沖縄本島中部の米軍基地内のトイレで成人女性に性的暴行をしたなどとして、那覇地検は30日、在沖縄米海兵隊の1等兵、オースティン・ウェディングトン容疑者(27)を不同意性交等と傷害の罪で起訴した。沖縄県警が4月7日に書類送検していた。地検によると、日米地位協定に基づき、被告の身柄は米軍が管理していたが、起訴後に日本側に移された。
沖縄では2024年6月以降、米兵による性暴力事件が相次いで明らかになっており、起訴されたのは4件目。玉城デニー知事は記者団の取材に「非常に凶悪な犯罪であり、許されざることだ」と非難した。外務省によると、起訴を受け、船越健裕外務次官が米国のグラス駐日大使と省内で面会し、強い遺憾の意を伝えたうえで、米軍人の綱紀粛正と事件の再発防止を求めた。
起訴状などによると、ウェディングトン被告は3月18日、基地内のトイレで女性の首を手で絞めるなどし、性的暴行した。さらに、別の女性に対しても顔を踏みつけ、腕を回して首を絞めるなどの暴行を加え、けがをさせたとしている。
捜査関係者によると、性的暴行を受けた女性は基地従業員で、被害直後に警察に相談した。在日米軍の法的地位を定める日米地位協定は、米側が先に容疑者を拘束した場合、起訴まで米側が身柄を拘束すると規定しており、県警は米軍側の協力を得て任意で捜査し、書類送検した。
県には防衛省沖縄防衛局から起訴について情報提供があった。玉城知事は取材に対し、週内にも在沖米軍幹部を県庁に呼び、事件に抗議する考えを示した。
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取材後に発表したコメントでは、事件が後を絶たないことに「米軍の隊員教育や管理体制に疑念を持たざるを得ない」とした。【喜屋武真之介、比嘉洋、田所柳子】
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