
トランプ政権との2度目の交渉を前に、国会では激しい論戦が行われました。アメリカとの交渉は今後、どう進むのでしょうか。
立憲・野田代表「“朝貢外交”をやってるように見えてしまった」アメリカ トランプ大統領
「日本とはうまくやっているよ。私たちは合意にとても近づいている」
新たな揺さぶりなのか、4月25日(金)にも根拠のわからない発言をしたトランプ大統領。
予測困難な交渉に臨む日本側は…
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石破茂 総理大臣
「世の中、何が起こっても不思議ではない」
21日(月)、石破総理も先が読めない心境を吐露。1回目の交渉から想定外だったといいます。
石破総理
「大統領自ら最初っから出てくるというのを、私は見たことがございません。想定をかなり超えておったということです」
23日(水)、半年ぶりに行われた党首討論では、その大統領の術中にハマっていないのかが問われました。
立憲民主党・野田佳彦 代表
「あの見た目の視覚的な印象は、非常に日本にとってマイナスだ。「総理が『国難』と言っているにもかかわらず、残念ながらあのキャップ(MAGA=MAKE AMERICA GREAT AGAINのキャップ)をまんまと被らされてしまって、多くの国が注目してる時に、“朝貢外交”をやってるように見えてしまった」
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圧倒的な力を持つ皇帝に対し、貢物を献上してご機嫌をうかがう“朝貢外交”ではないかという指摘。
石破総理
「それはいろんな見方があるんだろうと思っています」
そして、アメリカへの“貢物”とならないか懸念されているのが、トランプ大統領が要求している在日米軍駐留経費の負担増です。
新たな火種は“在日米軍駐留経費” 過去には石破総理も著書で…共産党・小池晃 書記局長
「トランプ大統領、こう言ってます。『我々は数千億ドルを払って日本を守るが、彼らは何も払わない』。まったくもってふざけた発言だと思いますよ。これ以上の在日米軍の駐留経費の増加など、絶対受け入れちゃいけない」
石破総理
「この関税の交渉と安全保障の問題を、リンクさせて考えるべきだと思っておりません」
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小池書記局長
「別の問題だと言ってね、誤魔化しちゃいけない。別の問題だったとしても、法外な要求などは断じて受け入れるべきじゃない。むしろ逆に削減を求めるべきだ」
そもそもこの米軍駐留経費、いわゆる“思いやり予算”をめぐっては、石破総理も著書『軍事を知らずして平和を語るな』の中で、負担を増やすどころか「減らす余地がある」と主張していました。
小池書記局長
「今こそ、この(負担を減らす)議論をトランプ大統領にぶつけるべきじゃありませんか」
石破総理
「わが国がさらにできることがあるか。よく認識しながら、我々は対応していかねばならない」
今回の日米交渉をめぐっては、まず“アメリカに言うべきこと”として、自動車関税の問題も指摘されています。
立憲民主党・小沼巧 議員
「この自動車に関する(追加関税)措置というのは、明らかに協定違反であると一刀両断してしかるべきだ」
“協定違反”とは、トランプ政権の1期目に安倍政権が結んだ「日米貿易協定」のこと。
アメリカ産の農畜産物の関税を引き下げる要求を飲まされた貿易協定で、代わりに日本は何を得たのか。当時、安倍総理はこう明言していたのです。
安倍晋三 総理大臣(当時)
「日本の自動車や部品に対しては追加関税は課されないことを、直接トランプ大統領から確認しました」
課されないはずの自動車への追加関税。しかし今回、日本の自動車は、25%の追加関税を課されています。なぜ政府は、安倍元総理が確認したはずの協定について、トランプ政権に突きつけないのでしょうか。
石破総理
「(日米貿易協定との)整合性に非常に問題があるということは、常に問題提起はしております。向こう(アメリカ)が『恐れいりました』と、『その通りでございます』で済むんだったらそこで“おしまい”ということでありますが、そうはならない」
小沼議員
「そもそも協定の内容の詰めが甘かった。アメリカ側に有利になるような解釈を残してしまう協定を結んでしまったからではないか」
石破総理
「それはうがった見方というものでございます」
小沼議員
「うがった見方だとおっしゃるのであれば、論理的に反論してください」
石破総理
「これから先どんなやり取りがあるか分からないという時点において、これ以上詳細は申し上げられない」
こうしたなか、交渉担当の赤沢大臣は、再び30日(水)に渡米することが決まりました。次はどんなカードをもって交渉にあたるのでしょうか。