『SPY×FAMILY』ダミアンはなぜ人気? 「ツンデレ具合」と「いざという時の男らしさ」に注目

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2025年05月01日 13:00  リアルサウンド

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ダミアン・デズモンド(S.H.Figuarts)

 国家統一党総裁ドノバン・デズモンドの息子ダミアン。イーデン校のクラスメイトの中でもアーニャと絡みが多く、そのツンデレ具合から、アニメ放送時には「#ダミアニャ」がSNSで話題となったほど本作のなかでも人気のキャラクターだ。


参考:【画像】『SPY×FAMILY』ダミアンのドラクエ勇者風イラスト(全3枚)


 本稿では、いざという時に見せる男らしさと、クラスメイトからも慕われるリーダーシップ、子供らしい要素など、ダミアンの人気の理由を考察する。


◼︎ピンチの時に見せる男らしさとクラスメイトからの人望の厚さ


 ダミアンの男らしさを象徴するエピソードといえば、コミック11巻収録のMISSION:69で社会科見学の移動中に起きたバスジャック事件だ。犯人から爆弾(実際には脅し用のニセモノ)を取りつけられてしまったアーニャを助けるため、自ら人質になると申し出たダミアンの姿は、シンプルにかっこよく、さながらヒロインを守るナイトのようだった。犯人の心を読んで爆弾がニセモノだと分かっていたアーニャも、自分のために体を張ったダミアンに対しては思わず「……じなん...」と声に出してしまうほどで、このエピソードのクライマックスシーンとなっている。


 他にも、ドッジボールのクラス対抗戦エピソードでは、数々の球技大会を総ナメにしてきたビル・ワトキンスの豪速球を、自身の身体で受け止めてアーニャをかばう一面や、学年最速で星(ステラ)を獲得した彼女に対するクラスメイトたちのやっかみを一蹴する一幕も。こうしたアーニャに対するツンデレ具合や、いざという時のナイト感こそダミアンの魅力と言えるだろう。


 クラスメイトのエミールとユーインが、こうしたダミアンの男気に一目をおき、家来のように付き従っている点もポイントだ。MISSION:95のダンスパーティーのエピソードで、ダミアンが彼のダンスパートナーになりたい女生徒たちに取り囲まれた際には、彼らが進んで「ダンスパートナー選考会」を開催。「俺は誰とも踊らない」と主張するダミアン自身さえも黙らせ、クイズや障害物レースなどとても即席とは思えない競技内容で「ダミアンさまにふさわしいダンスパートナー」選別を繰り広げた。


 またMISSION:113では、彼らがダミアンに自分たち以外の友達がいる可能性があることにショックを受けるシーンも。こうした言動から、エミールとユーインがかなりダミアンを慕っていることが伺える。いざという時の男らしさと、女性だけでなく男友だちからも慕われる人望。少年漫画の主役要素が盛りだくさんなキャラクターと言えるだろう。


◼︎時折見せる孤独な表情も見逃せない


 ダミアンに関してもう1つの注目したいポイントに、家族との距離感と、物語の要所要所で描かれる子供らしさがある。初登場から、ダミアンがデズモンド家の子息であることに強いプライドを持っていることは明白だったが、ストーリーが進むにつれ、父親への畏怖の念や成績の良い兄への負い目といった、家族に対する複雑な感情があることが明らかになっていく。


 彼が星(ステラ)獲得やテストの成績にこだわるのは、すべては忙しい父親に振り向いてもらうため。また、バスジャック事件の後、母メリンダが車で迎えにきた際には涙を流して喜び、その日の夕食が彼女の手料理であるだけで心の中で大喜びする。父母に対してはとにかく子供らしくけなげなのだ。


 コミック最新15巻では、デズモンドの家族団らんの様子が明らかになり、家族関係の希薄さや、ドノバンとの奇妙な距離感も明らかになった。これまでも、「疑似家族」でありながら父母とも仲が良く強い絆で結ばれているアーニャとの対比は描かれてきたが、最新巻で父親に超能力者疑惑が浮上した今、ダミアンの今後の動向や、親子関係の変化にも要注目だ。 


 クラスメイトの前では、国家統一党総裁の息子として、男らしさやリーダーシップを発揮しつつ、父母や兄に気を使い、家族関係に孤独感や悩みを抱えるダミアン。かっこいいだけではなく、こうした苦悩する姿もまた共感を呼び、彼が読者を惹きつける魅力なのかもしれない。


(文=あさみ)



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