休日に「休息」するのは日本人だけだった……世界の一流たちが休日に実践している5つのこと

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2025年04月24日 21:21  All About

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「休日」は「休息のための時間」ではなく、仕事の成功につながっているものだった! マイクロソフト社のエグゼクティブたちの「休日」の目的や過ごし方についてお伝えします。
休日にずっと寝ていたり、無駄にネットやSNSで時間を潰してしまう……忙しい仕事から離れてぼーっとするのが「休み」だと思っていませんか。そんな人は「休日」の真の目的や過ごし方を知らないのかもしれません。

『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(越川慎司著)では、世界水準のエリートであるエグゼクティブたちの働き方や「休日」に対する考え方、過ごし方についてお伝えしています。

今回は本書から一部抜粋し、エグゼクティブたちの「休日」の共通点や実践していることについて紹介します。

「休日」は休息する日ではなかった!

マイクロソフトには、約300人のバイスプレジデントがいますが、彼らの休日の過ごし方を観察してみると、大きく二つの共通点があることに気づきました。

一つは、土日の休日を、次の1週間を成功に導くための準備期間と考えて「自己再生」(本来の自分を取り戻す)を意識していること。

もう一つは、スポーツや趣味、家族や友人とのバーベキューやキャンプなどを楽しむことで、身体と心、脳のリフレッシュを図り、次の1週間に向けて、エネルギーを「チャージ」(充電)していることです。

彼らは休日を休息のための時間ではなく、仕事で成果を上げるための「原動力」と考えているのです。

私が注目したのは、彼らがそれを「楽しんでやっている」ことです。

仕事を成功に導くための準備というと、多くの人が「苦行」や「修行」を連想してウンザリした気持ちになると思いますが、マイクロソフトのエリートたちは、スポーツや趣味を楽しみ、休日を満喫することで、自己再生とエネルギー・チャージという二つの目的を実現していたのです。

彼らが休日に実践しているのは、次のような五つのことです。

【実践1】休日と仕事を切り離す

休日と仕事を完全に切り離すことを意識しています。

仕事のことは頭の片隅に追いやって、スポーツや趣味など、目の前の楽しさに集中することを徹底しています。

仕事を忘れることで、脳と心と身体を「完全リセット」しているのです。

【実践2】エネルギーを再充電して、創造性や集中力を高める

休日は怠けるための時間ではなく、自分の中のエネルギーを再充電して、創造性や集中力を高めるための機会と考えています。

充実した休日を楽しむことで、ストレス・レベルを下げ、長期的なパフォーマンスの向上を目指しています。

【実践3】デジタルデトックスの時間を作る

休日には、デジタルデバイスから距離を置くことを重視しています。

メールやSNSの確認を控えることで、仕事の圧力から解放され、リラックスした気分で休日を満喫できるといいます。

必要な連絡は事前に済ませるか、休日明けに対応することを周知徹底しています。

パソコンの産みの親であるビル・ゲイツも、休日にデジタルから離れる時間を意図的に作っていました。

【実践4】健康管理を徹底する

平日だけでなく、休日も健康管理に気を配っています。

「健康的な食事」と「十分な睡眠」、「適度な運動」は、彼らのルーティンの一部になっており、これらを徹底することで、仕事中の高いエネルギーレベルを維持し、ストレスに強い身体を保つことを意識しています。

エグゼクティブの多くが、休日に軽い有酸素運動をしています。

ゆっくりとしたジョギングは、膝を傷めないだけでなく、糖尿病になるリスクを抑えたり、寿命が伸びるという医学的データもあります。

ジョギングは場所や時間を選ばず、道具も必要ないため、手軽な健康法として習慣化している人が多く見られました。

【実践5】良好な人間関係の維持

親しい友人や家族と一緒に過ごす時間を重要視しています。

人とのつながりや信頼関係、愛情を深める行動は、オキシトシンの分泌を促します。

オキシトシンは、「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」とも呼ばれ、脳内にオキシトシンが分泌されると、長く続く幸福感を得ることができます。

世界の一流は、気心の知れた友人や家族と一緒に時間を過ごすことで、長期的な幸福感を手に入れているのです。

こうした考え方から、彼らエグゼクティブが目指しているのは、「ワーク・ライフ・ハーモニー」(仕事と生活の調和)の実現であることがわかります。

英語には「ワーク・ライフ・バランス」という表現があり、日本でも古くから知られていますが、この二つの考え方には大きな違いがあります。

ワーク・ライフ・バランスというのは、釣り合い人形の「弥次郎兵衛(やじろべえ)」のように、仕事と生活のバランス(均衡)を取って、どちらかに傾かないようにする……という考え方ですが、ワーク・ライフ・ハーモニーは、両者を切り離して考えるのではなく、上手に統合して調和させることを意味しています。

日本のビジネスパーソンは、仕事と私生活を「対立構造」で考えがちですが、マイクロソフトのエグゼクティブは、仕事が個人の成長を促し、個人の生活が仕事のパフォーマンス向上に役立つ……と考えています。

彼らは、仕事と私生活の両方のクオリティを上げて、両方の満足度を高めることを目指しているのです。

それを上手に統合して、調和を図る役割を果たすのが「休日」であり、彼らは休日を、ワーク・ライフ・ハーモニーの「原点」と考えています。

越川慎司 プロフィール

株式会社クロスリバー代表取締役。国内外の通信会社に勤務した後、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。業務執行役員としてPowerPointやExcel、Microsoft Teamsなどの事業責任者を歴任する。2017年に株式会社クロスリバーを設立。世界各地に分散したメンバーが週休3日・リモートワーク・複業(専業禁止)をしながら800社以上の働き方改革を支援。京都大学など教育機関で講師を務める他、企業や団体のアドバイザーを務める。
(文:越川 慎司)

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