯まりやすい人は、衝動に流されにくく、自分なりの「判断基準」を持っています。例えば、「これ、本当に必要?」と買う前に1分だけ考える。すぐに決めずに、1週間くらい寝かせてみる。「ほしい」気持ちよりも「今の自分に必要か?」で判断するなど、小さな「立ち止まり」が、衝動的にお金を使うことに対して、いい意味でのブレーキをかけることになります。
また最近は、PayPayやd払いなどキャッシュレス決済が普及し、お金を「使った感覚」が薄れやすくなりがちです。そうなると、500〜1000円以内のちょっとした買い物ほど、気付かないうちに積み重なってしまうもの。そんなときは、あえて現金で支払ってみるのもおすすめです。財布からお金を出す感覚を持つことで、「この出費、本当に必要?」という気付きが生まれやすくなります。
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「1000円」を味方につけよう
1000円は少額ですが積もり積もって大きな支出となります。1000円札を「なんとなく使う」のではなく「考えて使う」ことで大きな差が生まれ、未来の安心と満足につながっていくでしょう。文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))