国際協調の訴え相次ぐ=トランプ関税議論、初日終了―G20財務相会議閉幕へ
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2025年04月24日 20:02 時事通信社

【ワシントン時事】米ワシントンで開かれている20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は23日(日本時間24日)、初日の討議を終えた。トランプ米政権が発動した高関税政策により世界経済の不確実性が高まる中、会議では国際協調の重要性を訴える声が相次いだ。加藤勝信財務相は討議終了後、記者団に対し「自由で開かれた多国間貿易体制の推進、国内外の格差を是正する(各国間の)政策対話が必要であることを強調した」と語った。
G20は24日に2日目の討議を行い閉幕する。途上国の債務問題やアフリカの成長に向けた課題などが議題となる。2月に南アフリカ・ケープタウンで開かれた前回会合に続き、共同声明は出さない見通しだ。また、加藤財務相はベセント米財務長官と個別に会談し、米側が懸念を強める為替問題などについて協議する方針。
トランプ大統領は割安な輸入品の流入が製造業の衰退を招いたと主張し、貿易赤字縮小を掲げて高関税政策を推進。影響は甚大で、世界経済の減速は避けられない。ただ、直近では中国との交渉で「強硬姿勢は取らないだろう」(トランプ氏)とも発言している。
財務相同行筋によると、会議の参加国からは、先行きの不確実性に対する懸念を背景に、G20を中心とした協力体制の重要性を訴える声が多く聞かれたという。また、貿易赤字の根底には各国間の経済的な不均衡があり、その是正こそが真の課題との指摘もあった。
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