



私は少し前の授業参観のとき、サクラちゃんのお母さんに声をかけさせてもらったのです。けれどこちらから連絡先の交換を持ちかけると、一瞬きょとんとして「え、わざわざ聞く?」と言いたげな顔をされました。サクラちゃんのお母さんはどうやら放任タイプのようです。


危険は事前に回避しないといけません。私はサクラちゃんのお母さんにメッセージを送りました。「アサヒから日曜に遊ぶ話を聞きました。うちは子どもだけで行くのは許可していないので、近くの公園や児童館にしてください。お昼がいるならお弁当を持たせます」



子どもだけでショッピングモールに行くのはまだ早い、という考えは変わりません。私はサクラちゃんのお母さんにメッセージを送り、アサヒにもショッピングモールは許可できないと伝えました。
けれどアサヒはきっと大好きなサクラちゃんに誘われて嬉しかったのでしょう。「公園や児童館で集まれるような子と遊んだら?」と提案すると、悲しい顔をしていました。
自分の子育ての方針が間違っていない自信はあります。しかし一方で、落ち込んでいるアサヒを見て、私の心は揺れました。私はわが子の交友範囲を狭めてしまっているのでしょうか……?
【後編】へ続く。
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