がんや認知症予防に「こんにゃく」低カロリー・便秘解消だけではない、最新研究で判明した“驚きの健康効果”

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2025年04月27日 07:40  週刊女性PRIME

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※写真はイメージです

「腸活やダイエットなど、さまざまな健康効果で知られるこんにゃくですが、近年大腸がんや認知症の予防、血糖値の抑制といった驚くべき結果も出ています

 と、群馬大学でこんにゃくの研究を行っている鳥居征司教授。

生活習慣病の予防にも期待大!

「こんにゃくに豊富に含まれる、グルコマンナンやセラミドといった成分が効果を発揮すると考えられています。グルコマンナンは、こんにゃくの主成分である食物繊維。体内で消化されず食物を巻き込み、物理的に腸を刺激して、排便を促します。

 また、腸内細菌の善玉菌を増加させると同時に、有害物質を生み出して腸の免疫力を低下させる悪玉菌の発生を抑制。これにより大腸がん予防の効果が期待できます」(鳥居教授、以下同)

 グルコマンナンにはがんの生着率を抑える効果も。

「腸内に善玉菌が増えると免疫機能の活性化が期待できることに加え、グルコマンナンの中のマンノースという糖が、がん予防に有効なことを示す研究が進んできています。

 さらには、グルコマンナンは腸内で消化吸収の速度を遅らせるため、食事による糖質の吸収もゆるやかにして血糖値の急上昇を抑えてくれます。これにより、脂肪の蓄積を抑えることが期待できるのです」

 最新研究が進んでいるのが“こんにゃくセラミド”。

「セラミドは美肌に導く成分としてよく知られていますが、こんにゃくに含まれるこんにゃくセラミドは、アルツハイマー型認知症を引き起こす原因の一つである、アミロイドβ(ベータ)の蓄積を抑える働きが報告されています。

 アミロイドβは加齢とともに脳から排出されにくくたまりやすくなるため、中高年世代、特に50歳前後の人には、こんにゃくを食べることをおすすめしています」

 こんにゃくからセラミドをたくさんとるには、こんにゃく粉が原料のものではなく、セラミドが高濃度で含まれるこんにゃく芋を原料としたものを選ぶのがポイントだ。

「ただし、食べすぎは逆効果。こんにゃくに栄養はありませんし、こんにゃくでお腹がふくらんで、他の食品が食べられなくなると必要な栄養素もとれなくなってしまいます。目安は、1日のどこかの食事に取り入れる程度。

 これだけで血糖や血中脂質の異常といった肥満や老化、生活習慣病につながる原因を抑えることができるはず。ぜひ普段の食生活に意識的に取り入れてみてください」

こんにゃくを使ったレシピ3選

 プロが目的別に考案!

鶏肉と菜の花の具だくさんみそ汁

 朝の腸活で認知症予防!

 こんにゃくセラミドは、薄く切って断面を増やすと溶け出しやすくなる。また油と一緒にとると吸収率が上がるため、先に油で炒めておくのがポイント。

材料
 A〔鶏もも肉…60g、こんにゃく…40g、たけのこ水煮…10g〕
・菜の花……20g(2cm幅)
・だし汁……200ml
・みそ……小さじ1
・ごま油……小さじ1

【作り方】
(1)鶏肉はひと口大、こんにゃくは薄切り、たけのこはいちょう切りにする。
(2)鍋にごま油とAを加えて中火で炒める。
(3)鶏肉の表面が白くなったら、だし汁を加えて弱火で煮る。
(4)火を止めてみそを溶かし、菜の花を加えてフタをし、余熱で加熱する。

春キャベツとこんにゃくのしょうが炒め

 食物繊維が血糖値の急上昇を抑える

 こんにゃくのグルコマンナンと、食物繊維が豊富なキャベツを一緒にとることで、腸での吸収速度が緩やかになり、血糖値の急激な上昇を抑えやすくなる。

 またキャベツには、胃の粘膜をケアするビタミンUも含まれていて胃腸のケアに最適。しょうがの風味で味つけも塩分控えめ。

材料
・豚こま切れ肉……70g
・こんにゃく……50g
・春キャベツ……2〜3枚
・しょうが……3g(みじん切り)
・サラダ油……小さじ1
 A〔酒…小さじ1、しょうゆ…小さじ1/2、塩コショウ…少々〕

【作り方】
(1)豚肉を3cm幅に切り、塩コショウをふる(分量外)。こんにゃくは細切りか薄切りにする。
(2)フライパンにサラダ油としょうがを加えて中火で炒める。
(3)しょうがの香りがしてきたら、豚肉とこんにゃくを加えて中火で炒める。
(4)肉の色が変わったらざく切りにしたキャベツを加えて炒める。全体に火が通ったらAを回し入れる。
(5)最後に塩コショウで味を調える。

レトルトの「おでん」でも

こんにゃくときのこの含め煮

 きのこをプラスして大腸がんの予防効果を倍増!

 こんにゃくの不溶性食物繊維と一緒に、水溶性食物繊維のβグルカンが豊富なしめじやまいたけもとることで排便効果が倍増!油を加えずにこんにゃくを炒めると、アク抜き処理を省けるのでおすすめ。

材料
・こんにゃく……50g
・しめじ……30g
・まいたけ……30g
・サラダ油(ごま油)……小さじ1
 A〔しょうゆ…大さじ1、酒…大さじ1、みりん…小さじ1、水…大さじ1〕
・七味唐辛子……お好みの量

【作り方】
(1)こんにゃくはスプーンでひと口大にし、しめじとまいたけは石づきを取りほぐす。
(2)鍋にこんにゃくを入れ、中火で1分ほど炒める。
(3)サラダ油としめじ、まいたけを加えて全体に火が通るまで炒める。
(4)Aを回し入れて、水分がなくなるまで炒める。
(5)器に盛り、お好みで七味をかける。

料理をするのが面倒なら!
 忙しい日は、コンビニのレトルトおでんがおすすめ。だし汁にみそをといてみそ汁風にしたり、鍋でトマトジュースと一緒に煮込んでパルメザンチーズをふって洋風にしたりと簡単なアレンジを加えれば、飽きずに食べられる。

※アク抜きが必要なこんにゃくの場合は下処理を行ってから調理してください

教えてくれた人……

鳥居征司教授●生化学者。群馬大学食健康科学教育研究センター教授、博士(農学)。ホルモン分泌機構が専門で、がん等の関連疾患を研究している。現在のセンター所属をきっかけに群馬県の特産物であるこんにゃくの機能性研究を開始。

三城 円さん●管理栄養士。芸能人や一般の方のダイエットなど延べ1万人以上の食事コンサルティングを実施。「食べながらキレイになるダイエット」を基本とした食事の大切さと内臓力を高める食べ方を伝えている。

取材・文/井上真規子

このニュースに関するつぶやき

  • がんや認知症予防でこんにゃくが良い。この手の話題多いなあ。 緑茶がカテキンでがん予防と言っても超お茶好きのオバがガンになったからなあ。
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