写真「永遠に“女”の人って、きっと義母みたいな人のことを言うんでしょうね。10代の孫にまで嫉妬して、本当に見苦しいです」
そう話す近藤真奈美さん(仮名・45歳)は、14歳の娘に執着する義母の異常さに悩まされています。
◆娘が生まれたことで嫌いな義母との関係性が変化
真奈美さんは20年前、夫の健人さん(仮名・46)と結婚。結婚当初から、女をひけらかしてくる義母のことが苦手でした。
「初めて両家で顔合わせした時、義母は私の母を見て『お母さま、素朴ですね』と笑ったんです。化粧っけがない母を馬鹿にしたような笑い方に腹が立ちましたし、そこで張り合うんだ……と驚きました」
そうした経緯もあり、真奈美さんは義母と適度な距離感を保ちながら付き合っていましたが、娘が生まれたことを機に関係性が変化。
「出産祝いを持ってきてくれた時、義母は娘の顔をベタ褒めして『私の血も入っているから、この子は絶対、美人になる!』とメロメロになって……。それ以来、買った洋服や女児向けのコスメを頻繁に持ってくるようになりました」
申し訳ないから、持ってこなくても大丈夫と伝えてほしい。義母の好意を煩わしく思った真奈美さんは、そう健人さんに頼むことに。しかし、ケチな夫は「貰えるものは貰っておけばいい」と言っただけでした。
結局、モヤモヤしながらも真奈美さんは義母からの贈り物を受け取り続けます。
◆彼氏との遊びを優先させた孫に罵詈雑言を浴びせた義母
義母の孫愛は娘さんが成長するにつれ、エスカレート。娘さんが中学生になると、「一緒に洋服を見に行こう」や「一緒にパンケーキを食べに行こう」と、まるで友達を誘うかのように娘さんを連れ出すことが増えました。
真奈美さんはそのたびに「お金もかかるでしょうし、申し訳ないので……」とやんわり断りましたが、義母から「孫をかわいがることだけが楽しみなのに……」と言われると、強く拒むことができなかったと言います。
「娘はなんだかんだ楽しんでいるようだったので、まあいいかと気持ちを落ち着かせていました。私は義母が嫌いだけれど、大人の事情に娘を巻き込んではダメですし」
しかし、その均衡は娘さんに彼氏ができたことで一気に崩壊します。ある日、彼氏との遊びを優先したいと思った娘さんは、家にやってきた義母の誘いを断ったそう。すると、義母はこれまで見たことない剣幕で娘さんを怒鳴り始めました。
「今までお前にどれだけの金をかけたと思ってんだ。中学生の分際で彼氏を作るなんて、ふしだらな女。私の誘いを断るのなら、これまでお前にかけてきた金を全部返せ!」
そう叫ぶ義母を真奈美さんはなんとか抑えましたが、娘さんは硬直。義母の本音を知り、大きなショックを受けてしまいました。
「義母は娘の前ではいつも優しかったので、温厚なお祖母ちゃんが自分のせいで豹変してしまったと思ったようで……。結局、その日は彼氏とも遊ばず、部屋に引きこもっていました」
◆孫の容姿を貶して執拗に執着する義母が怖すぎる
それから数日後、義母が謝罪に来たことで娘さんのメンタルは落ち着いたそう。今後は娘さんの予定を事前に聞いてから家を訪ねるようにするという義母の申し出により、娘さんと義母はLINEを交換しました。
「でも、それがよくなかった。その日から娘のもとに1日何十通もトークが届くようになたんです」
送られてくるトークは、娘さんの容姿を貶すものばかり。「彼氏ができたからって調子に乗るな」「お前は私よりもずっとブスなんだから身のほどをわきまえろ」「一緒に遊びに行った時、みんなお前の顔を笑ってたよ」などという、義母からの攻撃的なトークを娘さんから見せられた時、真奈美さんは背筋が凍りました。
「義母が10代の子と張り合っているように感じてゾっとしました。やっぱりこの人は、自分が一番なんだなって」
真奈美さんは、娘さんのLINEで義母に返信。トークを見たことを伝え、今後は家に入れないと宣言。金輪際、娘さんに近づかないようにと忠告もしました。
「そしたら、すぐにブロックされました。逃げやがったとムカついたけど、娘がもう傷つけられないのなら、これでよかったと思ったんです」
ところが、義母の執着は止まらず。真奈美さん宅にあがれなくなった義母は登下校中の娘さんを待ち伏せ、「恩知らずのクソ女」や「色狂い」などと大声で罵るようになりました。
そのため真奈美さんは娘さんを毎日、送迎するように。これ以上、義母の嫌がらせがエスカレートするようであれば、身内であっても法的処置を取ろうと考えています。
14歳の少女に執着して嫌がらせを行う義母。自分の行動の異常さと自身の心の問題に、彼女が気づく日は来るのでしょうか。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291