
上司の言動が矛盾ばかりだと、その下で働く部下はつらい。東京都の50代女性(事務・管理/年収750万円)は、前職の上司がまさにそのような人物だったと投稿を寄せた。
管理職だった女性は、上司の異常な言動の数々に、心身ともに追い詰められていった。(文:天音琴葉)
「他部署のスパイになれ」と指示する上司
女性によると、上司の行動は常軌を逸したものだった。
「確かに言われたことをしても言っていないと言い張られ、聞こえるように悪口を言われ、他の部署の上位職と話すとそれを話せと言われ、他部署のスパイになれと言われ、上司の承認を何度依頼しても忘れられ……」
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他の人の面前で怒鳴られたこともあり、これだけでも十分にパワハラと言えるだろう。この上司の異様さは次の行動にも現れている。
「諸々のことを都度自ら『これパワハラじゃないわよねえ?』と周りに証言をさせるということが多くありました」
まるでパワハラであることを自覚しながら、周囲に否定させることで責任を回避しようとしているかのようだ。このような環境下で、まともな精神状態を保つことは困難だろう。
「首にしろ」「なぜ雇わない」矛盾した指示も
女性自身も管理職だったが、特殊な資格や経験を持っていたため、業務負荷は高かった。そのため部下を雇用しても、上司の気まぐれで状況は一変する。
「毎回予算が下りるわけではなく、あっさり首にしろという指示があることもありました」
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人員削減を命じられた結果、当然チームの生産性は低下した。すると今度は、
「首にしろという割に、なぜ雇わない、とも言ってくるため、本気でどこかおかしいのかと思うこともありました」
と、まったく逆の要求を突きつけられる始末だった。矛盾した指示に女性は、「本気でどこかおかしいのか」と疑念を抱かざるを得なかった。
今では異常な状況下にあったと認識している女性だが、当時はあまり違和感がなかったという。その背景には、過去の職務経験があった。
「それ以前には外資系に長くいて、『結果ありきのためコロコロ言うことが変わる』という経験(外資の場合は筋が通ればなんでもあり)が多かったため、上司に対してもはっきりとした違和感を感じづらく、結果メンタル病みました」
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外資系は上層部の意思決定が日本より早いため、「コロコロ言うことが変わる」という側面はあるかもしれない。「筋が通ればなんでもあり」とは、プロセスより結果を重視する成果主義ということだろう。
前職は日本企業だったが、外資系に慣れていた女性は、上司の支離滅裂な言動に対しても、「そういうものなのかもしれない」と受け止めそうになってしまったのだろう。
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