『パリピ孔明 THE MOVIE』出演・上白石萌歌さんにインタビュー! 心に染みた孔明役・向井理の一言とは

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2025年04月28日 20:20  All About

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人気テレビドラマの劇場版『パリピ孔明 THE MOVIE』(2025年4月25日公開)に出演している上白石萌歌さんにインタビュー。役作り、撮影の裏側、歌への思いなど、さまざまなお話を聞きました。※サムネイル写真:Kaori Saito(All About)
累計発行部数240万部突破の大人気コミック『パリピ孔明』(講談社/『ヤングマガジン』連載中)が、2023年、向井理の主演で実写ドラマ化され、大反響! 三国時代の天才軍師・諸葛孔明(向井理)が東京・渋谷の街に転生。アマチュアシンガー月見英子(上白石萌歌)の歌声に心を奪われ、英子の軍師となる……という物語。

劇場版では、日本を代表する三大音楽レーベルが競う史上最大の音楽バトルフェスが開催され、孔明と英子も参戦! しかし、孔明の前に三国時代のライバル、司馬懿の末裔・司馬潤(神尾楓珠)と妹のshin(詩羽)が現れるのです。

ドラマに引き続き、英子を演じる上白石萌歌さんに、まず英子のキャラクターについてお話を聞きました。

『パリピ孔明 THE MOVIE』出演、上白石萌歌さんにインタビュー

――ドラマの『パリピ孔明』でも英子を熱演されていましたが、英子というキャラクターについて、上白石さんの解釈と演じる上で気を付けたことについて教えてください。

上白石萌歌さん(以下、上白石):ドラマの映画化を経験するのは初めてなので、お話を聞いたときはうれしかったです。英子という役は私にとって、とても大切なキャラクターなんです。

ドラマで英子を演じることが決まったとき、本当に自分とかけ離れている役だと思いました。原作のコミックを読んだり、アニメを見たりする中で「私はどのように演じたら英子になれるのだろうか」とずっと考えていました。自分が英子を演じる姿を想像できなかったんです。

でも、髪を金髪に染めてビジュアルを近づけながら英子を演じていくうちに、英子というキャラクターへの理解が深まり、自分との共通点が見えてきました。

――共通点はどういうところでしょうか?

上白石:一見、見た目はギャルのようなのですが、決してパリピ女子ではなく、普通の女の子であることが演じていくうちに分かったんです。パリピなのは英子を取り巻く周囲のキャラクターで、孔明もパリピになっていきますが(笑)、英子はずっと等身大の悩みを抱えた女の子です。

ポジティブでバイタリティーあふれるタイプではあるのですが、とても心配性で、ライブ前になると不安な気持ちに押しつぶされそうになったり、他人と自分を比べてうらやましい、私もあんなふうになりたいと思ったり……。

実際、私もライブ前は逃げ出したくなるほど不安になることがあるので、その気持ちがとてもよく分かりました。

孔明役の向井理さんと会うと英子になれる!

(C)四葉夕ト・小川亮/講談社 (C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会

――ドラマの劇場版に参加するのは初めてとおっしゃっていましたが、再び『パリピ孔明』チームと撮影をした感想は? 

上白石:ドラマのクランクアップから劇場版の撮影まで、そんなに日がたっていなかったんです。なので、すごく久しぶりという感じではなかったです。「ただいま」という気持ちで現場に入れたし、そういう気持ちにさせてくださる温かいチームです。

連続ドラマを撮影しているときにスタッフとキャスト一丸となって『パリピ孔明』の世界観をしっかり作り上げたので、映画の撮影もすんなり入っていけました。

――やはり金髪のヘアスタイルや英子の衣装を着ると、役に入っていけるという感じですか?

上白石:それもありますが、映画のクランクインの日は孔明を演じる向井理さんとのシーンだったことが大きかったです。向井さんの孔明の姿を見ると「自分は英子だ」と自然に思えるんです。それくらい向井さんが演じる孔明の存在は大きく、だからこそ私も英子としていられたんだと思います。

ライブ本番の日まで超緊張の日々を過ごした

(C)四葉夕ト・小川亮/講談社 (C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会

――英子は本作で成長したと感じられましたか? 成長したとしたらどのようなところでしょうか?

上白石:実は英子自身はそんなに成長していないんです。ドラマの最終回では、サマフェスで歌って高揚感を得ましたが、その後も相変わらずライブでお客さんが集められないと悩んだりして、孔明に頼りっぱなしです。

でもいきなり一世を風靡(ふうび)する歌手が誕生するわけがないと思うので、私はそんな英子の姿が逆にリアルでいいと思いました。

この映画は、英子が孔明から自立する気持ちも描いています。どうやって孔明を頼らずに歌手として自立していくのかということもこの映画の大切なテーマだと思います。

――孔明を演じた向井理さんは、ライブシーンで上白石さんに的確なアドバイスをされたそうですが、どのようなアドバイスだったのでしょうか? 向井さんとの共演について教えてください。

上白石:ライブシーンは東京ガーデンシアターで撮影したのですが、そのリハーサルのとき、向井さんは出演シーンがなかったけれど、会場にいらしてくださって、ステージ正面から私が歌っているシーンをスマホで撮影してくれたんです。

「この歌のときは、こういう表情だったよ」とか「音の響きはこんな感じだった」とか客観的なアドバイスをくださって。「英子の歌はちゃんと届いていたよ」という向井さんの温かい言葉は、とても心に染みました。

――さすが軍師・諸葛孔明ですね!

上白石:はい。本当に孔明そのものでした。正直、ライブ本番の日はカレンダーにぐるぐると印をつけて、当日までとても緊張して「どうなるかな……」とドキドキしていたんです。ただ向井さんからアドバイスをいただけたおかげで、覚悟を決めることができました。

ステージで歌う『Count on me』は孔明に向けた曲でもありますから、孔明とこの映画を見にきてくれたお客さんに届けようと気持ちを込めて歌うことができました。

俳優と歌手活動、同じ熱量で取り組んでいます

Photo:Kaori Saito(All About)

――上白石さん自身も音楽活動をしており、俳優と歌手として活躍されていますが、ご自身の中ではどのようなバランスで活動していこうと思っていますか?

上白石:私の中ではどちらも大切で、自転車に例えると、俳優と歌手は前輪と後輪のような関係なんです。どちらか一方が欠けてしまうと走れないという……。

俳優として作品に取り掛かっているときは、ライブもできないし、新譜も制作できないのですが、両立できないのはあくまでスケジュール的なこと。私は俳優と歌手活動は同じ熱量で取り組んでいます。

私自身は芝居の仕事が落ち着いたら、adieu(アデュー/上白石さんの音楽活動におけるアーティスト名)の活動にどっぷり入りたいなと思っています。

――『パリピ孔明』における英子の歌い方とadieuにおける上白石さんの歌い方は、どのように意識して変化をつけているのでしょうか? その違いについて教えてください。

上白石:adieuは内省的な歌い方でかなり自分の素に近いと思います。でも英子は外に向かって開いていく感じです。この映画で歌う『Count on me』は、全てのフレーズがサビのような楽曲なので、ボイストレーナーの方に「力強く歌いたい」と相談し、adieuのときの自分の声よりも、もっと強い芯のようなものを意識して歌いました。

英子として、初めてラップに挑戦!

Photo:Kaori Saito(All About)

――『パリピ孔明 THE MOVIE』では、英子に歌手shin(詩羽)というライバルが登場しますが、上白石さん自身はライバルと思える人はいますか?

上白石:同じ業界ではないけれど、学生時代の友人は今後も切磋琢磨して成長し合えるライバルであり仲間です。建築を学んでいた友達はスイスに留学することになり、より建築について深く学ぶ機会を得るなど、みんな自立して自分の道を進んでいるので「負けていられない」という気持ちになりますし、とても刺激を受けています。

――最後に完成した映画の感想をお願いします。

上白石:本当に新しい映画が爆誕したと思いました。孔明と英子がどのように音楽とも関わりを深め、フェスを成功へと導くのかがスリリングに描かれていますし、たくさんの豪華ゲストの皆さんの音楽パフォーマンスも圧巻です。

私は試写室で見たのですが、座って鑑賞しつつも気持ちは立ち上がってノリノリで見ていました。生のライブを全身で浴びている気持ちにさせてくれる映画です。音響システムのいい劇場で見ると、より盛り上がれると思います。
(C)四葉夕ト・小川亮/講談社 (C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会

――英子のおすすめシーンはありますか?

上白石:初めてラップに挑戦しました。渋江修平監督は、驚くような演出をする方で、ラップのシーンも「このテーブルに乗ってやってください」と言われて、「ヒールで乗って大丈夫かな」と、少し戸惑いました(笑)。

渋江監督のすごいところは、現場では「それ本当にやるんですか?」という演出でも、完成した映像を見ると納得させられるところです。内容だけでなく、ビジュアルの面白さも追求している監督なので、そんな渋江監督のユニークな魅力が映像に表れていますし、私のラップもぜひ注目していただきたいです。

上白石萌歌さんのプロフィール

2000年2月28日生まれ。鹿児島県出身。

2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞。2011年に俳優デビューし、数々の映画、ドラマ、舞台で活躍。主な出演映画は『羊と鋼の森』(2018/第42回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞)『子供はわかってあげない』(2021)『366日』(2025)。ドラマは『義母と娘のブルース』(TBS/2018、2022、2024)『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ/2019)『ソロモンの偽証』(2021/WOWOW)。最新作はドラマ『イグナイト –法の無法者–』(TBS/4月18日より放映開始)。

『パリピ孔明 THE MOVIE』2025年4月25日(金)より全国ロードショー

(C)四葉夕ト・小川亮/講談社 (C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会

原作:『パリピ孔明』 原作・四葉夕ト、漫画・小川亮(講談社『ヤングマガジン』連載)
監督:渋江修平
出演:向井理、上白石萌歌、神尾楓珠、詩羽、宮世琉弥、八木莉可子、関口メンディー、森崎ウィン、休日課長、石崎ひゅーい、ELLY、アヴちゃん(女王蜂)、菅原小春、くっきー!、DJ KOO、和田聰宏、長岡亮介、岩田剛典、亀井聖矢、&TEAM、宮野真守、菊地凛子、ディーン・フジオカ、森山未來

(C)四葉夕ト・小川亮/講談社 (C)2025 「パリピ孔明 THE MOVIE」製作委員会
(文:斎藤 香(映画ガイド))

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