「保護犬って無料なんでしょ? 病気あるの?」公園で我が子に向けられた偏見の言葉… 「失礼極まりない」「信じられないです」共感続々

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2025年04月30日 12:10  まいどなニュース

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カートに乗ってお出かけ中の茉凜ちゃん(画像提供:ちゃーちゃんさん)

「ちょっと悲しかった。桜を見てたら50代くらいのワンちゃんを連れた女性に茉凜を『抱っこさせて』と言われた。『保護犬でまだ人慣れしていないのでガクブルしてしまう』と伝えたところ汚い物を見るように『本当に保護犬とか引き取る人いるんだ! 保護犬って血統わからないでしょ?』『わぁ初めて見たー!』って……泣けた」

【写真】お花見で訪れた公園で…思わぬハプニングがあった日の一枚

Xユーザー・ちゃーちゃんさん(@cocomoc84029127)が投稿したのは、愛犬・茉凜(まりん)ちゃんと桜を見に出かけた際の出来事を記した一文です。

投稿には、カートに仲良く並んで乗る茉凜ちゃんと先住犬の小太郎くんの姿を収めた写真が添えられていました。2匹の穏やかな様子とは対照的に、そこで起こった出来事はあまりにも衝撃的なものでした。

この投稿には、4万件を超える共感のリアクションが寄せられ、大きな反響を呼びました。いったい何があったのか――ちゃーちゃんさんに詳しくお話を伺いました。

「抱っこさせて」――突然、愛犬に手を伸ばした女性との、息苦しい10分間

ーーその日、女性と出会ったときの状況を教えてください。

「犬たちの散歩を兼ねて桜を見ようと、自宅から数km離れた公園まで車で行きました。イベントだったのか、キッチンカーやフリーマーケットなどが出ていて子どもも多かったため、茉凜と、同居犬で6歳の男の子『小太郎』はリードをつけたままカートに乗せ、人の少ない場所へ移動している最中でした。すると、進行方向から犬を連れた女性が近づいてきて、いきなり『抱っこさせてね〜』と言いながら、茉凜のリードに手をかけてきたんです。私は慌てて『この子は保護犬で、まだ人間に慣れていなくてブルブル震えてしまうんですよ〜すみません』と静止しました」

ーー突然のことだったのですね。どのようなやり取りがあったのでしょうか。

「そうしたところ、それまでにこにこしていた女性が顔を強張らせて、『保護犬を連れてる人、初めて見たわ! 保護犬って病気とかないの? わざわざカートに乗せてお散歩? 保護犬にお洋服着せてるの?』と、マシンガンのように矢継ぎ早に質問してきて、ちょっと怖くなりました。『保護犬でも繁殖引退犬なので…』と返したところ、『あー、保護犬ってただ(無料)だから引き取ったの?』と言われて……。さらに『保護犬って血統書ないんでしょ? ミックス犬の可能性もあるのよね? 見た目ヨーキーでよかったわね!』とも言われました。面と向かって言いたいことを次々にぶつけてくる女性が気味悪くて、とりあえず頭を下げてその場を離れることに。やりとりは10分もなかったと思います」

ーー女性と別れたあと、どのような気持ちが残りましたか?

「まず、言われっぱなしで言い返せなかった自分が悔しかったです。『保護犬だから! 保護犬だから!』と差別されたことや、保護犬を“ただ(無料)”と言われたことも悔しくて、悲しくて……。茉凜は繁殖引退犬、つまり生まれた子犬をショップなどでの転売目的で繁殖していたため、血統書があります。保護犬=ただ(無料)というのは、まったくの誤解です。それまでにかかった病院代などの諸費用は引き取った側が支払いますし、迎え入れるための審査もきちんとあります。そうしたことをちゃんと伝えられなかったのが悲しかったです。ずっと悶々と考えてしまって、今でも思い返すと胸が痛みます」

ーーSNSで多くの共感の声が寄せられました。ご感想を聞かせてください。

「本当に多くの方々に読んでいただき、正直、反響の大きさに少し困惑しています。でも、一言でまとめるなら『まだまだ日本も捨てたもんじゃないなぁ』ですね。読んでいただければ分かるように、否定的なコメントはまったくありませんでした! 皆さんとても優しく、肯定的な言葉ばかり。なかには、うまい切り返し方や、私の代わりに煽り文句を言ってくださる方もいて(笑)、本当にあたたかく、優しさにあふれるコメントばかりでした。折れかけていた心が癒やされて……泣きました」

ーー茉凜ちゃんとは、どのように出会われましたか?

「たまたま訪れた保護施設で出会いました。茉凜は隅っこにいて、目も虚ろで、施設の方にも慣れていなくてビクビクしていました。他にもヨークシャーテリアやトイプードル、チワワなどたくさんいたのですが、私はどうしても茉凜が気になって、スタッフさんに『抱っこさせてもらえますか?』とお願いしました。『まだ人に慣れていないので、ブルブル震えますよ』と言われたのですが、抱っこをした瞬間、しがみついてきて……。目がとても悲しそうで、心が動かされました」

「ただ、お迎えには覚悟が必要で、もちろん先住犬の小太郎との相性が一番大事でした。トライアルを申し込んで、まずは1週間の自宅生活で様子を見ることになったのですが……それはもう大変でした。おトイレの場所が分からない茉凜をサークルから出すと、部屋中にうんちをしてしまって。一晩中カーペットや布団を洗ったりと、今思うと『よく引き取ったなぁ』という感じです。でも、トライアル最終日に施設へ戻す予定だったにもかかわらず、私はすでに茉凜のお洋服を10枚以上も買っていて……その日が“うちの子記念日”になりました」

ーー茉凜ちゃんはどんな性格ですか? 先住犬の小太郎くんとの関係も教えてください。

「茉凜はとても優しい性格で、頭を撫でてあげると私の手をペロペロ舐めてくれます。その一方で活発に走り回ることもあり、ゆっくりとですが、少しずつ愛犬生活に馴染んできています。小太郎はずっと一人っ子で、ワガママに育っていたので、最初は反発されるのを覚悟していましたが……拍子抜けするほど自然に受け入れてくれて、今ではふたりでベタベタくっついて寝るくらい仲良しです。名前を呼ぶと来てくれるようになりましたが、まだ抱っこは怖いようで、固まってしまうんです。だから、無理に慣れさせず、極力嫌なことはせず、自由に過ごさせています」

当時の出来事は、投稿に添えられた短いコメントだけでは伝えきれないほど、衝撃的で心の痛むものでした。飼い主さんのお話からその状況を想像すると、胸が締め付けられるような思いがこみ上げてきます。だからこそ、この投稿には多くの共感が寄せられ、飼い主さんを気づかう声もあとを絶ちません。

「失礼極まりない、相手にしなくてよいヒトですよ。かわいい子たちやん」
「悲しまないで下さいね、みんな保護犬を大事にしてくださる方を尊敬していますので頑張って下さいね」
「信じられないです。今どき保護犬を知らないなんて……」
「保護だろうがミックスだろうが関係ない! なんか悔しい」
「保護された子たちはみな大なり小なり傷ついています。あなたが大事にしていればワンコも癒やされます。気に病まないでくださいね」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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