株式市場覆う不確実性=関税戦争で投資資金逃避―トランプ氏に厳しい評価・就任100日

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2025年04月28日 08:02  時事通信社

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時事通信社

トランプ米大統領=24日、ワシントン(EPA時事)
 トランプ米大統領の2期目就任から、米時間29日で100日となる。歴代政権で「最も株価を上げた」と豪語した1期目と異なり、就任後は日米とも株価は下落基調をたどり、厳しい評価を突き付けられた。市場の最大の懸念は「製造業を米国に取り戻す」として、トランプ氏が強行する高関税政策。関税を含む重要政策が「日替わり」で変更される不確実性も市場を疑心暗鬼に陥らせている。

 大統領選の期間中から、就任後に高関税措置を発動すると公言していたトランプ氏だが、即時発動を見送ったことで、就任から1週間足らずで日経平均株価は1000円超上昇した。

 しかし、2月にカナダとメキシコに25%、中国に10%の関税を課すよう命じた頃から、株価は変調を来す。3月下旬に米国に輸入するすべての自動車に一律25%の税率を適用すると表明すると、自動車関連の株にとどまらず、東京市場では相場全体のムードが悪化。同月末の3日間で日経平均は2400円超下落した。

 4月にトランプ氏が日本に24%など各国・地域に相互関税を課す方針を表明すると、「想定以上の高税率」(大手証券)に市場は動揺。中国が報復措置で応じ、二大経済大国の対立が激化したことで「投資資金が逃避した」(投資助言会社)。7日には日経平均は一時3万1000円を割り、2023年秋以来の低水準となった。

 相互関税は9日の発動後、1日もたたずに大部分を90日間猶予すると発表され、株価は持ち直した。米メディアによると、市場の混乱を懸念したベセント財務長官がトランプ氏に翻意を働き掛けた。市場関係者は「軌道修正がなければ、金融危機につながりかねない状況だった」と明かす。

 トランプ氏は中国と交渉する姿勢を示すなど米中の関税戦争にも緩和の兆しが見られ、「最悪期は過ぎた」(中堅証券)可能性はある。ただ、「今後の政策が予測できず、投資の前提となる企業の利益も予測不可能」(前出の投資助言会社)との声は強い。 

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