『ウィッチウォッチ』若月ニコ役・川口莉奈インタビュー!「まっすぐで無邪気な ニコを表現したい」読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2025年5月号では、春アニメ『ウィッチウォッチ』より、若月ニコ役・川口莉奈のインタビューをお届け。本稿では、本誌で紹介できなかった部分も含めたロングインタビューをお届けする。
まっすぐで無邪気なニコを表現したい
――『ウィッチウォッチ』という作品の最初の印象を教えてください。
魅力が多過ぎてとても語りきれないところが魅力!だと思います。コメディを主軸にしながらも要所でしっかり描かれているバトルやみんなの恋模様、そんなストーリーを彩る個性豊かなキャラクターたち。さらに魔法という要素も加わって、幅広くさまざまなストーリーを展開していけるところがとても素敵だなと思います。
――ご自身が担当するニコは、どんなキャラクターですか?
ニコは天真爛漫で人懐っこい、キュートな魔女っ子です。天然で少し子供っぽくて、ときに失敗することもありますが、いつも周りのことを思って一生懸命な子なので、そんな時は周りのみんなが助けてくれます。じつは千の魔女と呼ばれるすごい魔力を持っているのですが、それを鼻にかけたりはせず、愛嬌いっぱいに周りを笑顔にしてくれる、そんな素敵な女の子です!
――演じていて、ニコのどんなところがとくに好きだな、かわいいなと思いますか?
見た目!もう第一印象が「かわいい!」だったので、存在がかわいいというのが答えですね。ニコって、コロコロと表情が変わるんです。喜怒哀楽を素直に表現してくれるところがとってもかわいらしい。あと、人をよく見ているところ。モイちゃん(守仁)のことはもちろんですが、乙木家のみんなだったりクラスメイトだったり。周りをよく見て、自分に何かできることはないかなって考えていて、内面までとても素敵な女の子だなと思います。それとドジっ子なところも愛おしいです!――そんなニコを演じるうえで、どんなことを大切にしていますか?
ニコは常識が通じないというよりは、ずっと都会から離れて修行をしてきたので、少し世間とずれているのかなという印象です。でも根本はやさしい純粋無垢な女の子なので、多少世間とずれていたとしても何事にもまっすぐ向き合おうとするのがニコだと思っています。なので、演じる際はかわいさを表現する意識より、彼女があざとく見えないようにまっすぐ無邪気でいようと心掛けています。
――ニコは、妄想で大人ぶってみたり、魔法を使ってドヤ顔をしたり、声のトーンもコロコロと変わりますが、その変化は意識しましたか?
じつは、あまり深く考えてはいなかったです。ニコは普段自分の気持ちをそのまま言葉(セリフ)にしてくれることが多いので、自然と言葉に引っ張ってもらえているかなと思います。でもほかのキャラクターとキャッチボールのできないモノローグも多いので、平たく聞こえないように、声色を遊んで音としておもしろくなるように少し意識しています。
――ニコならではの言い回しだなと感じた表現はありますか?
ニコと言えばやっぱり「〜なのよ」という口グセですよね。この口グセって、語尾を上げると大人っぽさや少し高飛車なイメージになるかなと思うのですが、ニコの場合は語尾で下げています。
――ニコを演じていて、難しいなと感じた点は?
私は結構ネガティブなタイプなので、新しいことには楽しみよりも不安が先に頭を過ぎってしまうんです。なので、たとえば新学期に対して「青春が始まる!」みたいな考え方が素だとなかなかできなくて、セリフに詰まりそうになることもありました。でも彼女の言葉を声に出していくうちに、少しずつニコの考え方に引っ張ってもらえるようになったかなと思います。最近は引っ張ってもらうだけじゃなくて、不安になりそうなときはこういう風に考えてみればいいんだ、と思えるようになりました。
――スタッフからのディレクションで印象に残っていることは?
「もっとかわいく!」とディレクションをいただくことがよくあります(笑)。ニコのかわいさがあざとさに聞こえないように普段から意識しているのですが、ときに画面のなかのニコが放つかわいさに負けてしまうこともあるので、ラフコンテのアフレコのときから、完成後の絵をしっかり想像する意識がより強くなりました。
――ニコに共感できるところはありますか?
性格はむしろ逆で、ニコにあこがれるなと思う部分が多いですね。ニコはポジティブで、何事もまずはやってみよう!と行動できるタイプかなと思うのですが、私は先々の不安要素ばかり考え過ぎて行動に移せないことがよくあって。やらない後悔よりやる後悔、なるようになる、みたいな少し肩の力を抜いた考え方ができるようになりたいなと思います。
――ニコがときめいている守仁についての印象を教えてください。
モイちゃんはなんでもひとりでできてしまううえ、そのひとつひとつのレベルが高くて本当に努力家で立派だなと思います。でも、完璧に見えて性格は結構頑固だったり自信家だったり、好きなことにはどっぷりのめり込むようなところが、ちゃんと等身大の高校生っぽくてかわいいなと思います。少し不器用ながらも自己犠牲を厭わず人のために行動していて、表情には見えないけれどじつは愛にあふれているモイちゃん。好き。
――ニコと守仁以外で、いま気になっているキャラクターは?
みんな魅力的なので迷いますが、最近は(マガミ)ケイゴくんが気になっているかな。普段は「サブカルクソ野郎」と揶揄されている彼ですが、根っこにある彼ってとても温かいですよね。
――アフレコ現場で、印象的だった出来事はありますか?
和気あいあいとしているときと、みんな静かなときと、さまざまかなと思います。アフレコ中がかなりカロリーを使う(あまりにおもしろいのでつい笑ってしまうため)ので、もしかしたら休憩中は皆さん省エネなのかなと!(笑)収録中誰かが笑って止まってしまうことがあるのですが、そういうときは大抵全員堪えているので、その人を筆頭に現場全員が笑い始める瞬間がとても好きです。幸せな現場だなと思います。
――物語冒頭の見どころや、ニコの活躍ポイントを教えてください。
話数を追うごとに次から次へとクセの強い新しいキャラクターが登場するので、冒頭はニコとモイちゃんの2人の日常を目一杯楽しんでほしいなと思います。そして、徐々に人数が増えて賑やかになっていくなかで巻き起こる爆笑エピソードと、ガチバトルでのギャップにぜひ風邪を引いてください。いろいろな表情を見せてくれるニコは、見ている私たちを笑顔にしてくれます。絶賛修行中なニコの成長を一緒に見守っていただけたらうれしいです。
MegamiにQuestion
Q.自分のチャームポイント
A.ロングヘア
昔から髪が長くて周りに褒めていただけることも多いので、強いてあげるなら髪かなと思います。
Q.自分のニックネーム
A.なり
学生時代に、周りに「りな」がたくさんいて、名前が被る子は苗字で呼ばれがちだったんです。私は苗字で呼ばれるのが嫌だったので、りなをひっくり返してなりと周りに言っていたら自然と定着していった感じです。
Q.自分の声の特徴
A.意外と幅が広い
ありがたいことにそう言っていただけることが多くてとてもうれしいです。作品によって多種多様なキャラクターの人生に声をあてられることが声優の仕事の楽しさのひとつだと思っているので、これからもレンジを増やしつつ演技力を磨いていきたいなと思っております。
Q.自分の性格
A.ジェットコースター
結構自己肯定感が低い方なのですが、なんだかんだ承認欲求が高いクセにやっぱりネガティブで。人見知りでは無いけれどスイッチを入れないと怖くて人としゃべれないし、周りからの評価に一喜一憂してしまいます。感情がジェットコースターくらい上下するので、もっと安定した平地になりたいです。
Q.いま、ハマっているものは?
A.ホラー小説
もともとホラーコンテンツが大好きで、幼少期からホラー映画ばかり見ていたので、最近は自分が怖いと思える映画が少なくなってきてしまったんです。そんなときにSNSで話題になっていたホラー小説を読んでみたら、自分の脳内でいくらでもイメージを膨らませられるので、とても楽しいです。
Q.使ってみたい魔法は?
A.ほうきで空を飛ぶ
やっぱり魔女と言えばこれですよね。飛行魔法は魔法を題材にした作品であれば必ずと言っていいほど登場するので、あこがれも強いです。
Q.使い魔になってほしい存在は?
A.人語をしゃべれる黒ネコ
これも鉄板ですよね!使い魔と言えばネコちゃん。絶対私よりもしっかりしているんだろうなぁ。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.テーマパーク
『ウィッチウォッチ』は、やはりひとつの作品のなかにたくさんの要素が詰め込まれていることが魅力のひとつだと思うので、遊園地のアトラクションみたいだなと思いました。個性豊かなキャラクターたちをキャストさんだとするならば、視聴者の皆さんはゲストでしょうか。『ウィッチウォッチ』という名のテーマパークで、ぜひ素敵な体験をお楽しみくださいね。
Profile
かわぐち・りな/11月24日生まれ。埼玉県出身。青二プロダクション所属。
主な出演作は『ダークギャザリング』神代愛依役、ゲーム『アイドルマスター シャイニーカラーズ』斑鳩ルカ役など。
作品Information
毎週日曜日夕方5時よりMBSほかにて放送中
https://witchwatch-anime.com/
幼なじみ・若月ニコの使い魔として、予言された災いから彼女を守るべく同居することになった乙木守仁。鬼の力を持つ守仁だが、魔女修行中のニコが使う魔法は何かと予測不能で、周囲の人々と共にそのトラブルに巻き込まれていく。
(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS
●取材・文/野下奈生(アイプランニング)