「お金が貯まってから」では遅い。“億を超える人”の、お金を増やすための「基本思考」とは

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2025年04月24日 20:50  All About

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機会を待つのは言い訳でしかない――。元ゴールドマン・サックス マネージング・ディレクターの田中渓氏が熟知する「富裕層マインド」には、人生を豊かに生きるヒントが詰まっています。氏の著書より、今回は投資の基本的な考え方について紹介します。
「お金を増やすために投資をはじめたい」そう思っても、さまざまなリスクや手持ちの資金などを考えて躊躇(ちゅうちょ)してしまう人も多いかもしれません。ですが、「億を超える」富裕層たちは、投資に対しての考え方が根本的に違うといいます。

『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』(田中渓著/徳間書店)では、元ゴールドマン・サックス マネージング・ディレクターの田中渓氏が熟知する「富裕層マインド」を余すところなくお伝えしています。

今回は本書から一部を抜粋し、豊かに生きるヒントが詰まった「億を超える人」の投資の基本的な考え方を紹介します。

一生富裕層になれない考え方

お金を増やす方法を考えるとき、「投資をはじめよう」と思うところまでは富裕層も僕たちも一緒。そこから先が違うのは、富裕層は「お金が貯まったら投資に回そう」という考え方をしない、ということです。

富裕層はお金が貯まるのを待つのではなく、みずから資金調達をし、最初から実践を通じてお金を増やしています。「お金はマーケットでつくる」というマインドです。刻一刻と状況が変わるマーケット、魅力的な投資機会も訪れるなかお金が貯まるまで投資の機会を待つという考え方は、投資をしないための言い訳、機会損失でしかありません。

だからといって、確たる勝算もなくいきなり大きな借金をすることは英断とは言い難いです。また、仕事を辞めて明日からデイトレーダーとして投資だけで生きていきましょう、というのもリスクが高すぎます。

借入れを恐れないこと

では、どうするべきか?

今の仕事があるなら、その仕事で安定したフローを確保する。そのなかから投資に回せる額を決めて運用する。そのうえで、借入れできるところは借入れをしてレバレッジをかけて資金をつくっていく。——これは「超王道」ともいえるプロセスですが、結局これがいちばん低いリスクで確実に投資をはじめたり、続けたりできる唯一の方法だという結論に僕自身も辿り着きました。

お金を増やすための基本事項

お金を増やすために覚えておきたい大事な基本事項が2つあります。

ひとつは、投資は、あらかじめ金額の枠を決めてからはじめる。「絶対にコレには手をつけない」と決めたお金には絶対に手をつけない、ということです。

もうひとつは、投資の期間、及び利益と損失の金額をあらかじめ定めてからはじめること。スポーツでも、あらゆる戦略・戦術でも、どこをゴールに見据えるのか、それにどれだけの時間やリソースをかけるのか、ということが決まっていないと、ペース配分も、撤退すべき引き際ラインもわかりません。

そうやってはじめれば、大きな失敗を避けつつ、お金をしっかり増やすことができます。

「億を超える人」に欠かせないもの

「投資」「借入れ」「借金」といった金融用語にマイナスのイメージを抱いているなら、そのバイアスは直ちに取り去りましょう。

富裕層の人たちは、「投資」「借入れ」「借金」はお金を失うことではなく、お金を増やすための便利な基本ツールだととらえています。株式投資ひとつとってみても、株主としてビル・ゲイツやイーロン・マスク、孫正義といった大企業のCEOに働いてもらう、という考え方です。

そもそも日本ではいまだにお金に関することを話題にする行為に対し、漠然と「何かよくないことだ」と思ったり「品がないことだ」と感じたりする人が多く、義務教育の教育課程で金融リテラシーを身につける機会がないことが弊害になっています。

「投資」という言葉ひとつとっても、「資」を「投げる」と書くように、何となく悪いことをしている気にさせるもの。「不労所得」という言葉もそうですが、個人が直接的な労働をしなくても収入を得られることに、後ろ暗い気持ちを抱く人もいます。

ただ、働かなくてもお金が入ってくる長期的な仕組みを構築するのは、億を超える人になるためには欠かせません。繰り返しになりますが、お金は寝かせず、働かせることが大事です。

田中渓 プロフィール

1982年横浜出身。上智大学理工学部物理学科卒業。同大学院中退後53回の面接を経て、ゴールドマン・サックス証券株式会社に2007年に新卒入社。同社でマネージング・ディレクターに就任し、投資部門の日本共同統括を務め、2024年に同社を退社。在籍17年間で20カ国以上の社内外300人を超える「億円」資産家、「兆円」資産家、産油国の王族など超富豪などと協業・交流をする中で、富裕層の哲学や思考、習慣などに触れ、その生態系を学ぶ。
(文:田中 渓)

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