日本人だけがこだわり続けて疲弊する2つの「仕事」とは? 世界の一流が切り捨てた「ムダな努力」

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2025年04月26日 21:50  All About

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なかなか休みが取れないのは、仕事で「ムダな努力」をしているからかもしれません。仕事で最大限に成果を出すために、マイクロソフト社が徹底している「ある考え方」についてお伝えします。
「一つひとつのタスクを頑張っているのに成果が出ない」「資料作りで時間が取られて業務が進まない」と悩みを抱える人は、最大限に仕事で成果を出すための考え方を知らないだけかもしれません。

『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(越川慎司著)では、世界水準のエリートであるエグゼクティブたちの働き方や「休日」に対する考え方、過ごし方についてお伝えしています。

今回は本書から一部抜粋し、マイクロソフトで徹底されている「ドゥ・モア・ウィズ・レス」という考え方について紹介します。

「ムダな努力」で疲弊してませんか?

マイクロソフトでは、「ドゥ・モア・ウィズ・レス」(Do more with less) という考え方が企業理念のように徹底されています。

日本語に訳すと「より少ない資源で、より多くのことに取り組む」という意味になります。

多くの労力を注ぎ込んで一つの成果を出すのではなく、少ないリソース、少ない時間、少ないエネルギーによって、より多くの成果を出す……ことを指していますが、それを最もスマートに体現しているのが、マイクロソフトの中枢を担っているエグゼクティブなのです。

彼らに突出しているのは「見極め力」だと考えています。

自分がタスクに注ぎ込むエネルギーと時間が、きちんと成果につながるかどうかを見極める能力がズバ抜けており、そこに彼らがエグゼクティブに抜擢されている一番の理由があるといえます。

彼らが最短の時間と最小のエネルギーで、最大の成果を出し続けられるのは、業務処理能力が優れているからではありません。

マイクロソフトには、それなりにIQの高い社員が揃っていますから、資料を5分で書き上げるなど、仕事が早い社員はたくさんいます。

エグゼクティブは、「成果につながる努力」と「つながらない努力」を瞬時に見抜くことで「ムダな努力」を切り捨てています。

そのスピーディーな判断の連続が、より多くの成果を生み出すことになり、結果として働く時間が短くなるだけでなく、しっかりと休める環境を作り出しているのです。

日本人には「努力をすれば報われる」と考えるところがあり、目の前のタスクに無我夢中で取り組むことが求められますが、ビジネスの世界にも「重要な努力」と「ムダな努力」が存在します。

彼らは、クールな目でムダな努力を見極めて、重要な努力に全集中することで、たくさんの成果を上げているのです。

その会議、本当に必要ですか?

日常の仕事で最も時間を取られる「会議」と「資料作成」を例に上げて、彼らの取り組み方を紹介します。

【会議】何も決まらない会議は「時間のムダ」と考えている

日本企業では、日常の仕事に占める社内会議の割合は「39%」と欧米企業に比べて多い傾向にあります。

「会議のための会議のための会議」が、会議全体の「60%」を占めている日本企業もあるほどです。

マイクロソフトのエグゼクティブは、「ムダな会議をやめる」ことと「やるべき会議をコンパクトにする」ことを重要視して、チームのメンバーにも徹底させています。

彼らの会議は、シンプルでスピーディーです。

1. 全員参加の「情報共有会議」はリモートで開催
2. 決定会議を主体にして、決定権者だけが参加
3. アジェンダ(議題)が不明確な会議は開催不可
4. 発言のなかったメンバーは次回から参加不要

日本企業では、何も決まらず、会議の回数だけが増えてしまう傾向があります。アジェンダ(議題)がない会議もあり、参加することが目的となっています。

マイクロソフトのエグゼクティブは「何も決まらない会議は時間のムダ」とドライに割り切って、会議の回数と時間を大幅に短縮することを意識しています。

【資料作成】確認する時間を短くして、より多くの結論を出す

日本企業では、上司の目を気にして、きれいなパワーポイントで資料を作ったり、7色のグラフを作るビジネスパーソンも珍しくありませんが、マイクロソフトではシンプルで簡潔な資料であることが要求されます。

エグゼクティブによっては、資料作りの時間さえムダと考えて、「今ある資料を見せてくれ」とか、「手書きでいいから、すぐに持ってきてくれ」と指示するケースも少なくありません。

彼らは「資料は重要なエッセンスさえわかれば十分」と考えており、資料を確認する時間が短くなれば、結論に至るプロセスが短くなり、それだけ多くの案件の結論を出せることになるのです。

これこそが、「ドゥ・モア・ウィズ・レス」の真骨頂だといえます。

「成果につながらない努力」を的確に見極めることで、ムダに時間を浪費しないだけでなく、その時間を成果の出る努力に使うことができます。

こうした「ドゥ・モア・ウィズ・レス」のスタイルを実現しているから、彼らは効率よく仕事をして、休日を楽しむことができるのです。

越川慎司 プロフィール

株式会社クロスリバー代表取締役。国内外の通信会社に勤務した後、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。業務執行役員としてPowerPointやExcel、Microsoft Teamsなどの事業責任者を歴任する。2017年に株式会社クロスリバーを設立。世界各地に分散したメンバーが週休3日・リモートワーク・複業(専業禁止)をしながら800社以上の働き方改革を支援。京都大学など教育機関で講師を務める他、企業や団体のアドバイザーを務める。
(文:越川 慎司)

このニュースに関するつぶやき

  • 【日本企業では、日常の仕事に占める社内会議の割合は「39%」】と騒ぎ立てる根拠は?これが事実なら、4割も会議でつぶしていない私の会社は、実は【日本企業】ではないということになりますが。
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