画像提供:マイナビニュースコスモエネルギーホールディングスのグループ会社であるコスモ石油は2024年11月、大阪府堺市、日揮ホールディングス、レボインターナショナルと「持続可能な社会の構築に向けた廃食用油の資源化促進に係る連携及び協力に関する協定書」を締結した。同協定に基づき、大阪府堺市に所在するコスモネットワークのサービスステーション(ガソリンスタンド)11拠点に、家庭から出る廃食用油を回収する専用ボックスを常設し、4月18日から全国初となるSAF原料化を目的とした市民回収の本格運用を開始した。
○■堺市の11拠点に家庭系廃食用油の回収ボックスを常設
大阪府堺市での回収は、2024年6月から東京都内3カ所のサービスステーションで実施している市民回収実証で得た知見を活用し、コスモ石油、コスモ石油マーケティング、コスモ石油販売が日揮HD、レボインターナショナルおよび関係各社が協力して実施するものだ。
各回収ボックスに集まった廃食用油はレボインターナショナルが収集し、国内初のSAF大規模生産を行うSAFFAIRE SKY ENERGYのプラント(コスモ石油堺製油所内、2024年度生産開始)へ供給し、国産SAFの原料として資源化される。
コスモ石油、コスモ石油マーケティング、コスモ石油販売、日揮HDおよびレボインターナショナルは、SAFのサプライチェーン構築に向けた事業開発を加速させるとともに航空業界におけるカーボンニュートラル推進を行う。また、日本国内における脱炭素化に向けた資源循環の機運を高め、国産SAFの供給体制を強化していく。
○■回収実証の流れ
・つかう:家庭で揚げ物などに使った使用済みの食用油(廃食用油)をペットボトルなどふたの閉まる容器に入れる。
・だす:ペットボトルなどの容器に入れた廃食用油をサービスステーションに設置されている廃食用油回収ボックスに入れる。
・はこぶ:レボインターナショナルが廃食用油を回収し、コスモ石油堺製油所構内(大阪府堺市内)のSAF製造装置まで輸送。
・つくる:運ばれた廃食用油を原料として、SAF製造装置にてSAFを生産。
・つかう:SAFが航空機に搭載され、航空燃料として利用される。
【国内初の国産SAF大規模生産事業について】
コスモ石油は、日揮HD、レボインターナショナルと共同で国内での廃食用油の収集からSAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向けて事業化検討を進め、2022年に新会社サファイアスカイエナジーを設立し、国内で発生する廃食用油のみを原料とした年間約3万キロリットルのSAFの供給を目指している。なお、同事業はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)より採択を受けた助成事業となる。(エボル)