
今回は、65歳からもらえる年金を増やす方法についてです。
Q:自営業で年金保険料を支払っていなかった期間があります。65歳からもらえる年金を今から増やせますか?
「自営業として働いてきました。生活が苦しく、年金を支払っていなかった期間もあります。私も60歳になりました。65歳からもらう年金額を今から少しでも増やす方法はあるのでしょうか? これからもアルバイトなどで外に出て働く予定はありません」(60歳・自営業)A:60歳から65歳になるまで国民年金に任意加入しましょう
65歳から老齢基礎年金の支給を受けるには、20歳以上60歳未満の40年間(480カ月)国民年金に加入し、保険料を支払う必要があります。480カ月の間に、未納期間(支払っていない期間)がある人は、満額の83万1700円(2025年度(令和7年度)/新規裁定者)をもらえません。したがって、支払っていない期間分、もらえる年金が少なくなってしまいます。支払っていなかった年金保険料は、過去2年前までさかのぼって支払えますが、2年以上経過した保険料を支払えません。通常、年金保険料を支払えるのは60歳未満の人までとなりますが、480カ月のうち支払っていない期間がある人は、60歳以上でも65歳になるまで、国民年金に任意で加入できます。
この期間、年金を支払う人を「任意加入被保険者」と言います。1カ月、保険料を支払うと、年額で約1733円(83万1700円÷480カ月×1カ月)、もらえる年金が多くなります(令和7年度の老齢基礎年金などの満額での計算)。相談者の方も、国民年金に任意加入することで年金を増やしてみてはいかがでしょうか。
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この制度では、国民年金の第1号被保険者・任意加入被保険者が、毎月の保険料に加えて月額400円の付加保険料を納めると、老齢基礎年金とあわせて付加年金がもらえます。付加年金額(年額)は「200円×付加保険料納付月数」で計算します。2年以上受け取ると、支払った付加保険料以上の年金をもらえます。国民年金の任意加入とあわせて、付加年金制度の利用も検討してみましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)