《国際中医薬膳師がレシピ監修》春の不調に効く“薬膳スープ”7選、身近な食材で冷え性やむくみ改善

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2025年04月29日 20:00  週刊女性PRIME

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春の不調に効く薬膳スープ 写真/持城壮

「春は草木とともに人間の身体も活性化するのですが、変化が大きいのでバランスをとるのが難しい。寒暖差の影響で自律神経が乱れやすいため、イライラしたり、だるさが出やすい傾向が。放っておけば五月病につながることもあります

 そう話すのは、SNSで話題の国際中医薬膳師・リョータさん。ほかにも花粉症やのぼせといった不調も出やすくなるのだとか。

毛穴が開いている春は冬より風邪をひきやすい

実は冬より風邪をひきやすいタイミングなんです。冬は厚着をしますし、汗腺や毛穴が閉じているのですが、春、暖かい日があるとそれが緩みます。そのときに急に気温が下がると、冷えから一気に体調を崩してしまう」

 また、もともと持っている病気も悪化しやすい時季なので、更年期障害などがある方は無理せず養生することを心がけて。

中医学では『食前のスープはどんな薬にも勝る』といわれるほど、薬膳スープは消化もよく、滋養強壮に最適。特別な漢方薬の材料を使わなくても作れます。

 春には、中医学で全身に栄養を与えるとされる『血』を蓄え、元気の源である『気』を巡らせる食材を使ったスープがおすすめです」

 今回は手軽に作れて春の不調改善に効く7品をご紹介します。

食事では“酸っぱいもの”を積極的にとるといいですね。酸味には身体を引き締める効果があるので汗や鼻水などの改善が期待できます。花粉症に悩む方にもぴったりです

【冷え性】ポトフ

 身体を温める根菜がたっぷりの温活スープ

「血」を補うにんじん、「気」を巡らせる玉ねぎ、元気と潤いを与えてくれる豚肉をしっかり煮込んで。花粉症で水っぽい鼻水が出ている人にもおすすめ。

材料と作り方(2人分)
(1)にんじん・じゃがいも・玉ねぎ各1個の皮をむき、4等分にする。
(2)鍋に水2カップ、ひと口大に切った豚バラブロック200g、キャベツ1/4玉と(1)を入れ、ローリエ1枚(またはブーケガルニ適量)と一緒に、やわらかくなるまで煮る。

症状別に紹介

【便秘】納豆汁

 東北の郷土料理をアレンジ、胃腸の働きをやさしくメンテ

 食物繊維が多く腸内環境を整える納豆と、同じ発酵食品のみそがダブルでとれる腸活汁。腸内の潤いが不足すると便秘になるので、水分や食物繊維を積極的にとることが大切。

材料と作り方(2人分)
(1)豆腐1/4丁、油揚げ1/2枚は1cm角に切る。鍋にだし汁2カップを沸かし、ふつふつしてきたら豆腐と油揚げを入れ、煮えたらみそ大さじ1と1/2を溶き入れて火を止める。
(2)ひきわり納豆1/2パックを加え、煮立てないように火を入れ、温まったら火を止める。

【更年期&月経中の不調】セロリと豆苗のクミンスープ

 ストレスを和らげ、更年期のメンタル不調も改善

 セロリと豆苗はストレスによる月経不順や女性特有の不調改善に最適。身体を温める作用のあるクミンと合わせれば、冷え症対策にも。ごま油で風味アップ。

材料と作り方(2人分)
(1)セロリ1/2本は斜めせん切り、豆苗1/4束は根を取り除き3cm長さに切る。鍋に水2カップを入れて沸かしたらセロリを入れ、やわらかくなってきたら豆苗を入れる。
(2)味を見ながらクミンパウダーを3〜4回振り、塩麹小さじ1を加える。器に盛り、ごま油適量をかける。

【のぼせ・ほてり】アスパラガスのすりながし

 春のほてりにはアスパラガスがぴったり

 春は自律神経の乱れもあり、身体の温冷のバランスが崩れやすい。ほてりを冷ます働きがあるのがアスパラガス。おだやかな風味を生かしたスープでナチュラルにリセット。

材料と作り方(2人分)
 アスパラガス10本は3cm長さに切る。鍋にチキンスープ2カップを沸かし、アスパラガスを入れ、中火でやわらかくなるまで煮たら火を止める。塩麹大さじ1を入れ、ミキサーで滑らかになるまで攪拌する。

春の食事のお供には“花茶”がおすすめ
 花を使用したお茶の香りには、春に滞りがちな「気血」を巡らせる作用が。さらにローズ茶にはホルモンバランスを整える働き、ジャスミン茶は更年期障害の不調改善、ラベンダーティーにはイライラを鎮める効果が期待できます。

頭痛がしたら「冬瓜」

【むくみ】沖縄伝統料理「かちゅーゆ」

 かつお節の簡単スープでむくみスッキリ!

 むくみと冷えのサインがあるなら、かつお節をとろう。沖縄のかつお節(かちゅー)を使った即席汁かちゅーゆは、簡単に作れるのに効果絶大な一品。

材料と作り方(1人分)
 器にみそ小さじ2、かつお節5gを入れる。湯75mlを注ぎ、小ねぎの小口切り少々を散らす。

【食欲不振】エッグレモンスープ

 さわやかなレモンの香りがクセになる

 ギリシャの家庭料理では定番スープ。レモンや梅など酸っぱい食材は食欲増進、消化促進効果が期待できる。栄養価の高い卵は元気を補い、身体を潤してくれる。

材料と作り方(2人分)
(1)鍋にチキンスープ2カップを入れて温め、ひと口大に切った鶏むね肉80gを入れて煮る。火が通ったら取り出し、手で細かく裂く。米1/4カップを軽くとぎ、鍋に入れてやわらかくなるまで煮る。
(2)少し大きめのボウルに卵1個を溶きほぐし、レモン汁1/2個分と混ぜる。(1)のスープをボウルにお玉で1杯ずつ入れて混ぜる。数回混ぜ入れたあと、 ボウルの中身を鍋に移し、裂いた鶏肉を再び鍋に戻し、塩・こしょう各少々をする。器に盛りつけ、オリーブオイル少々を垂らす。

【だるさ】ニラと卵のみそ汁

 ニラと卵、みその掛け合わせでエネルギーアップ!

 中華料理で定番の組み合わせ、ニラと卵は「血」と潤い不足からくる月経後や更年期のだるさにも効果的。「気」を補うみそを加えて心身をリチャージ!

材料と作り方(2人分)
 ニラ50gは4cm長さに切り、卵1個は溶きほぐしておく。鍋にだし汁2カップを入れ、煮立ったら溶き卵を回し入れる。固まってきたら弱火にし、みそ大さじ1と1/2を溶き入れ、ニラを入れて火を止める。

春の長雨で頭痛がしたら冬瓜を買いに行こう!
 雨による気圧の変化により、頭痛やめまいなどを伴う「気象病」。古代中国の名医が絶賛した冬瓜は、適度に身体の余分な熱と水分をデトックスしてくれるので梅雨時季にもおすすめ。スープにするなら、元気を補ってくれる鶏の手羽先と組み合わせてみては。

教えてくれた人……リョータさん●国際中医薬膳師、医薬品登録販売者。薬膳ブランドhug代表。東京と上海の2拠点生活をしながら薬膳の魅力をXで発信中。初の著書『薬膳食事帖 お茶、ごはん、スープ』(主婦と生活社)には養生生活を無理なく始めるヒントが詰まっている。

薬膳監修/リョータ レシピ監修/石井りか 調理/沖島美佐子

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