火災で沈没の海自掃海艇「うくしま」、6月に船体引き揚げへ

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2025年04月25日 19:37  毎日新聞

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火災が発生した海上自衛隊の掃海艇「うくしま」(手前)。海自と海上保安庁が消火活動に当たったが、うくしまは転覆し沈没した=福岡県宗像市沖で2024年11月10日午後4時24分、本社ヘリから上入来尚撮影

 福岡県宗像市沖で2024年11月、海上自衛隊の掃海艇「うくしま」が航行中に火災を起こし沈没した事故で、海自は25日、6月上旬をめどに船体の引き揚げに着手すると発表した。民間のサルベージ会社に約34億円で作業を委託する。


 船体は現在、水深約50メートルの海底に沈んでいるとみられる。引き揚げは、無人潜水機や潜水員を投入して船体にワイヤを掛け、海上のクレーン船で持ち上げる方法が計画されており、5月上旬から準備が始まる見込み。海自は気象条件が良く、波や潮流が穏やかな時期の作業を検討していた。


 委託先は深田サルベージ建設(大阪市)のグループ会社「オフショアエンジニアリング」(東京都)。海自が今年2〜3月に事業者を公募したところ、同社のみ応募があり、今月24日、約34億円で随意契約を交わした。同社はすでに、引き揚げに向けた海中調査を約1億2000万円で、海底の捜索や部材の引き揚げを約5億4000万円でそれぞれ受注した実績がある。


 火災は24年11月10日午前9時40分ごろに発生。海自と海上保安庁が消火にあたり、一旦は鎮火の判断がなされたが再び燃え上がって転覆し、11日午前8時35分ごろ沈没した。その後、出火元のエンジンルームにいたとみられる古賀辰徳3等海曹(当時33歳)=2曹に特別昇任=の死亡が確認された。海自は事故原因の究明には、船体を詳しく調べる必要があるとしている。【松浦吉剛】



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