
職場の「やる気格差」の原因は、単純に仕事に対する熱量の違いだけではない。スキルや待遇、個人の価値観が複雑に絡み合っているようだ。
投稿を寄せた40代男性(アパレル販売)は、部署内の状況を明かした。10人の部署に、1人だけやる気が感じられない30代男性がいるという。だがこの部下は特定の分野で高い能力を持っているそうだ。(文:天音琴葉)
「社内では唯一無二の知識」を持つ部下を生かしきれず
その30代男性はネットに強く「言われた仕事は完璧」だそう。投稿者が問題視するのは、さらに仕事を依頼しようとした時だ。
「仕事が出来るのでさらにお願いをするのですが『それ以上は担当外、難しい』と返答がきます」
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与えられた範囲の仕事は完璧にこなすが、それ以上の貢献意欲は見せない。しかも、そのスキルが「社内では唯一無二の知識」であるため、上司としても強く出られない。「固定の仕事しか任せられず困っています」と、マネジメントの難しさを吐露している。
一方、都内のメーカーで営業のパートをしている30代女性からは、上記とは真逆の「やる気」をめぐる投稿が寄せられた。この女性の職場では、パートを取りまとめる「リーダーが、やる気があります」という。
女性は、東京都の最低賃金レベルの時給で働いているにもかかわらず、営業成果を求めてくるリーダーにうんざりしている様子。おそらくリーダーは社員か、パートだとしても時給が女性より高いのだろう。「正直なぜその中小企業で働いているのか不思議なほどやる気があります」と、女性はその熱意にやや引いているようだ。
一方で自身は育児中で、
「当日休みがとれ、在宅ワークができるということで育児と両立しやすいということのみで働いている」
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という理由でその職場を選んでいる。そのため、「そんな最低時給でやる気まで求めてくるリーダーの話を右から左へ聞き流しています」と、冷静に対応している。
さらに会社自体も、「社員を採用したいらしいのですが給料が安すぎで誰も来ない」という状況のようだ。
会社や上司は当然のごとく「やる気」を求めてくるが、昔と違って、給与に見合わなければ応じない人が多いかもしれない。また、昇給や昇格に精を出すより自分の時間を優先したい、という人もおり、働くことへの価値観も多様化しているから、ますます難しい問題だ。
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