“トランプ関税”には臨機応変に対応する…物価高対策「消費税減税を排除はしないが冷静に」…参院選は全勝目指す【国会トークフロントライン】

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2025年04月25日 20:05  TBS NEWS DIG

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“トランプ関税”をめぐって、赤沢大臣が再び訪米し、2回目の閣僚協議に臨む。日替わりのようなトランプ大統領の発言に日本はどう対応すれば良いのか、財務省出身で内閣官房副長官や外務副大臣も務めた自民党 木原誠二選挙対策委員長に聞きました。(聞き手:川戸恵子 収録:4月24日)

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トランプ大統領の関税の目的は、いま世界が抱える問題

――1回目の関税交渉を経て、トランプ大統領の関心は「対日貿易赤字」「アメリカ産自動車の日本への輸入ゼロ」「在日米軍駐留費問題」と言われていますが。

木原誠二 自民党 選挙対策委員長:
一番メインは貿易赤字の解消ということだろうと思います。
アメリカからすると世界中に貿易赤字を抱えていて、これを少しでも解消したいという思いはわからないでもないという風に思います。日本にとって幸いなのは、かつて日米貿易戦争のときは貿易赤字の半分以上が日本だったわけですけど、今はもう数%の世界ですから、対応は十分できるだろうなというふうに思います。
おそらくトランプさんの目的は、「アメリカが製造拠点としてもう一度復活をする」「産業を復活させる」ということだと思うんですね。もう一度国内の供給力を上げていこうということだと思います。実は日本もずっとそういう目的でやっているわけです。岸田政権も石破政権も。なので、これは世界中が抱えている問題で、全部中国に生産拠点と供給力を持たれたら、首根っこ掴まれてしまうんですね。

――それを途中で日本もわかってやっぱり工場を中国から他に移すことっていうのも現実で起きていますよね。

木原誠二 自民党 選対委員長:
国内の投資も熊本のTSMC(台湾積体電路製造)もそうだし、北海道のラピダスもそうです。なのでトランプさんのやってらっしゃることは一定程度、理解はできると思います。

ただ、壁を高く作って成功した事例は、世界中で一度もないんですよ。歴史上。あるいは壁を高く作って産業が強くなった例もないので間違いなく、これはうまくいかないと。

とりわけインフレの時代ですからね。アメリカ国民はインフレへの感応度がずいぶん高くなってきているので、国民の支持もなかなか得られなくなる。おそらくですけど、トランプさんは、来年以降大型の減税をやってくるんだと思います。関税で税収を上げながら減税の財源にしていくというのは、一つの大きなストラテジー(戦略)でしょうから、そういう意味で言うと破綻しちゃったらアウトなのでコントロールをしながらマーケットを見ながら、それから世論をみながら調整しながらやってらっしゃる。

――日本はどう対応していけばいいのか。

木原誠二 自民党 選対委員長:
やっぱり同盟国でもあるし、一つの国としては世界第4位とはいえ、やっぱりアメリカとの間でかなりの開きがある。そういう意味で言うと、米中のように、角突き合わせて喧嘩しあって、勝機があるかというとやっぱりないと言わざるを得ないと思うので、結局それは日本の国民に負担を負わせるということになると思いますから、今のようにネゴシエーションにもまだ至ってないけど協議をしながら最終的な妥結点を探ると。その動きの中では幸いなことに、今一番手にいますからこれをしっかりやっていきたいと思います。

「非関税障壁」コメは“命綱” 安易に妥協できない

――トランプ大統領は、アメリカの車が日本でほとんど輸入されていない状況は日本の車の安全基準などが“非関税障壁”になっているからだと主張していますよね。

木原誠二 自民党 選対委員長:
例えば自動車の非関税障壁といわれている安全基準“ボウリングのボール”の嘘の話とか色々おっしゃっているようですが。これはもう石破総理がはっきりおっしゃっていて、やっぱり左ハンドルの車が日本で売れるとは思えないし、日本の道路の規格に合ったものでないものが売れるとも思えない。逆にドイツ車は売れているわけで、ある一定程度やっぱりアメリカに努力をしてもらうことだというふうに思いますね。もちろん直すべきものは直したらいいと思いますけど、これだけで何かができるとはちょっと思えない。

コメについてはいろんな議論があると思いますし、立場がある。ただ私はやっぱり主食だし、食料安全保障を考えたら、コメは我々にとっては命綱だと思いますから、そう安易に妥協はできないだろうなというふうに思います。

なので、我々の優先順位で言えばやっぱり対日貿易赤字の解消ということだと思います。

物価高をどう乗り越えるか「消費税減税」も排除する必要はないが…

――国会では、予算は通ったものの物価高騰をどうにかしてくれという声がすごく大きい。その中で野党や自民党の一部からもあがる消費税減税の声をどう捉えていらっしゃいますか。

木原誠二 自民党 選対委員長:
私は基本的にはやっぱり物価高を乗り越えていくためには政府の努力が必要だと思います。これも私の持論ですけど、いま賃金が上がってきた、投資も増えてきた、ようやく経済は好循環に入ってデフレから脱却できる好機なんですけど、その前に立ちはだかるのがこのコストプッシュ型の物価高。なので去年は定額減税をやったわけですね。私は本来、今年も定額減税やるべきだったというふうに思いますがやっていない状況でいうと、やっぱりこの物価高を越えていくためには、一定の対策は必要になると思います。あとはタイミングの問題で、トランプ関税の影響をどこまで見極めるかどうかだというふうに思いますね。消費税減税も一つの選択肢なので、排除する必要はないと思います。

ただ、消費税減税っていうのは結構難しいのは事実なんですね。今日言ったから明日できるって話じゃなくてやっぱり半年ぐらいかかってしまう。そうすると今の物価対策に本当にきくのかどうかっていうのは冷静に考えなきゃいけない。

――昨日(4/23)、プラチナNISAを提言なさっていましたが、これは将来的に必要ですか?

木原誠二 自民党 選対委員長:
2024年の1月からスタートしているNISAの重要な点は、つみたてNISAなんですね。積立っていうのは長期、定額、分散型の投資なので、今のようにあの価格が落ちているときは、より量が多く買えるという、そういう仕組みです。だから積立型の投資っていうのは、長期投資としては非常に有効だと思います。幸いな事に多くのNISAをやっていただいている方は、今回投げ売りはあまりされていない。それは一定程度浸透してきたんだと思います。

今回は高齢で、今更もう間に合わないっていう方に一定程度、投資の機会を公平に提供するということですね。通常は毎月配当を分配するとかっていうところはやらないんだけども高齢者の皆さんの場合は、これもできるようにしましょうと。そういう意味ではあえて株にどんどん行ってくれということではなくて資産形成、最後の資産運用というものについて機会を持ちたいという方には持っていただこうということですね。

都議選や参院選「全勝を目指す」

――選対委員長として7月の参院選、獲得目標は?

木原誠二 自民党 選対委員長:
獲得目標は全勝です。45ある選挙区、1人区が32と13の複数区がありますから、我々全ての選挙区にきちっと候補者を立てていきますので、全員の勝利を期してしっかりやっていきたいというふうに思います。

――小泉さんや高市さんは明確な主張をもっと出せと言ってますが。

木原誠二 自民党 選対委員長:
それは全くその通りだと思います。選挙を戦う以上はご判断いただかなきゃいけないので、都議選の前後ぐらいには、何を自民党が訴えるのか、何を目玉にするのかっていうことは打ち出していきたい。これは政調会長がおやりになると思いますが、私も関与してしっかりやっていきたいと思います。

――少なくとも参議院選挙は石破総理で戦うわけですね。

木原誠二 自民党 選対委員長:
それが当然だと思います。我々で選んだ総裁ですから。いろんなご意見あると思いますが、ただ表紙を変えて、やればいいって話ではないと思いますから、石破総理のもとで結束して、その代わりきちっとした政策をみんなで作っていくっていうことだと思います。

――最後に、都知事選や兵庫県知事選で目立ったSNSを使った選挙運動について、自民党はどう対応していますか。

木原誠二 自民党 選対委員長:
かなり今SNSについては強化をしてまして、各候補者にはきちっと人をつけて、徹底してやってますし、党としても、動画の発信含め今力を入れているところです。ただこれは一朝一夕ではできないので、やっぱりこのストックが必要なので、少しでも参議院選挙にストックが溜まっているように、全員で力を入れてやっているところであります。やっぱり全員に勝つチャンスがある以上、今は全勝ということをしっかり考えてやりたいと思います。

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