猫カビを患っているから…と山に捨てられた子猫 発見した娘が「このまま置いて帰れない!」、ワクチンや避妊手術の責任もつことも約束

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2025年04月29日 14:30  まいどなニュース

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窓辺でニャルソックするよもぎちゃん(画像提供:きのひとまるさん)

保護猫との出会いは、まるで運命の糸に導かれるよう。どんな困難があっても、必ず結ばれる縁があることを教えてくれます。元保護猫の女の子「よもぎ」ちゃんと、飼い主のXユーザー・きのひとまるさん(@KINOHITOMARU)もそんな縁で結ばれました。

【写真】初めて飼い主さんと出会ったときの様子。山でひとりぼっちで生きていました

山でひとりぼっちだった子猫が家族に  

2022年1月10日、飼い主さんの娘さんが遊びに出かけていた先から一本の電話がかかってきました。  

「『山に1匹だけで生きている子猫がいる。かわいくて人懐っこいから連れて帰りたい』という連絡でした。話を聞くと、きょうだいと一緒に一度は飼い主が決まったものの、猫カビがひどくて飼えないと山に戻された(捨てられた)子猫だと。友だちのお父さんが勤めている職場でご飯をもらっていたからかコロコロしていたそうですが、私は『事情はあるかもしれないけど、ひどいことをするな』と怒りがこみ上げました。翌日は雪予報。娘は何度も電話をかけてきて『どうしても置いて帰れない』と訴えてきたんです」  

その子猫が、よもぎちゃんでした。飼い主さんの心はすでに決まっていましたが、家には先住猫の「こむぎ」ちゃんと「ぽんず」ちゃんが暮らしていたため、夫の承諾を得なければならなかったといいます。

「娘には、電話口で『ワクチンや避妊手術は自分で責任を持つ』と約束させ、夫はOKを出してくれました。私も少し不安はありましたが、『2ニャンズも3ニャンズも同じ』と気持ちを切り替えることに。子猫用のご飯を買ってケージを準備し、お風呂を沸かして娘とよもぎの帰りを待ちました」

しばらくして、家にやって来たよもぎちゃんは、娘さんの言う通りとても人懐っこい子でした。

「かわいらしい声で鳴き、すぐに触ったり抱っこしたりさせてくれました。その日は祝日だったため、病院へは翌日連れて行くことに。お風呂に入れると、お湯は真っ黒になりました。その後は、ケージの中へ。私が家事を終わらせて、よもぎの様子を見に行くと、夫が抱っこして座っていました(笑)」  

猫カビや猫風邪も… 先住猫との関係に試行錯誤する日々

お迎えの翌日、病院で診察を受けると、生後3カ月の女の子であることがわかったよもぎちゃん。同時に、猫カビや猫風邪、お腹に虫がいることもわかったため、塗り薬と飲み薬を処方されました。「猫カビは人間にもうつる」と言われましたが、飼い主さん家族のよもぎちゃんを思う気持ちに変わりはなかったといいます。

「よもぎがあまりにもかわいらしくて、夫、娘、息子、私、みんなで一緒に遊んだり過ごしました。顔や腕、太ももなどに猫カビがうつりましたが、よもぎの愛らしさに勝てず…構わず抱っこしたり、一緒に遊んだりしていましたね。ただし、先住猫のこむぎとぽんずとは別の部屋で過ごしてもらいました」

よもぎちゃんは別室で隔離し、治療に専念することに。すると、こむぎちゃんの体調に異変が起こりました。

「こむぎがストレスで声が出なくなってしまったのです。幸い、2、3日で戻りましたが、心配しました。しばらくして、よもぎの治療が終わり、こむぎ、ぽんずと会わせることに。すると、こむぎは激しく威嚇。パンチをして、よもぎの片目が一時的に開かなくなってしまったこともありました」

飼い主さんは、悩んだ末、ぽんずちゃんをお迎えしたときに試した方法を思いついたといいます。

「一緒にご飯を食べてもらうことにしたのです。すると、少しずつ争うことがなくなり、落ち着いてきました。お互いにそっと近づいて相手のニオイを嗅ぐまでに関係が改善したのです」

こうして、“3ニャンズ”と飼い主さん家族の仲は深まり、にぎやかな日々を送ることになりました。

天真爛漫なよもぎちゃん、家族を笑顔にする存在に

よもぎちゃんは、現在3歳を迎えました。一度は人間に裏切られた経験があるにも関わらず、人間が大好き。自分の感情をまっすぐ伝えてくれるよもぎちゃんに、飼い主さん家族はメロメロのようです。

「こむぎやぽんずとは全然違うタイプで、とにかく遊ぶのが大好き。やんちゃで、夫によく懐いています。夫が帰宅すると玄関で出迎え、病院に行くときは車の中で抱っこされるほどです。家族に対しても愛情豊かな行動を見せてくれます。お風呂に入っていると洗濯機の上で待っていてくれたり、歯磨きをするときは“抱っこタイム”と認識して甘えてくれたり…。あぐらをかくと自ら駆け寄ってきて『抱っこして』とアピールします」

このほかにも、よもぎちゃんのユニークなエピソードが。

「水を飲みたいのだろうと思うのですが、洗面所の水を出してほしいと訴えます。ところが、うまく飲めず、そのまま水を浴びてしまうんです。また、我が家には“ヨウム”という鳥も暮らしているのですが、よもぎは“やんのかポーズ”をしながらちょっかいを出すことも。ちょっとした行動の全てがおもしろくてたまりません」

昨年11月には、飼い主さん家族は黒猫の女の子「あんず」ちゃんを保護しました。よもぎちゃんは、小さなあんずちゃんのお母さん代わりとなって、よくお世話をしてくれるそう。飼い主さんはそんな姿を見て「とても頼もしいです」と笑みを浮かべます。

「毎日、『よもぎは、どんな気持ちで過ごしているのかな? 楽しいかな? 幸せかな?』と考えています。私たちの家族になってくれたことに感謝しかありません。よもぎやこむぎ、ぽんず、あんずに『この家に来てよかった』と思ってもらえるように、のびのび過ごせる環境を整えたいと思います。SNSでは、我が家の猫のことを知ってもらい、かわいがってもらっていてとても嬉しいです」 

よもぎちゃんとともに歩んできた日々を振り返り、飼い主さんは次のように立ってくれました。

「よもぎには、『ありがとう』と伝えたいですね。笑顔と幸せをくれる最高のパートナーです」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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