「闇バイト」で神奈川県厚木市の貴金属店に押し入り、強盗傷害などの罪に問われた19歳男性。刑事罰か保護処分かが争われた裁判員裁判は、横浜地裁小田原支部で4月30日、懲役6年の実刑判決が言い渡された。寺本真依子裁判長は「失敗を見つめ直し、成長を」と男性に語りかけた。
事件は2024年8月に発生。判決などによると、男性はパチンコなどで借金をし、SNS(交流サイト)から闇バイトに応募した。指示役の命令で車に乗ると、通話アプリで常に監視され、同乗者を「殴れ」という理不尽な指示にも従った。
貴金属店に侵入し、腕時計などを強奪。取り押さえようとした通行人をハンマーで殴ってけがをさせた。
男性は公判で「感覚がおかしくなっていた」「お金をもらって早く帰りたかった」などと証言。出廷した母親は「優しい息子。私の知っている姿とはつながらない」と話した。懲役10年を求刑した検察側に対し、弁護側は少年院送致などの保護処分を求めていた。
男性は指示役に簡単に従った理由を「今まで勉強してこなかったからだ」と気づいたといい、拘置所で漢字や英語の勉強をしていると明かした。
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寺本裁判長は「主体的に行動した。離脱する機会もあった」と指摘しつつ、男性の現在の姿勢に言及。「反省を続け、学ぶという気持ちを忘れないでほしい。失敗を見つめ直すことは必ず人を成長させる。ぶれない自分を確立してほしい」と説諭した。
男性は前を向いてうなずき、法廷を後にした。【宮本麻由】
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