
前回からの続き。私が寿司職人の夫のもとに嫁いで30年以上経ちます。長男のハジメはユキさんと、次男のケイゴはマリカさんと結婚して家庭を築いています。私は「嫁として」常に夫を立て、裏から家業を支えてきました。しかし息子たちが自分の実家よりもお嫁さんたちを大切にするのを見て思ったのです。今の女性の、なんて強いこと……! 私はマリカさんと話してみて、この先の人生は自分が表に出てもいいかもしれないと思うようになったのです。


子どもの出来が良ければ父親の手柄で、出来が悪ければ母親の育て方のせい……。けれどユキさんやマリカさんを見ていたら、今までのようにはすんなり受け入れたくない気持ちがでてきたのです。私は思い切って言い返しました。



「嫁とはそういうもの」という呪縛から解き放たれ、自分が店主になる覚悟を決めた私。まずはハジメに連絡を取りました。これまで「嫁だから」と仕事を押し付けてしまっていたことを、ユキさんには心から謝らないといけません。





私が息子のお嫁さんたちに仕事を言いつけていたのは、私がそういう扱いをされていたからです。だから「かわいそう」とも「申し訳ない」とも思う余裕はありませんでした。けれど私は、前の世代からされてツラかったことを次の世代にしてしまっていたのです。
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小料理屋を開くにあたっては、ハジメもずいぶん協力してくれました。ユキさんも孫たちを連れて来てくれました。これまでのことがすべて許されるとは思っていませんが、私の気持ちもそれなりに理解してくれているようでありがたいです。これからは自分のこともしっかり見つめて、輝いていけたらと思います。
原案・ママスタ 脚本・物江窓香 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子