「受託生産、成功に全力」=新CEO、苦境打破へ決意―米インテル

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2025年04月30日 21:01  時事通信社

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時事通信社

米インテルが開いた半導体の受託生産事業に関するイベントで講演するタン最高経営責任者(CEO)=29日、米カリフォルニア州サンノゼ
 【シリコンバレー時事】米半導体大手インテルのタン最高経営責任者(CEO)は29日、カリフォルニア州で開いた自社イベントで講演し、「受託生産事業を成功させるために全力を尽くしている」と述べた。トップ就任からわずか1カ月余り。生成AI(人工知能)ブームに乗り遅れ低迷するインテルの苦境打開への決意をにじませた。

 インテルはこれまで、受託生産を成長事業に据えてきた。ただ競合する台湾積体電路製造(TSMC)の背中は遠く、構造改革費用を計上。2024年12月期には188億ドル(約2兆7000億円)と、38年ぶりの通期赤字に陥っていた。

 経営再建を託されたタン氏は、半導体設計支援ソフトを手掛ける米ケイデンス・デザイン・システムズの業績を上向かせた業界の著名人。インテルで社外取締役を務めた経験もある。追加の人員削減など経営効率化策が先行しており、イベントでは成長に向けた事業方針に注目が集まった。

 発表されたのは、半導体技術の投入計画の更新。「A14」といった半導体の微細化技術を進め、電力効率も向上させると語った。従来路線を継続しつつ、タン氏は「謙虚」に委託元の要望を聞く姿勢も強調した。

 一方、インテルが昨年表明した受託事業を分社化し、外部資本を受け入れて立て直すプランの進捗(しんちょく)への言及はなかった。先端半導体の国内生産強化は米政府も重要視しており、今後の課題となる。 
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